アルゼ
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 東京都江東区有明3丁目1番地25 有明フロンティアビルA棟 |
設立 | 1973年6月26日 |
業種 | 機械 |
代表者 | 代表取締役社長 富士本淳 |
資本金 | 34億4,685万円 |
従業員数 | 945名(2006年3月31日現在) |
決算期 | 3月 |
外部リンク | http://www.aruze.com/ |
アルゼは、パチンコ機やパチスロ機、ゲームソフトなどの製造メーカー。会長は岡田和生(おかだ・かずお 1942年 - )、社長は富士本淳。(2006年11月現在)
目次 |
[編集] ビデオゲーム時代
- 1967年 岡田がジュークボックスにかかわる業務を始める。
- 1969年 栃木県小山市にユニバーサルリース(株)設立 ※公式の創業年
- 1967年 (株)ユニバーサルに社名変更 ※公式の設立年
- 1973年 (株)ユニバーサルの販売部門がユニバーサル技研(株)として分離
- 1975年 ユニバーサル技研(株)をユニバーサル販売(株)に社名変更
- 1979年 (株)ユニバーサルの開発部門がユニバーサルテクノス(株)として分離
同社はジュークボックス→コイン投入式遊戯機械→アーケードゲームという流れで参入した。創業当時の、アーケードゲーム史に残る有名なゲームは、主に以下の通り。
- 「スクラッチ」:ブロックくずしのコピーゲームで、同社のデビュー作。
- 「サーカス・サーカス」:サーカスのコピーゲーム。
- 「コスミックモンスター」:スペースインベーダーのコピーゲーム。
- 「ギャラクシーウォーズ」:同社初のオリジナルゲームで、基板は「コスミックモンスター」の流用。このゲームは前述のインベーダーにおける著作権がらみでタイトーと裁判になった時、和解に伴う見返りとして、タイトーにもライセンスされている。
当時のユニバーサルの特徴として、非常にデザインとアレンジが上手い点が挙げられる。例えば出世作の「Mr. Do!」は「ナムコのディグダグの亜流ゲームを出せ」という上からの命令がきっかけだったが、単なる亜流に留まらず、可能な限り独自のアイデアを詰め込んだ結果、ディグダグと全く異なる魅力のゲームとなった。
ファミコン登場時は参入もささやかれたが、結局実現する事なく、1987年の「スーパーピエロ」が最後のビデオゲームとなった。
[編集] ビデオゲーム撤退後
[編集] 概要
パチスロ機の大手メーカーとして位置づけられるが、アミューズメント・ゲームなど幅広い分野で開発競争に参加している。メーシー、ミズホ、エレコといったパチスロ機種も「アルゼブランド」として認識されている。また、エンターテイメント業界自体にも強みを持ち、映画・格闘技などのイベント主催・協賛などを数多く行う。
警察との結びつきが強く、2002年には前田健治元警視総監を常勤顧問に迎えたこともあった。
2006年1月18日、阿南一成前社長が構造計算書偽造問題の小嶋進に対する証人尋問で、参議院議員時代に小嶋より会費を受け取り、相談していた政治家の一人として名が挙がった。これを受け臨時取締役会が開かれ、阿南から辞意の申し出があったため、同社会長の岡田和生が社長を兼務することになった。
社名由来は「何でもあるぜ」ということから。イメージキャラクターは「あるぜ君」。JASDAQ上場(会社コード6425)、本社・東京都江東区有明3丁目1番地25 有明フロンティアビルA棟
[編集] パチスロ
ユニバーサル販売時代から、メーシー販売(現在のメーシー)、瑞穂製作所(現在のミズホの前身。ただし法人格は継承されていない)を系列に置き、3社でひとつのユニバーサル系を構成していた。4.0号機時代には新規参入したエレクトロコインジャパン(ECJ、現在のエレコの前身。ただし法人格は継承されていない)とも提携したが、同社はイギリスのエレクトロコイン社の日本法人であり、アルゼの直接の系列会社ではなかった。のちにECJはアルゼの系列に入り、2000年にアルゼは瑞穂製作所とECJを吸収合併し、新たに100%子会社のミズホとエレコを設立した。現在はアルゼ、メーシー、ミズホ、エレコの4社がアルゼ系となってアルゼブランドの台を販売している。
4.0号機時代は様々な機種の大ヒットにより、当時の最多シェアを誇った。しかしながら近年では新規参入メーカーやライバルメーカーに追い越されつつあり、また鹿砦社の取材(後述)による報道・風評被害も追い討ちとなっており、比較的厳しい状況である。
かつてはアルゼの天下というくらいの勢いを見せた事もあるため、アルゼに期待を寄せる旧世代ファンは多い。しかし、自社ブランドキャラとして世に送り出したドンちゃんなどが、もはや過去のモノになった現在(2007年)は、タイアップなどが目立つ反面、アルゼ独自の面白さは薄味になりつつある。アルゼテイストが復活できるかどうかと叫ばれて、かなりの時間が流れているが、今のところ苦戦を強いられているのが現状といえる。
