東急バス東山田営業所
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東急バス東山田営業所(とうきゅう-ひがしやまたえいぎょうしょ)とは、横浜市都筑区東山田4-35-1にあり、日吉駅および港北ニュータウン地域を主軸に路線を展開する営業所である。営業所の略号は「H」であるが、これは前身の日吉営業所と頭文字が同じため引き継いだものである。なお、営業所名および周辺地名は「ひがしやまた」と最後が濁らないのが正しい。
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[編集] 沿革
- 日吉営業所が東横線複々線化工事等のため手狭となったこと、及び横浜市営地下鉄開通に伴う港北ニュータウン地域での路線拡張のため、1993年11月1日に移転開設された。一部の路線は営業所開設前に新羽営業所の担当で開設されたが、その際すでに「東山田営業所」の停留所名が使用されていた。引き換えに、日吉駅~綱島駅(駒岡線)、日吉駅~川崎駅(鹿島田線、後に廃止)などの路線は、日吉営業所から新羽営業所へ移管された。また、高津営業所からすみれが丘線(鷺01),鷺沼線(鷺02)を移管されてスタートした。
- 営業所用地は横浜市営バス港北ニュータウン営業所が現在使用している用地とともに港北ニュータウンの基本計画書である「港北ニュータウン基本計画」に記載が見える。また、日本住宅公団の港北ニュータウン計画土地利用計画にも「バ」という記載とともに営業所用地がはじめから計画されていたことを示す記載がある。地元ミニコミ紙などによれば当初この用地は横浜市交通局が使用することが前提として計画されていたようであるが、早渕川以北の港北ニュータウン計画地が東京急行電鉄の路線権エリアであったことから最終的に東京急行電鉄のバス営業所用地として確保されることとなった。
- その後、2001年9月16日所管路線に系統番号を付与され、現在に至る。その際、川崎市内を発着する鷺01,02系統については既に付番済みであった。
[編集] 現行路線
[編集] 日吉線
- 日21:日吉駅~下田仲町~下田町~高田町(山本記念病院)
- 日22:日吉駅~下田仲町~サンヴァリエ日吉
日吉線は、港北区の北端を東西に走る路線であり、日吉駅と都市機構住宅のサンヴァリエ日吉を結ぶ日22系統と、同駅と高田町を結ぶ日21系統からなる。高田町の終点は高田線などが停車する高田停留所とは大きく離れたところにあるため、「山本記念病院」の副名称をつけて区別している。日21系統については誤乗防止のため、方向幕は黒地で表示されていたが、行先表示機がLED式となったため一時見られなくなっていた。その後2006年10月頃にLEDの表示変更がなされ、系統番号が反転表示になっている。
路線全般が狭隘路であるが、沿線に住宅地を抱えており利用者が多いため、運行は大型車によって行われている。ただし、他の路線とは異なりバックカメラ・マーカーランプ付きの車両が充当される。またその関係上、ノンステップ車やワンロマ車が走ることはない。大型車で運行されているにも関らず、ラッシュ時には度々積み残しが発生し、朝ラッシュ時における日吉駅近くの停留所では満員通過が当たり前となっており、乗降客の多いバス停には臨時の係員も動員され、狭い道での乗降時間短縮を図っている。この為、一部には中ドア付近の座席を撤去したバスが存在する。かつては今より道幅の狭い箇所がいくつもあり、道路の拡幅に手間取ったため、ワンマン運転の開始は1973年と非常に遅い時期のことである。最終的には、運転手を動員して道路の拡幅工事が行われたとのエピソードも残されている。
両系統は日吉駅~新田坂下間で同一経路をとり、ダイヤも共通に組まれている。出入庫は日40(新道経由出入庫)、高田町と営業所間の回送出入庫、深夜バスの一部で日52(南日吉団地経由入庫)のいずれかで行う。なお一時期、日吉駅~高田町~(下根住宅前)~(百石橋)~東山田営業所という入出庫系統が存在したが、現在はない。
