死生観
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死生観(しせいかん)とは、死を通した生の見方をいう。類型には:
- 人が死んだらどうなるか?どこへ行くのか?
- 死後や死者をどう捉えるか?
- 生についての人々の考え方や理解の仕方
- 生きることとは何か?死ぬこととは何か?
などがある。
宗教や文化、又はその人の人生が成功だったか失敗だったかによっても異なる。死生観の定義自体も、見る者の視点によって異なる。民族によって死生観は当然異なることが多く、民族間の確執に死生観の相違が関わっている、とされるケースもある。
[編集] 宗教上の死生観
死の寸前まで行って甦った人の体験談も数多く出ており、そうしたものを総合して臨死体験という。
死んだらどこへ行くかについては、日本書紀などでは根の国という世界があり、そこに死んだ妻を奪還に行く話がある。西洋では、オルペウスの話が類似している。死後の世界は、昔の日本では黄泉路(黄泉の国)と言われて来たが、キリスト教が入ってからは、死後の世界は天国と言い換えられるようになった。
又、死後の世界がどこにあるかについて、日本の民俗学では、山中他界説、山上他界説、海上他界説などの説明をしている。
[編集] 軍事上の死生観
戦場という常に死の危険性がある特異な環境で行動することとなる軍人にとって、死生観の有無はその思考・行動・リーダーシップに影響する。欧米ではキリスト教や騎士道を中心とした死生観が構成されているため比較的に明確であるが、日本では死生観の形成は難しい場合が多い。ただ第二次世界大戦までは武士道、国家神道、仏教(特に禅宗)によって構成されていた。