池田香代子
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池田 香代子(いけだ かよこ、1948年 - )は日本のドイツ文学者・児童文学者・翻訳家・口承文学および都市伝説研究家・エッセイスト・フェミニスト。翻訳家としては、矢川澄子の薫陶を受け、口語や俗語を巧みに取り入れた軽快な文体と、日本語表現の品格を保った訳文で名高い。教師としては、早稲田大学や東京女子大学、中央大学などで教壇に立つかたわら、NHKラジオ外国語講座の講師を務めた。
東京都立西高等学校卒業後、東京都立大学人文学部独文学科にて種村季弘に師事し、1970年に卒業。その後は夫(現在東京大学教養学部教授であり翻訳家の池田信雄)とともに三人の息子を連れて西ドイツに留学し、帰国後は文学活動に入る。
グリム童話の翻訳をライフワークとしながら、トルコ人のドイツ語作家アキフ・ピリンチの『猫たちの森』の翻訳により第1回日独翻訳賞を受賞。1995年に、ヨースタイン・ゴルデル著『ソフィーの世界』ドイツ語版からの重訳をNHK出版より発表し、ベストセラー入りを果たす。「ベルリン・天使の詩」などの、ドイツ映画の字幕担当者としても知られる。
世界平和アピール七人委員会のひとりで社会運動家としても知られており、文筆活動のかたわら、近年は平和運動家や護憲派文化人として日本国内の世論の右傾化を危惧した発言を続け、有事関連法案や教育基本法改定、防衛庁の省への昇格、格差社会の到来を批判し、日本各地で講演を行なっている。近年のヒット作である『世界がもし100人の村だったら』の印税を、日本在留の難民を支援するための活動資金や、アフガニスタン難民キャンプに女子中学アル・イルム女学院を設立するための基金に充てた。
日本の文学者として三島由紀夫に私淑している。音楽愛好家でもあり、クラシック音楽から、ビートルズまで造詣が深い。花や温泉に関するエッセイも多い。
[編集] 主要著作および翻訳一覧
- 純文学・大衆文学
- アルトゥール・シュニッツラー『夢奇譚』
- アキフ・ピリンチ『猫たちの聖夜』
- ヴィクトール・フランクル『夜と霧 新版』
- ヤーノシュ『大人のためのグリム童話』
- 宇宙英雄ペリー・ローダン・シリーズ
- 『魔女が語るグリム童話』(創作・パロディ)
- 童話・児童文学・メルヘン
- 『完訳クラシック グリム童話』
- エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』『点子ちゃんとアントン』『動物会議』『ふたりのロッテ』
- ヨハンナ・スピリ『アルプスの少女ハイジ』
- ヴィルヘルム・ハウフ『盗賊の森の一夜―メルヒェン集』
- 都市伝説
- 『ピアスの白い糸―日本の現代伝説』(共著)
- 『走るお婆さん―日本の現代伝説』(共著)
- ロルフ・ブレードニヒ『ヨーロッパの現代伝説 悪魔のほくろ』
- 哲学
- 『哲学のしずく』(共著)
- ヨースタイン・ゴルデル『鏡の中、神秘の国へ』『アドヴェント・カレンダー―24日間の不思議な旅』
- 文化
- ジュリアン・ロイド・ウェッバー『パブロ・カザルス鳥の歌』
- 『花ものがたり』
- 社会
- アリー・ジャン『母さん、ぼくは生きてます』
- キャロライン・キャッスル『すべての子どもたちのために―子どもの権利条約』
- 『やさしい言葉で日本国憲法』
- 『11の約束―えほん教育基本法』(共著)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 日本の翻訳家 | ドイツ文学者 | 1948年生 | 宇宙英雄ペリー・ローダン