永川玲二
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
![]() |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
永川 玲二(ながかわ れいじ 1928年 - 2000年4月22日)は日本の英文学者。ジェイムズ・ジョイスやシェイクスピア、ガルシア・ロルカの翻訳者として知られる。
鳥取県米子市生まれ。1945年2月、広島の陸軍幼年学校を脱走。軍学校の脱走者は逮捕されたら銃殺刑に処されることが決まっていたため、日本全国を転々と逃亡して8月の敗戦を迎えた。このときの体験は、のちに丸谷才一の小説『笹まくら』の題材となった。
その後、東京大学文学部英文科を卒業し、東京都立大学助教授となったが、逃亡生活の名残が消えず、新宿で飲み明かすと中央線の急行に乗って終点の長野県大町に向かい、黒部山中の「自分の専用の穴ぼこ」の中で一日中寝て英気を養っていたという[1]。
ポルトガルの大詩人カモンイシュの伝記を書くための資料を探しにポルトガルを旅行したのがきっかけで1970年からセビリアに定住。海洋文学史を研究すると共に、多国籍のヒッピーの指導者格となった。
コインブラ大学の教授を定年で辞してから日本に帰国。虚血性心不全で死去。なおNHKエンタープライズ製作の「触れ合い世界街歩き」セビージャ編では永川がセビージャで住んでいた家が取り上げられている。