林家志弦

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林家志弦（はやしやしづる、3月22日 - ）は、日本の漫画家。埼玉県出身。女性。「林家」を名乗っているが林家三平一門とは無関係。

[編集] 来歴

1980年代後半、「林家ぱー」名義でパソコン用美少女ゲームのキャラクターデザイナー兼シナリオライターとしてデビュー。バーディーソフトの専属スタッフとして、『CAL』シリーズを始めとする様々なヒット作を生み出した。美少女ゲームの黎明期を語る上で、避けて通ることのできない人物の一人である。また、当時から同人誌やゲーム専門誌等でいくつかコミック作品を発表しており、漫画の分野でも一定の活躍を見せていた。1992年、スタジオトゥインクルの旗揚げに参加し、バーディソフトを離脱。1993年から1996年年の3年間メディアックス社の花いちもんめ、コミックライズ、コミックゲイザーの表紙を担当。1994年にペンネームを「林家志弦」に改名。1998年、スタジオトゥインクル解散に伴い、本格的に漫画家へと転向した。

当時としては比較的長身の部類に入る女性で、デパートの屋上イベントの着ぐるみに入ったバイト経験あり、その際の殺陣が後々アクション作品にも影響を及ぼしている。

[編集] 作風

現在の彼女の作風の特徴であるレスビアニズムまたは百合属性は早くから持っており、初期には『美少女戦士セーラームーン』のちには『少女革命ウテナ』をターゲットとする同人誌活動できらびやかに展開し、熱狂的なファンをもっていた。セーラー戦士の中ではご多分にもれずセーラーマーキュリーつまり水野亜美の大ファンで、現在人気連載中の『はやて×ブレード』に登場する人気の萌えキャラ「宮本静久」のキャラ造形に反映されている（意識的にそうなったのではないが、自分の趣味嗜好が結果的に彼女を生み出した、と本人談）。

登場人物は「女性的」魅力、即ちバストやヒップを強調したものは稀で、むしろ少年的体形をしている。彼女の作品には、「はやて×ブレード」や「ULTRA SWORD」のように、少女と日本刀（大刀）の組み合わせが見られるが、古来女性の武器は薙刀か短刀であり、大刀は女性の持つものではない。これは、超人気ゲーム「サクラ大戦」の影響とも考えられるが、こうした、白拍子的な一種の男装的手法を以って、少女の美しさを際立たせようという試みは、しばしば少女に中性的魅力を与えている。明確なレスビアニズムを前面に出しながら、どの作品も濃厚な愛欲感を持つことなく、しばしば痛快なコメディーとなり、一種の清涼感すら感じさせるのは、前記の少女の「中性化」の手法を併用しているためとも考えられている。「愛」ではなく、あくまで少女の「恋」が、上質のコメディー漫画に結晶している。基本的に美少女以外描きたくないという姿勢がはっきり見える。

単行本化された漫画作品は多くないが、そのなかで唯一の成人本と思われる「ULTRA SWORD」（出版下記）は、「エロ」「ストーリー（連続物語）」「ギャグ」という戦後漫画の三本柱とも言うべき要素を一つの作品にまとめ上げ昇華させた稀有の作品である。絵は清潔でデッサンもしっかりしており、作者の上品な感性を感じさせる。この話は単行本1冊で完結しているが、続編が描けそうな、というか、この話自体がもっと壮大な物語の序章となりうるような予感をひきおこす。そんな、想像力を刺激する佳品と評価されている。

ゲームデザイナーとしては「吉岡詩織」や「織田めい」のペンネームももっている。