東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ (テレビドラマ)
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東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~とは、リリー・フランキーの長編小説『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』を原作としたドラマである。以下の2つのドラマが存在するが、本項ではその両者について記載する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 単発(2006年)
多数寄せられたオファーの中から、作者がドラマ化を委ねたのは、ドラマ界の重鎮・久世光彦であった。これは、久世が自らの手で演出することを切望したことと、作者が久世ドラマのファンであったことがその理由である。
制作を久世が経営するカノックスが手がけ、放送局はフジテレビに決定した。演出にあたって久世は、東京キー局では主役経験の少ない大泉洋を抜擢。その一方で久世作品には欠かせない名女優・田中裕子を母親役に据え、ほかにも「久世組」の加藤治子や小林薫・樹木希林らに声を掛けるなど着実に準備を進めていた。
しかし、脚本も完成し、クランクインが直前となった2006年3月に久世が急逝したことから、一時は制作中止も検討された。だが、残されたスタッフは久世の遺志を尊重する形での制作続行を決めた。
演出にフジテレビの西谷弘を新たに起用し、「最後の久世作品」という特別な意味合いを持つなかで撮影は進み、2006年7月29日にフジテレビ系列「土曜プレミアム」枠で放送することも決定していた。
だが、放送直前の2006年7月、杉本春男役だった元極楽とんぼ・山本圭一が不祥事を起こし、同日の放送が中止となった(通常は映画枠のため、「オーシャンズ11」に差し替え)。また、杉本は重要な役だったため、そのシーンだけをカットすることができず、「お蔵入り」も噂されたが、杉本役に代役として塚地武雅(ドランクドラゴン)を起用し、杉本の出演シーンを撮り直して再編集することになった。
こうした紆余曲折を経て、ようやく同年11月18日に土曜プレミアム枠で芸術祭参加作品として放送された。
関東地区の平均視聴率は15.4%だったが、ボク役の大泉洋の出身地である北海道地区(北海道文化放送)では平均27.9%(いずれもビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録した。
[編集] キャスト
- 中川(藤本)栄子("オカン"):田中裕子
- 中川雅也("ボク"):大泉洋
- 少年時代の中川雅也:神木隆之介
- 成田真沙美:広末涼子
- 藤本法子(オカンの妹):大塚寧々
- 梶村信枝(オカンの姉):松金よね子
- 中川弘治("オトン"):蟹江敬三
- 藤本種(オカンの母):加藤治子
- 方南町の大家:樹木希林
- 奥寺:小林薫
- 輪島:竹中直人
- 榎本:佐藤隆太
- 前野範人:岡田義徳
- 少年時代の前野範人:米谷真一
- 杉本春男(バカボン):塚地武雅(ドランクドラゴン)
- 少年時代の杉本春男:細山貴嶺
- 多田羅正行:蛭子能収
- 役名なし(エキストラ出演):久本雅美
[編集] 主題歌
- BEGIN「東京」
[編集] スタッフ
- 原作:リリー・フランキー
- 脚本:土田英生
- プロデュース:中野利幸
- 演出:久保田哲史
- 音楽:澤野弘之、河野伸
- 企画:久世光彦(カノックス)、和田行・小松純也(フジテレビ)
- プロデューサー:三浦寛二・三輪源一(カノックス)
- 演出:西谷弘(フジテレビ)
- 制作:フジテレビ、カノックス
[編集] 連続(2007年)
[編集] 概要
- 2007年1月8日から2007年3月19日まで毎週月曜日の21:00~21:54(JST)にフジテレビ系列月9枠で放送されていた連続ドラマである。
- 月9ドラマとしては前クール、『のだめカンタービレ』に続きジャニーズ事務所系のタレントをメインに据えない作品でもあったが(その代わり研音枠)、初回視聴率は歴代月9ワースト2位の14.2%と、厳しい出だしで始まったが、徐々に数字を伸ばしてきている。ちなみにアメリカ合衆国でもフジテレビがケーブルテレビで放送している。
- 視聴率低迷が見込んだため、関西地区等では最終回の一週間前から夕方に再放送を行ったところ、最終回の視聴率は過去最高の18.1%を記録した。