[編集] 高田線
- 日40:日吉駅~北綱島~百石橋~東山田営業所
- 日41:日吉駅~北綱島~道中坂下~東山田営業所
- 日43:日吉駅~北綱島~道中坂下
- 日51:日吉駅~南日吉団地中央(循環)
- 日52:日吉駅~南日吉団地中央~百石橋~東山田営業所
- 1960年10月1日:高田線 日吉駅西口~高田~綱島駅を開通。
- 1961年2月1日:日吉駅西口~高田~綱島駅~日吉駅西口循環に変更、高田循環線となる。
- 1960年代:日吉駅西口発着から東口発着へ変更。
- 1962年5月7日:日吉駅~南日吉団地系統を新設。
- 1963年3月:南日吉団地系統を日吉駅~南日吉団地中央循環に変更。
- 1963年4月:南日吉団地循環の循環区間を逆回りに変更。
- 1971年2月10日:高田循環線の循環運転を取りやめ、日吉駅~箕輪町住宅~道中坂下に変更、再び高田線となる。
- 1985年7月1日:深夜バス・日吉駅~南日吉団地循環を新設。
- 1989年5月16日:深夜バス・日吉駅~南日吉団地循環を日吉駅→南日吉団地→下田町に変更(後の日55系統)。
- 1993年11月1日:日吉営業所移転により東山田営業所へ移管。同時に道中坂下系統の東山田営業所発着便を新設。
- 2001年9月16日:系統番号付与。日吉元石川線の開通に伴い道中坂下系統を日吉本町経由から北綱島経由に変更(日41,43)。日40,日52系統を開設。日52で深夜バス運行開始。
- 2004年3月31日:日55系統廃止。
日40系統は日21、日22系統(日吉線)の出入庫として運行される。そのため、書類上は日吉線に含まれるが、本項では運行区間の関係上こちらで述べる。前述の理由により、バックカメラ装備の車両で限定運用され、また日吉駅への到着時は、他系統が使用する綱島街道沿いの降車停留所ではなく、駅南側のバスプールに入る。バスプールの綱島街道側出入口には、遮断機が設置され、運転士がリモコンによって開閉する。なお、日吉駅方向は高田停留所に停車しない。これは他の系統でも同様である。
日51系統は、日吉駅と南日吉団地を循環運行する。その出入庫である日52系統は日51系統とループ区間の方向を合わせるため、東山田営業所方向は日吉本町を経由せず、日吉駅方向は日吉本町を二度経由する。
廃止となった日55系統は日吉駅~白坂住宅前間で日52と同様の経路をとり、その後高田交差点を右折して城01系統と同様の経路で下田町までを結んでいた。その後、日吉駅西口まで回送となり、折り返し日22系統として運行されていた。そのため車両はバックカメラ付き限定であった。
[編集] 東山田線
- 綱53:綱島駅~高田~百石橋~すみれが丘
- 綱54:綱島駅~高田~百石橋~東山田営業所
- 東山田営業所~すみれが丘(出入庫)
綱島駅と港北ニュータウン北部を結ぶ。本数は両系統合わせて1時間に1本程度と少ない。
[編集] ニュータウン北線
- た91:たまプラーザ駅~研究所前~新北川橋
- た92:たまプラーザ駅~研究所前~センター北駅~センター南駅
- た93:たまプラーザ駅~研究所前~センター北駅
- た94:たまプラーザ駅~研究所前~すみれが丘
- た95:たまプラーザ駅~中川駅~すみれが丘
- た99:たまプラーザ駅~研究所前~東山田営業所
- 北302:センター北駅~新北川橋
- 直行:たまプラーザ駅~サレジオ学院
- 東山田営業所~新北川橋(出入庫)
- 1990年11月16日:たまプラーザ駅~新北川橋(現・た91)、たまプラーザ駅~すみれが丘(現・た94)を開設。当初は新羽営業所所管。
- 1993年3月18日:たまプラーザ駅~センター北・南駅(現・た92,93)、たまプラーザ駅~中川駅~すみれが丘(現・た95)、センター北駅~新北川橋(現・北302)、センター北駅~北原橋循環~センター北駅(後の北21)を開設。
- 1993年11月1日:東山田営業所開設に伴い移管。
