水族館
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水族館(すいぞくかん)とは、海や河川・湖沼などの水中や水辺で生活する生き物(水族)を主として収集・展示している施設である。水族館では魚介類や無脊椎動物、両生類、海産獣類、爬虫類といった動物や、水草などがガラスやプラスチックといった透明な水槽に入れられ、公開されている。水槽の多くは家庭で維持する観賞魚水槽と同じサイズかそれよりも大きな水槽になっている。
海獣(イルカ、オットセイなど)によるショーなどをしている水族館もあり、これらのショーが水族館の目玉になっている場合も見受けられる。また、単独で存在する水族館以外に動物園の中の1施設として存在するものもある。
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[編集] 歴史
[編集] 古代の習慣
古代シュメールでは食用に捕らえた魚を保存するために小さな池へ魚を泳がせていたほか、中国では2,000年以上前に金魚や鯉の飼育が始まったとされている。中国では観賞用として池で飼育されており、それらの池は人工的に整備された小さなものが多く、鯉はとりわけ色のついたものが特に好まれてきた。(錦鯉は19世紀の日本で始まったとされるため、錦鯉ではない。)古代エジプトでは寺に造った長方形のプールに、神聖な魚とされる魚を飼育していたとされており、その様子を描いた美術品が見つかっている。中国で宋朝の時代には、屋内に陶器で出来た水槽を置き、その中で金魚を飼育していた。
[編集] ガラスの水槽による飼育
透明な水槽を用いて、その中で魚を泳がせるという現代の水族館と同様な構造による飼育が始まった詳しい期日は分かっていない。1665年に、サミュエル・ピープスがロンドンを訪れた際に記述した日記中に「いつまでもガラスの中を泳ぎ続ける魚は、美しく際立っていて、素晴らしいことだ。外国でありながら。」と書き記している。ピープスが見た水槽の中で泳いでいた魚はパラダイスフィッシュであることが分かっている。18世紀には、生物学者のアブラハム・トレンブレーは、オランダのベンティンク家の庭の運河で見つけたヒドラを、円柱状のガラス製の水槽に入れて研究した。ガラス製の水槽で飼育を行なうという概念が生まれたのは、遅くともこの時期に遡る。
[編集] 大衆化
鋳鉄のフレームにガラスをはめ込んだ水槽を使用した魚の展示が、1851年のロンドン万国博覧会で行なわれた。これにより水槽で魚を飼育することがイギリスで趣味のひとつとして人気を集めた。
[編集] 世界最大の水槽を持つ水族館
堀込水槽・野外水槽・プールの類を除く (日本におけるランキングは日本の水族館を参照)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク・参考文献
収集展示施設 |