淡路交通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
淡路交通株式会社(あわじこうつうかぶしきがいしゃ)は、兵庫県淡路島を中心に路線バス・貸切バス事業を行う会社である。洲本高速バスセンター(正式名称は、市の設置規則によると、「洲本バスセンター」)・津名港・岩屋(淡路市)・福良をターミナルとして島内全域に路線バスを運行するほか、大阪・神戸・徳島へ高速バスを運行している。本社は兵庫県洲本市栄町にある。
目次 |
[編集] 概要
以前は淡路鉄道株式会社として洲本から福良(三原郡南淡町、現南あわじ市)まで鉄道を走らせていた会社である。当時、本土以外で鉄道、それも電車を走らせていた会社はここだけである(注:外地とされた台湾・樺太など戦前の日本領を除く。また沖縄県の沖縄本島にも戦前に鉄道路線があったが、路面電車・馬車鉄道・軽便鉄道であった。更に、戦後も南大東島にはサトウキビ輸送用の産業用鉄道が存在した。→詳しくは沖縄の鉄道を参照)。
その鉄道も1966年(昭和41年)9月30日に全線を廃止し、現在ではバス事業のほか、不動産事業で収益を上げている。路線バス事業は赤字経営であるが、不動産事業においてかなりの収益を上げており、株主への配当も行っている。そのため、過疎地交通への補助金を受けることができず、いくつかの路線を廃止または子会社の淡路タクシーに業務委託している。一部を除く高速バスと一般路線バスはいすゞ自動車製のバス、一部の高速バスと観光バスは三菱ふそうトラック・バス製のバスを使用している。なお、三菱ふそうトラック・バス製の高速バスは全国唯一の中扉付きエアロバスで、中扉が入口、前扉が出口となっている。
なお、鉄道線についての詳細は淡路鉄道を参照。
- 1914年(大正3年)4月 淡路鉄道株式会社設立
- 1922年(大正11年)11月26日 洲本口(宇山)- 市村(現在の南あわじ市市)間で鉄道営業開始
- 1925年(大正14年)6月 洲本 - 福良間全通
- 1934年(昭和9年)7月1日 淡路自動車株式会社を買収し、淡鉄バスとして洲本・三原方面の旅客自動車を開始する。
- 1943年(昭和18年)6月 淡路鉄道株式会社と全淡自動車株式会社が合併
- 1943年(昭和18年)7月 商号を淡路交通株式会社に変更する。
- 1947年(昭和22年)1月 燃料事情が悪化したため、鉄道線の電化工事起工
- 1948年(昭和23年)2月 鉄道電化完成、電車運転開始
- 1966年(昭和41年)10月1日 鉄道線を廃止する。
- 1980年(昭和55年)6月8日 大鳴門橋が開通し、淡路 - 徳島間で急行・特急バスの運行を開始
- 1998年(平成10年)4月6日 前日に明石海峡大橋が開通し、この日から淡路 - 神戸・大阪間で高速バス(AWAJI EXPRESS)の運行を開始する。
- 2002年 高速舞子 - 東浦バスターミナル間に深夜便(通常運賃で乗車できるので「深夜バス」ではない)を新設。
- 2004年(平成16年)12月1日 洲本バスターミナル(鉄道線営業時は洲本駅だった)を廃止し、既存路線バスの発着を洲本高速バスセンター(正式名称:洲本バスセンター)に一本化する。
- 2005年(平成17年) 自治体からの赤字補填のない都志線・鳥飼線について廃止の可能性を示唆するも、2006年(平成18年)2月10日までは五色町(現:洲本市)が、2月11日から同年9月までは洲本市と南あわじ市が負担することで合意し、10月1日にダイヤ改正と都志線の路線変更(新加茂橋経由から県病前経由)を実施。
- 2006年(平成19年) 暫定補助の期限が切れる9月末を期限に都志線・鳥飼線および西浦線について廃止を示唆するも、兵庫県が補助制度の用件見直しを決定し、都志線・鳥飼線・西浦線・郡家アスパ五色線が国の地方バス路線維持費補助制度の対象となった。
[編集] 路線