- 視聴率は月9としてはあまり高くない。しかし、このドラマへの評価は放送前と比べると高い。
[編集] 登場人物・キャスト
- 中川雅也(ボク)
- 武蔵野美大卒業。とても甘えん坊で自由な性格である。いつもマイペースでよく遅刻する。
- 佐々木まなみ(ボクの彼女)
-
- 演:香椎由宇
- カメラマンを目指している。雅也とは東京行きのバスの中で出会う。「ここ(東京タワー)が私の始まり。ここから私が始まるの」と言う。北海道の旅館の娘。
- 鳴沢一
-
- 演:平岡祐太
- 雅也の大学時代の友人で真面目な性格。実は雑誌編集者は嘘であった。「俺は何一つ好きなことをできてない。お前(雅也)が羨ましいよ」と嘆く。第7話では過労で倒れてしまう。
- 山田耕平
-
- 演:柄本佑・少年期:児玉真楽
- 雅也の高校の後輩。バカボンと呼ばれている。栄子に頼まれ雅也を偵察に来るが、麻雀に没頭したり格闘家を目指したりと破天荒。しかし、いざというときはしっかり意見する。
- レオ・リー
-
- 演:チェン・ボーリン
- 雅也の元アパートの住人。雅也が引越し後からは、栄子の手料理を食べに多々雅也の家へやってくる。台湾人。ホストクラブで働いている。
- 徳本寛人
-
- 演:高岡蒼甫
- リーと同様雅也の元アパートの住人で、雅也の家に手料理を食べにくる。高校の時に母親を殴ってしまい家を追い出されるが、栄子をきっかけに何時でも実家に帰れるようになった。
- 手塚修一郎
-
- 演:石黒賢(特別出演)
- 雅也の隣人。福島県出身だが、実家には十数年来帰っていない。大学も欠席がち、次第にだらしなくなっていく雅也に「お前はこの東京の中のゴミにもなれていないんじゃないのか」と苦言を呈す。モヤシ料理が得意。
- 佐々木恵子
-
- 演:朝加真由美
- まなみの母。娘の上京には未だ反対しており「あんたのこと周りの人に言うの恥ずかしいわ」と言ったり、「ねぇ、いつ帰って来るの?」と帰郷を催促する。倒産しかけの旅館を経営する。
- 前野和夫
-
- 演:山崎裕太
- 雅也の高校の同級生。いい事も悪い事もいつも共にする仲で、雅也の東京行きを羨ましがっていた。
- 後藤洋介
-
- 演:斉藤洋介
- 雅也の高校の担任。遅刻が多い雅也に色々と手を焼く。「お前はこのままで一体どこの大学に行くつもりだ?」と嫌味も言う。
- 久保田磨希
- 雅也の元アパートの大家。家賃の催促は厳しい。雅也のことをマーくんと呼ぶ。栄子からの手紙などを逐一持ってきてくれる。
- 深浦加奈子
- 雅也がイラストレーターとして初めて共に仕事をする人物。自分の才能に自信を持てなかった雅也に「面白いわ。だからもっとあなたらしく描いてみなさい」と励ます。
- 山田明郷
- 栄子の担当医。
- 銀粉蝶
- 寛人の母。
- 澤田玉夫
-
- 演:星野源
- ゴジラ(ボクのペット)
- 雅也が買ってきたウサギ。ベランダで小さな小屋に入れて買っている。雅也の癒しとなっていた。
- 藤本ハル(オカンの母)
-
- 赤木春恵(オカンの母)
- 栄子の母。富美子とは対照的で口数は少なく、あまり感情を表に出さない物静かな人者。だが雅也のために昭和33年の10円玉を死の直前まで集めてくれていた。雅也が心を入れ替えるきっかけとなる。
- 中川富美子(オトンの母)
-
- 演:佐々木すみ江
- 兆治の母。口が達者で世話好き。雅也を大事に思っており、一時期一緒に住んでいた雅也を「やっぱり栄子さんにはかなわない」と言い、栄子の元へと帰す。
- 藤本香苗(オカンの妹)
-
- 演:浅田美代子
- 栄子の妹。底抜けに明るいが、怒ると父親並みの説教が飛び出すことも。姉思いで「姉さん(栄子)は働きすぎたい」が口癖。「姉さんは甘すぎる」とも言った。
- 中川兆治(オトン)
-
- 演:泉谷しげる
- 雅也の父。5人兄弟の長男。自分中心的な性格で、子どもの頃から不良。雅也以上のマイペース。昔から絵を描くのが趣味で、その才能は雅也に受け継がれているらしい。雅也の東京行きに賛成する。
- 中川栄子(オカン)
-
- 演:倍賞美津子
- 雅也の母。筑豊の炭鉱町(鞍手郡宮西町。旧宮田町がモデル)生まれ。31歳の時に27歳だったオトンと結婚したがのちに別居。料理屋と青果市場に勤め、女手ひとつで雅也を育てた。仕送りや差し入れなども欠かさない。店の常連から栄子ちゃんと呼ばれている。癌が見つかってから上京する。
[編集] 放送日・サブタイトル・視聴率
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
第1話 | 2007年1月8日 | オカンとボクと時々オトン~親子の別れ | 14.2% |
第2話 | 2007年1月15日 | 涙の別れ後 | 15.6% |
