沖ノ島
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沖ノ島(おきのしま)は、福岡県宗像市にある宗像大社の神領で、玄界灘の真っ只中に浮かぶ周囲4kmの孤島である。島全体が御神体とされ、今でも女人禁制である。宗像大社沖津宮があり、現在の住人は沖津宮の神職1人である。また、吉村作治氏が提唱し、九州全土、特に宗像地方を中心に沖ノ島世界遺産化運動が行われている。
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[編集] 沖津宮
宗像三女神の田心姫神が鎮座している。
[編集] 発掘調査
昭和29年~昭和46年まで行われ、23の古代祭祀跡から約8万点の神宝類が出土(そのほか約2万点の縄文時代、弥生時代の遺物が出土)され、平成18年に、古代祭祀遺物すべてが国宝に指定された。よって沖ノ島は海の正倉院と称される。
[編集] 日本海海戦
明治38年5月27日、沖津宮の神官に仕えていた佐藤市五郎が、樹上から日本海海戦の始終を目撃している。彼は両艦隊の乗組員以外で同海戦を目撃した数少ない人物の一人であり(他に対馬北東部でも目撃者が複数人いた)、その子細は創建以来書き継がれている沖津宮日誌に記されている。
[編集] 自然
沖ノ島は、亜熱帯性植物の北限で、各種の亜熱帯性植物が生い茂り、原生林は、国の天然記念物に指定された。
[編集] 島への上陸
一般人の上陸が許されるのは、通常毎年5月27日に日本海海戦を記念して開かれる現地大祭に限られている。上陸できるのは事前に申し込みを行った中から抽選で選ばれた200人のみである(上記の通り女人禁制であるため男性のみ)。この上陸はすべて神事の一環として行われるため、前日に筑前大島の中津宮に参拝して事前の手続きを受け、船で現地に着いたあとは裸で海に入って禊ぎをしなくてはならない。また、島内の「一草一木」たりとも持ち帰ってはならない(島全体が天然記念物でもある)。ただし、島内の湧き水(ご神水)のみは例外とされている。
玄界灘の中間に浮かぶ孤島であるため、荒天時などに船が避難できるよう港湾設備が整備されている。そうした際に寄港して上陸する場合にも、社務所に許可を取って禊ぎをすることが必要である。