[編集] 高速バス(AWAJI EXPRESS)
[編集] クローズドドアシステム路線
- 三ノ宮・洲本線(いすゞ・ガーラ)定期乗車券あり・座席定員制
- 学園都市・洲本線(いすゞ・ガーラ)定期乗車券あり・座席定員制
- 三ノ宮・西浦線(いすゞ・ガーラ)定期乗車券なし・座席定員制
- (神戸空港 -)三ノ宮駅 - 高速舞子 - 淡路IC - 東浦IC - 本四仁井 - 北淡IC - 尾崎上の浜 - 郡家 - 江井 - 五色バスセンター - 高田屋嘉兵衛公園
- (神姫バスと共同運行)
- 三ノ宮・福良線(いすゞ・ガーラ)定期乗車券なし・座席定員制
- 大阪・洲本線(いすゞ・ガーラ)定期乗車券なし・座席指定制
- 舞子・大磯線(いすゞ・エルガ)定期乗車券なし・座席定員制(基本的には本四海峡バスと西日本JRバスが運行している「大磯号」の路線を昼間の4便は淡路交通が運行している。高速舞子-東浦バスターミナル・淡路夢舞台間乗車の場合、舞子・津名線の乗車券類は使用できない)
- 海峡シャトル線(いすゞエルガ/三菱ふそう・エアロバス)定期乗車券あり・座席定員制
[編集] 上記以外の路線
- 舞子・福良線(三菱ふそう・エアロバス)定期乗車券あり・座席定員制
- 舞子・津名線(三菱ふそう・エアロバス/いすゞ・エルガ)定期乗車券あり・座席定員制(高速舞子-淡路夢舞台・東浦バスターミナル間乗車の場合、舞子・大磯線の乗車券類は使用できない)
- 高速舞子 - 鵜崎 - 淡路夢舞台 - 大磯港 - 東浦バスターミナル - 東浦総合事務所前 - 久留麻 - 仮屋 - 下田 - 野田 - 佐野局前 - ポールパーク入口 - 生穂 - 津名港 - 志筑 - しづかホール前 - 津名臨海公園
-
- 深夜(通常運賃で乗車できるので深夜バスではない)は 高速舞子 - 鵜崎 - 淡路夢舞台 - 大磯港 - 東浦バスターミナル
[編集] 一般
エルガ/エルガミオ
- 縦貫線(各停は洲本高速バスセンターで分断)
- 岩屋 - 東浦バスターミナル - 津名港(朝の通学時間のみ、津名中学校前) - 洲本高速バスセンター - 洲本IC - 広田 - (鳥井 または ファームパーク) - 国衙 - 福良
- 縦貫線(急行 太字停留所はAWAJI EXPRESS舞子・津名線も停車)
- 岩屋 - 鵜崎 - 淡路夢舞台 - 大磯港 - 東浦バスターミナル - 東浦総合事務所前 - 久留麻 - 仮屋 - 南の町 - 下田 - 野田 - 佐野学校前 - 佐野局前 - 生穂 - フェリーセンター前 - 津名港 - 志筑 - しづかホール - 津名臨海公園 - ワールドパーク - 塩尾 - 安乎 - 塩屋 - 築地町 - 洲本 - 洲本高速バスセンターから福良までの各停留所に停車
- 淡路・徳島線(急行 洲本IC - 鳴門北IC間は神戸淡路鳴門自動車道)
- 津名港 - 洲本高速バスセンター - 洲本IC - 緑PA - 榎列 - 西淡志知 - 淡路島南IC - 鳴門公園口 - 黒山 - 小鳴門橋 - 鳴門駅前 - 鳴門 - 備前島 - 松茂ニュータウン - 松茂(徳島とくとくターミナル) - 工業団地前 - 徳大前 - 徳島
- 淡路・徳島線(特急 洲本IC - 鳴門IC間は神戸淡路鳴門自動車道)
- 都志線
- 洲本高速バスセンター - 県病前 - 岡本 - 五色バスセンター - 都志( - 鳥飼浦 - 湊)
- 鳥飼線
- 洲本高速バスセンター - 札の辻 - 鳥飼浦 - 湊
- 長田線
- 洲本高速バスセンター - 広田 - 土井谷口 - 長田 - (入田口 または 庄田) - 掃守 - 湊 - 陸の港西淡 - 福良
- 西浦線
- 岩屋 - 震災記念公園前 - 富島 - 北淡IC - 室津 - 郡家 - 津名一宮IC - 志筑 - 津名港
- (通学時間帯には志筑から宇山・新加茂橋を経由し県病前まで行く便もある)