第3話 | 2007年1月22日 | 祖母の最期 | 14.9% |
第4話 | 2007年1月29日 | 病いの宣告 | 16.0% |
第5話 | 2007年2月 5日 | 最後の旅行 | 13.9% |
第6話 | 2007年2月12日 | オカン上陸 | 12.9% |
第7話 | 2007年2月19日 | オカンの心、ボク知らず | 14.8% |
第8話 | 2007年2月26日 | 時々オトン~家族の絆 | 14.4% |
第9話 | 2007年3月 5日 | 将来の約束 | 15.4% |
第10話 | 2007年3月12日 | 最期の選択 | 14.2% |
最終話 | 2007年3月19日 | 涙の最期 | 18.1% |
平均視聴率14.9%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ調べ)
[編集] テーマソング
[編集] 主題歌
- コブクロ 「蕾」
- コブクロがこのドラマの為に著書を読んで書き下ろした楽曲。
- コブクロが速水もこみち主演のテレビドラマの主題歌を歌うのは『レガッタ~君といた永遠~』に続いて2回目である。
[編集] 挿入歌
- 関山藍果 「motherhood ~me & my mom~」
- 関山がフジテレビ系のテレビドラマのテーマソングを歌うのは『医龍-Team Medical Dragon-』に続いて2回目である。この挿入歌起用は、本作の音楽を担当した澤野弘之が前述のドラマにおいても同様に音楽を担当したことから再度実現した。
- ドラマのスタッフロールにはクレジットされていないため、視聴者から問い合わせが殺到している。2007年3月7日発売のドラマのオリジナルサウンドトラックに収録されている。
[編集] スタッフ
[編集] 外部リンク
[編集] 作品の変遷
フジテレビ系 月曜9時 | ||
---|---|---|
前番組 | 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ (2007.1.8 - 2007.3.19) |
次番組 |
のだめカンタービレ (2006.10.16 - 2006.12.25) |
プロポーズ大作戦 |
1980年代: | アナウンサーぷっつん物語 - 男が泣かない夜はない - ラジオびんびん物語 - ギョーカイ君が行く! - 荒野のテレビマン - 君の瞳をタイホする! - 教師びんびん物語 - あそびにおいでョ! - 君が嘘をついた - 君の瞳に恋してる! - 教師びんびん物語II - 同・級・生 - 愛しあってるかい! |
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1990年代前半: | 世界で一番君が好き! - 日本一のカッ飛び男 - キモチいい恋したい! - すてきな片想い - 東京ラブストーリー - 学校へ行こう! - 101回目のプロポーズ - 逢いたい時にあなたはいない… - あなただけ見えない - 素顔のままで - 君のためにできること - 二十歳の約束 - あの日に帰りたい - ひとつ屋根の下 - じゃじゃ馬ならし - あすなろ白書 - この世の果て - 上を向いて歩こう! - 君といた夏 - 妹よ |
1990年代後半: | For You - 僕らに愛を! - いつかまた逢える - まだ恋は始まらない - ピュア - ロングバケーション - 翼をください! - おいしい関係 - バージンロード - ひとつ屋根の下2 - ビーチボーイズ - ラブジェネレーション - Days - ブラザーズ - ボーイハント - じんべえ - Over Time - リップスティック - パーフェクトラブ! - 氷の世界 |
2000年代前半: | 二千年の恋 - 天気予報の恋人 - バスストップ - やまとなでしこ - HERO - ラブ・レボリューション - できちゃった結婚 - アンティーク - 人にやさしく - 空から降る一億の星 - ランチの女王 - ホーム&アウェイ - いつもふたりで - 東京ラブ・シネマ - 僕だけのマドンナ - ビギナー - プライド - 愛し君へ - 東京湾景 - ラストクリスマス |
2000年代後半: | 不機嫌なジーン - エンジン - スローダンス - 危険なアネキ - 西遊記 - トップキャスター - サプリ - のだめカンタービレ - 東京タワー - プロポーズ大作戦 |
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