- 2003年3月19日:北21系統廃止。た99系統開設。
- 2007年4月1日:市営302系統短縮に伴い共通乗車券取り扱いを中止。
- 2007年4月6日:従来からのサレジオ学院生徒輸送バスを生徒以外も乗車可能な形態に変更。
たまプラーザ駅およびセンター南・北駅と港北ニュータウン北部の幹線道路沿いの地域を結ぶ。た95系統は唯一中川駅を経由する便で、1日1往復のみの運行となる。これはかつてあざみ野駅~茅ヶ崎新道~市が尾駅を結んだ路線の名残である。基本的に全便ノンステップ車で運行。
北302系統は元々は横浜市営バス302系統と並走し、共通乗車券も取り扱っていた。このため2001年の系統番号付与に際しては、異例の3桁番号が与えられた。しかし2007年4月から市営302系統が仲町台駅~港北工業団地~新北川橋に短縮され、路線が完全に被らなくなってしまった。
廃止となった北21系統は市営バスの302系統(区間廃止)と303系統(廃止)を足して2で割ったルートとなっており、案内上は「ニュータウン循環」や「中循環」と呼ばれていた。末期は1日1本片方向のみとなっていた。
たまプラーザ駅~サレジオ学院直行バスは従来から存在するサレジオ学院生徒輸送バスを生徒以外も利用できるように形態変更したもの。途中無停車。ただしサレジオ学院の登下校時間帯のみの運行で、休校日や休日、試験日など学校の時間割に合わせたダイヤとなっている。
[編集] すみれが丘線
- 鷺01:鷺沼駅~すみれが丘~東山田営業所(深夜バスあり)
- 鷺03:鷺沼駅~すみれが丘~センター北駅(深夜バスあり)
- 鷺04:鷺沼駅~すみれが丘~センター北駅~センター南駅
- 鷺05:鷺沼駅→すみれが丘→サレジオ学院→センター北駅(深夜バスのみ)
鷺沼駅と川崎市宮前区南部の有馬地区、川崎市・横浜市の境にあるすみれが丘地区を結ぶ路線である。開業当初は高津営業所の所管だったが、東山田営業所が開設されると同営業所に移管、すみれが丘~東山田営業所間を延伸した。延伸当時はすみれが丘行きが中心で東山田営業所間の本数は少なかった。
しばらくこの路線形態が続いたが、1998年にセンター南に港北東急SCが、2000年にセンター北に阪急百貨店・モザイクモールが開店すると有馬地区から港北ニュータウン方向への人の流れが加速し、同地区の住民からセンター北方面への延伸が要望された。その結果、2002年のダイヤ改正でセンター北方面へ向かう鷺03、04、05が鷺01のすみれが丘折返し便を延伸する形で新設され、また東山田営業所行きも本数が大増発された上深夜バスまで設定、幹線路線へと一気に変貌を遂げた。その後も買い物客のみならず主に港北ニュータウンでの宅地・マンション造成による乗客増加が著しく、本数を増やしても朝ラッシュ時に積み残しを頻繁に起こしていたため、2005年度に青葉台・虹ヶ丘に続く3例目として11.5mの長尺ワンステップバス7台が投入された。2006年度にはさらに標準尺ワンステップバスが5台投入され、現在ではこれら12台の車両が専属で運用に就いている。
[編集] 鷺沼線
詳細は東急バス川崎営業所鷺沼線を参照。区間運行多数。
[編集] 北山田線
- 北31:センター北駅~国際プール正門~東山田営業所
- 北33:センター北駅→外回り国際プール循環→センター北駅
- 北51:センター北駅~サレジオ学院~東山田営業所
- 北53:センター北駅→内回りサレジオ学院循環→センター北駅
- 南31:センター南駅~センター北駅~国際プール正門~東山田営業所
- 南33:センター南駅→センター北駅→外回り国際プール循環→センター北駅→センター南駅
- 南51:センター南駅~センター北駅~サレジオ学院~東山田営業所
- 南53:センター南駅→センター北駅→内回りサレジオ学院循環→センター北駅→センター南駅
- 直行:センター北駅~サレジオ学院
- 1993年3月18日:センター北駅~南山田三丁目(現・サレジオ学院)~東山田営業所系統(現・北51)を開設。当初は新羽営業所所管。
