渋井陽子
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渋井 陽子（しぶい ようこ、1979年3月14日 - ）は、日本の陸上競技選手。主な競技種目はマラソン、トラック10000m、駅伝など。現在の女子10000m日本記録（30分48秒89）保持者であり、女子マラソンでも日本歴代2位の記録を持つ。血液型はO型。腹筋が趣味。
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[編集] 主な経歴
栃木県旧黒磯市（現・那須塩原市）出身。黒磯市（現・那須塩原市）立共英小学校、同厚崎中学校卒業。小学校の時から運動が好きでマラソン大会などもトップだった。中学時代は陸上部所属。
1994年、厚崎中学校卒業後、栃木県内では陸上競技の名門として知られた栃木県立那須拓陽高等学校に進学。1997年に卒業後、大学には進まず、当時の三井海上火災保険（現・三井住友海上火災保険）に入社した。20世紀中は、トラック競技・駅伝・長距離走で力を蓄えていった。
2001年1月の第20回記念大阪国際女子マラソンで、いきなり2時間23分11秒の当時初マラソン世界最高記録を達成して初優勝、衝撃的なマラソンデビューを果たしている。同年8月の、世界陸上選手権エドモントン大会女子マラソンでは4位に入賞し、部の先輩（入社は渋井が先）で渋井のよき理解者でもある土佐礼子の銀メダル獲得と併せて、日本女子のマラソン団体優勝に貢献（世界陸上では国別の団体戦も行われているため）。一躍アテネオリンピックの代表有力候補として注目されるようになった。
翌2002年5月には、アメリカの大会で女子10000mの日本記録更新に挑戦、当時川上優子の持つ31分09秒46のタイムを20秒以上更新する、日本女子で初めて30分台の新記録を達成した。同年10月のシカゴマラソンでは、2時間21分台の自己記録を更新、ここまでは順調だった。
その後、渋井はケガ等のスランプに陥り低迷する。
- 2003年3月の第24回名古屋国際女子マラソンに出走予定だったが、エントリー発表直前に足を故障、出場を断念する。
- 2003年8月の世界陸上選手権パリ大会は、マラソンでは無く10000mで出場したが、周回遅れとなり結局14位に終わる。
- 翌2004年アテネ五輪の、女子マラソン代表選考レースだった第23回大阪国際女子マラソンでは、前半の思わぬ超スローペースに惑わされる。27Km地点を過ぎた大阪城内での千葉真子の飛び出しにはついたが、優勝した坂本直子の30Km地点からの猛スパートには全くついていけず、その後完全にスローダウン。結局ゴール順位は9位と完敗、目標だった五輪出場はならなかった。
しかし渋井は復活する。2004年9月のベルリンマラソンでは、当時シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子が持っていた日本記録を5秒更新する、2時間19分41秒をマークして優勝、雪辱を果たした（その後、翌2005年9月のベルリンマラソンで、アテネ五輪金メダリストの野口みずきに日本記録を塗り替えられる）。この記録は、2006年11月時点で女子マラソン世界歴代6位である。
ただその好調が、どうしても長く続かないのが難点である。
- 2005年3月の第26回名古屋国際女子マラソンでは、レース直前に風邪を引き体調不良による影響で、35Kmの手前で優勝争いから脱落。結果7位に終わり、世界陸上ヘルシンキ大会のマラソン代表入りを逃した。
- 前年のリベンジに燃えた翌2006年3月の名古屋では、レース中盤は完全に独走状態で優勝確実と思われた。しかし終盤で大きくペースダウン、じわじわ追い上げられた弘山晴美に残り約1Kmの地点で逆転を許し、惜しくも準優勝となった。
- 2007年1月に行われた第26回大阪国際女子マラソンには、ほぼ同じコースで行われる世界陸上大阪大会女子マラソン代表を目指して出場。序盤から野口みずきの持つ大会新記録を目指し、優勝した原裕美子と共にハイペースで飛ばしたが、絶好調ゆえのオーバーペースがたたって、中盤で故障を発生して急失速。その後34Km過ぎで、立ち止まって両足を屈伸してしまう場面も有り、後続の選手に次々抜かれて10位、又も世界陸上出場は断たれた。
非常にお茶目でひょうきんな性格の持ち主。アテネ五輪女子マラソン代表となった土佐を尊敬しており、土佐は渋井のレースにおいて“セコンド”役を買って出ることもある。又、アテネ五輪女子10000m代表となった、福士加代子（ワコール）とは大変仲が良いらしいが、女子マラソンで五輪優勝を果たした高橋と野口の二人には、激しいライバル心を燃やし続けているという。余談だが、渋井と福士は、レース後に個性的なコメントをすることで知られている。ただ、渋井のほうは、最近は不調もあって普通のコメントになる場面が増えている。
[編集] 記録（マラソンのみ）
| レース日（現地時間） | レース名 | 記録 | 順位 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2001年1月28日 | 第20回記念大阪国際女子マラソン | 2時間23分11秒 | 優勝 | 当時初マラソン世界最高記録 |
| 2001年8月12日 | 世界陸上エドモントン大会 | 2時間26分33秒 | 4位 | 団体では金メダル |
| 2002年10月13日 | シカゴマラソン | 2時間21分22秒 | 3位 | |
| 2004年1月25日 | 第23回大阪国際女子マラソン | 2時間33分02秒 | 9位 | アテネ五輪代表選考レース |
| 2004年9月26日 | ベルリンマラソン | 2時間19分41秒 | 優勝 | 当時日本最高記録 |
| 2005年3月13日 | 第26回名古屋国際女子マラソン | 2時間27分40秒 | 7位 | 世界陸上ヘルシンキ大会代表選考レース |
| 2006年3月12日 | 第27回名古屋国際女子マラソン | 2時間23分58秒 | 2位 | |
| 2007年1月28日 | 第26回大阪国際女子マラソン | 2時間34分15秒 | 10位 | 世界陸上大阪大会代表選考レース |