- 郡家 - 都志 - 鳥飼浦 - アスパ五色
- 由良線
- (県病前 - 宇山車庫前 - )洲本高速バスセンター - 住吉前 - 由良 - 由良福祉センター - 由良 - 住吉前 - 洲本高速バスセンター - 洲本( - 新加茂橋 - 県病前)
- 上灘線
- 洲本高速バスセンター - 由良 - モンキーセンター - 来川
- 仮屋北淡線
- (岩屋 - )大磯港 - 東浦バスターミナル - 小田 - 仁井 - 富島 - 震災記念公園前
- 淡路町シャトルバス
- 南鵜崎団地 - 岩屋 - 松帆の郷
[編集] コミュニティバス(らん・らんバス)
南あわじ市の委託運行、運賃は全線均一・大人200円
いすゞジャーニーJ
※以下の路線は、淡路交通運行便のみの掲載。
- Aルート
- 陸の港西淡 - 三原庁舎前 - 市 - 鳥井 - ファームパーク - おのころ神社 - 榎列バスストップ - 大榎列 - 陸の港西淡(左回り)
- ※右回りもあり、各6便/日
- Bルート
- 陸の港西淡 - 南淡路ジャスコ前 - 賀集 - 国衙 - 浦壁 - さんゆー館 - 市 - 南あわじ署前 - 陸の港西淡(左回り)
- ※右回りもあり、各6便/日
[編集] 休止路線
- フェリーシャトルバス
- 津名港 - 南海・淡路ラインフェリー乗り場
[編集] 廃止路線
- 鳴門線
- 洲本高速バスセンター - 洲本 - 広田 - 鳥井 - 福良 - 淡路島南IC - 鳴門公園 - 鳴門
- 鳴門岬線
- 福良 - 鳴門岬 - 淡路島南IC
- 五色循環線
- 洲本 - 市原口 - 天神 - 都志 - 鳥飼浦 - 札の辻 - 二本松 - 洲本 (両方向あり)
- 山手線
- 洲本 - 市原口 - 中川原 - 津名港
- 大野線
- 洲本 - 寺町 - 宇原 - 金屋 - 前平(または広田) - 金屋 - 宇原 - 新加茂橋 - 宇山 - 洲本
- 市内線
- (洲本港 - )洲本 - 宇山 - 県病前( - 新淡路病院前 - 先山 - 上加茂 - 二本松)
- 山田線
- パルシェ - 郡家 - 桃川 - 山田
- 淡路タクシーに移管
- 鮎原線
- 志筑 - 静の里公園 - 津名一宮IC - 鮎の郷 - 広石
- 淡路タクシーに移管
- 西淡・湊・市線
- 市 - 陸の港西淡 - 湊 - 津井 - 丸山 - 阿那賀 - 淡路島南IC
- 淡路タクシーに移管後、南あわじ市コミュニティバス(せい太くんバス)として運行
- 湯の川線
- 陸の港西淡 - 湊 - 津井 - 丸山 - 阿那賀 - 湯の川 - 陸の港西淡
- 淡路タクシーに移管後、南あわじ市コミュニティバス(せい太くんバス)として運行
- 灘線
- 来川 - 土生 - 国衙( - ゆーぷる) - 福良
- 南あわじ市が淡路交通に委託して運行していたが、2006年9月30日をもって廃止し、10月1日より、みなと観光バスが路線を引き継いだ。その際路線が一部変更されている。
[編集] 関連会社
- 淡路タクシー
- 大阪淡路交通
- 名古屋淡路交通
- 大阪つばさタクシー
- 淡路島観光株式会社
- 株式会社ダンコーサービス
[編集] その他
- 2002 FIFAワールドカップが行なわれた際、イングランド代表チームが津名町(現淡路市)でキャンプを張り、その時淡路交通が選手送迎を担当した。
キャンプ最終日にマイケル・オーウェンとデビッド・ベッカムが貸切バス1台の車体にサインを残している。
- 車両をリースで導入して比較的短期間で置き換えるため、廃車となった車両は全国各地のバス会社に中古車として売却されている。転出先は以下の通り。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: バス関連のスタブ記事 | 近畿地方の乗合バス事業者 | 兵庫県の交通 | 兵庫県の企業 | かつて存在した日本の鉄道事業者 | 淡路島