- 1993年11月1日:東山田営業所開設に伴い移管。
- 1997年2月:センター南・北駅~横浜市室内水泳競技場(現・国際プール正門)~東山田営業所系統(現・南31/北31)を開設。
- 1998年:センター北駅~横浜国際プール系統を開設。
- 2000年12月16日:センター北駅~横浜国際プール系統をセンター南・北駅~横浜国際プール(構内)~東山田営業所(後の南32/北32)へ改編。
- 2002年6月16日:現在のような循環系統に改編。従来系統も出入庫便として存続。
- 但しこの時はセンター南駅~サレジオ学院を直通する便は存在しなかった。また、国際プール構内乗り入れも一部残された。
- 2003年3月19日:国際プール構内乗り入れを廃止。それに伴い南32・北32系統が消滅。南31系統も一旦廃止。南33・53系統のセンター南~サレジオ学院を直通する便を開設。
- 2004年8月1日 土休日のセンター南駅発着便増発に伴い、出入庫便として南51系統を開設し、南31系統が復活。
- 2007年4月6日:従来からのサレジオ学院生徒輸送バスを生徒以外も乗車可能な形態に変更。
センター北駅と北山田・南山田のマンションとを結ぶ循環路線。日中はセンター南駅にも足を伸ばす。全便ノンステップバス。
元々は東山田営業所折返しだった別々の路線で、サレジオ学院経由は全便センター北駅発着、国際プール経由は日中のみセンター南駅発着で朝夕はセンター北駅発着という路線だった。2002年6月の港北ニュータウンのバス路線ダイヤ改正時に現在の運行形態へと変化して、サレジオ学院側でも日中のみセンター南駅便が発着するようになった。ちなみに、南30番台系統の路線の終点だった東山田営業所バス停は現在「コンフォール東山田」に名称変更されている。
センター北駅~サレジオ学院直行バスは従来から存在するサレジオ学院生徒輸送バスを生徒以外も利用できるように形態変更したもの。途中無停車。ただしサレジオ学院の登下校時間帯のみの運行で、休校日や休日、試験日など学校の時間割に合わせたダイヤとなっている。
このほか、横浜国際プールでのイベント時には、センター北駅~横浜国際プールの直行便が運行される。
[編集] 深夜急行・高速ニュータウン線
[編集] 配置車両
発足当初は日吉営業所から引き継いだいすゞ車および高津営業所などから転属してきた日野車という構成であり、しばらくはこの2社で新車導入がなされたが、いすゞ車は1996年以降新車導入されなくなり、代わって2000年から、三菱車の配置が始まった。2003年からは再び日野車の新車がワンステップバスを中心に導入され始め、現在では三菱車、日野車が中心となっている。2006年度は久々にいすゞ車が導入されたが、その時点で日野大型車はハイブリッドノンステップバスを除きいすゞ車のOEMとなっているので、日野最新車と見た目も中身も変わらない。
車種は基本的に大型短尺車で構成される。本営業所所属車両の特徴として、一つはノンステップ以外の一般路線車は一部を除き、バックカメラを装備しているのが特徴である。これは、日吉線で狭隘路を走行するためであり、日吉営業所時代からの伝統である。もう一つは2004年に他営業所に先駆けてLED方向幕の装備が進められたことであり、後述のワンロマ車の一部を除き全車に装備されている。また2005年にすみれが丘線用に三菱・日野製の長尺ワンステップが、2006年に同じくすみれが丘線用にいすゞ製標準尺ワンステップが導入された。これらの車両は青葉台・虹が丘に所属している車両と同じく中扉が4枚折戸になっている。
低公害車としては日野ブルーリボンシティハイブリッド車がノンステップ車4台それぞれ在籍する。
そのほか、長尺車をベースに座席定員を多く取った「ワンロマ車」と呼ばれる車両も在籍し、通常は深夜急行および特定輸送に使用されるが、時折一般路線に入ることもある。
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