アルゼの勢いを象徴する代物だった「アルゼディスプレイ」をパチンコに持ち込んだ事もあったが、こちらは全くの不発でアルゼがパチンコで天下を取るのは無理だと証明した。
4号機時代のヒット機種『シンドバッドアドベンチャーは榎本加奈子でどうですか』以後、少し間を空けてしまったため、アルゼの勢いが低下したと多くのパチスロファンが感じた。5号機時代に入り、『サクラ大戦』などのヒットで盛り返したというイメージはあったが、アルゼウェーブの再来にはつながっていない。
[編集] 4号機の主なヒット機種
()内はメーカー
- クランキーコンドル(ユニバーサル)
- タコスロ(瑞穂)
- サンダーV(メーシー)
- バーサス(ユニバーサル)
- ハナビ(ユニバーサル)
- アステカ(ECJ)
- 大花火(アルゼ)
- コンチ4X(アルゼ)
- 花火百景E(エレコ)
[編集] 5号機の主な機種
他メーカーが5号機の開発に消極的だったのとは対照的に、2005年に「デビルマン」、「サクラ大戦」を投入して以降、5号機を積極的にリリースし続けている。初期はアニメとのタイアップ作品が多かったが、最近は往年の「名機」と呼ばれた台のリメイク版も多くリリースしている。
また同社の5号機の特徴として、通常6段階用意される台の設定が「2段階(設定1か6)もしくは3段階(設定1・4・6)」となっていることが挙げられる。また、有効ラインを1ラインとし、入賞図柄の組み合わせを工夫することによって5ライン機同様のゲーム性を持たせた台も存在している。
アルゼ系列の2段階設定は他メーカーの2・4。3段階設定においては2・3・4と同じぐらいである。
2段階(3段階)設定や演出内容においてパチスロの打ち手やホールの間での評判は芳しくない。
設定の段階を減らすことによって検定を通りやすくしてあるとのことである。
- デビルマン(エレコ)
- サクラ大戦(エレコ)
- キューティーハニー(エレコ)
- ちゅら姫SUN(エレコ)
- クランキーコンドルX(エレコ)
- サンダーVスペシャル(エレコ)
[編集] 関連項目
- サミー - パチスロ機に関連する特許を侵害したとして、さまざまな訴えを起こしているが、すべて無効として敗訴に終わっている。2005年12月27日には新たに、パチスロ機北斗の拳で2件の特許侵害されたとして告訴している。
- SNKプレイモア - 倒産したSNKの知的財産権を取得した、法務会社プレイモアが母体となったゲームメーカー。SNK時代の2001年に『サムライスピリッツ』および『クレイジーレーサー』の著作権使用料を踏み倒されたり、SNK知的財産所有権を取得後も、アルゼのパチスロにSNKの商標やキャラクターを無断使用されたとして、アルゼを提訴。2004年1月の大阪地方裁判所の中間判決は、SNKプレイモア側の主張を全面的に認めた「原告完全勝訴」となった。しかしアルゼは『メタルスラッグ』の発売に、タイミングを合わせた製造販売差し止め申し立て、並びにSNKプレイモアに対する、知的所有権の偽計競争入札妨害訴訟を起こすものの、この2件もまたSNKプレイモア勝訴の一審判決が出ている。2007年3月20日、大阪高裁においてゲーム機ソフト「パチスロ アルゼ王国」6、7作目の製造・販売をやめ在庫を破棄、解決金4億円をSNKプレイモア側に支払うなどの内容で2007年1月末に和解が成立していたことが分かった[1]。
- 鹿砦社 - 上記の「62+70億裁判」を扱った『アルゼ王国地獄への道』などの、『アルゼ王国の闇』シリーズといわれる告発本を出版し、それにめぐる訴訟などが起きている(一審では200万円、二審では600万円の損害賠償を認めるアルゼ勝訴の判決が出ている)。またその関連の記事を名誉毀損として、出版社社長が逮捕されるなど言論の自由、表現の自由を脅かしているという声もある。
- 爆裂機騒動時に注目を集めたスロット機「ミリオンゴッド」の代替機として導入された「ゴールドX」においては、プログラム上バグにて攻略され、ホールから撤収。業界初の全面液晶パチンコ機「CR雀帝倶楽部」においては、事前に代金を回収した上で、納期3日前になってホールへの納期遅延を通告する等、顧客とのトラブルが恒常化している。
- 天下り
[編集] 関連会社
- アドアーズ - ゲームセンター運営。
- セタ - パチンコ、パチスロ周辺機器製造。
- NMK - のれん分けした会社。倒産。
- UPL - のれん分けした会社。正式名はユニバーサルプレイランド。倒産。
- SNK - 元子会社。倒産。アルゼはその後の旧SNK全版権落札に失敗した(現在は旧プレイモアが買収 → SNKプレイモアの項目を参照)。
- サイバーフロント - 主にゲームソフト事業を行う主力子会社として設立した会社。その後のアルゼのゲーム事業撤退を契機に経営陣によるMBOを行い、完全に資本独立している。よって現在、両者とも資本関係はない。
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
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