高橋尚子
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女子 陸上競技 | ||
金 | 2000年 | 女子 マラソン |
高橋 尚子(たかはし なおこ、1972年5月6日 - )。マラソンランナー。2000年9月、シドニー五輪女子マラソン優勝。この時の優勝タイム2時間23分14秒は現在も五輪記録。またこの五輪金メダルは日本の女子陸上種目としては初の快挙であり、この功績により国民栄誉賞を受賞。2001年9月、ベルリンマラソンで当時の世界最高である2時間19分46秒をマーク。女子選手として初めて2時間20分を切った選手として陸上界にその名が永久に刻まれることになる。爽やかな笑顔と前向きな生き方から誰からも愛され、Qちゃんの愛称で親しまれている。2006年,自身の母校である大阪学院大学の特任教授に就任。
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[編集] 来歴
岐阜市立藍川東中学校から陸上競技を始める。岐阜県立岐阜商業高等学校を経て大阪学院大学商学部卒業。
1997年1月26日の大阪国際女子マラソンが初マラソン。翌1998年3月8日の名古屋国際女子マラソンでは、2時間25分48秒という、当時の日本最高記録を4秒更新してのマラソン初優勝を果たす。同年12月6日のバンコクアジア大会女子マラソンは、最高気温30度を超す猛暑のレースとなったが、2時間21分47秒の驚異的な日本最高記録(当時)を達成。一躍シドニーオリンピック女子マラソンの金メダル最有力候補として注目される。2000年3月12日、シドニー五輪の選考会となった名古屋国際女子マラソンで優勝。これにより、五輪代表の切符を獲得。
2000年9月24日のシドニー五輪女子マラソンでは、ルーマニアのリディア・シモンと激しくデッドヒートを演じるが、34Km過ぎで銀メダル獲得のシモンを突き放し、そのままトップでゴール。つねにレースを引っ張る堂々たる走りは、ゴール後のさわやかな笑顔とともに、世界のマラソンファンに強い印象を与えた。高橋の五輪での金メダル獲得は、日本マラソン界の長年の悲願達成であるとともに、日本女子陸上界においても史上初の快挙だった。またゴールタイムの2時間23分14秒はベノイト(米国)がロス五輪でマークしたタイムを16年ぶりに更新する五輪最高記録である。これらの功績により、女子スポーツ選手として初めて国民栄誉賞を受賞。
2001年9月30日にベルリンマラソンで女性初の2時間20分突破となる、2時間19分46秒の世界最高記録(当時)をマーク。
2005年5月、リクルート時代から約10年に及ぶ小出義雄監督との師弟関係を解消。2005年6月、ファイテンと2009年5月までの4年間の所属契約を結んだ。なお同社陸上部とは別に「チームQ」として活動。
2005年11月20日、「2005東京国際女子マラソン」に出場。体調は万全ではなかったが、2時間24分39秒の1位でゴール、2年ぶりのマラソン復帰レースを優勝で飾る。2006年11月1日には、1年間の期限付きで母校大阪学院大学の特任教授に就任。
2006年11月19日、「2006東京国際女子マラソン」に出場したが、右足ふくらはぎに抱えた怪我もあり3位という不本意なフィニッシュとなった。本来なら、調整ミスのため、不参加の決断が適切だった同大会であったが、スポンサーとの関係などのため強行出場だった。しかし、重要な大会を前に毎回何かしらの故障を起こす現状に、チームQ、ひいては高橋自身の自己管理の甘さを指摘する声も挙がった。翌2007年3月11日の名古屋国際女子マラソンへは欠場したため、同年9月2日に開催される世界陸上大阪大会女子マラソンの出場を断念。2008年北京オリンピック女子マラソン代表入りは、その後の国内選考レース(2007年11月東京国際、2008年1月大阪国際、同3月名古屋国際)で挑戦する事となった。
高校の同級生にはプロ野球選手の和田一浩がいる。ただ、高橋と和田は高校時代は互いに面識こそあったものの会話をしたことは一度もなかったという。母校では高橋と和田一浩、高木守道の3人をまとめて“ビッグ3”と呼ばれている。2004年11月23日、地元の岐阜メモリアルセンターでこの3人のトークショーが行われ、このイベントは大盛況のうちに終わった。ただ、“ビッグ3”と言われながらもこの3人が顔を合わすことは滅多になく、3人がトークをするシーンが斬新だったと言う人も多かった。
[編集] 戦績
年月 | 大会 | 記録・順位 |
---|---|---|
1997年1月 | 大阪国際女子マラソン | 2時間31分32秒 7位 |
1998年3月 | 名古屋国際女子マラソン | 2時間25分48秒(当時の日本最高記録) 初優勝 |
1998年12月 | バンコク・アジア大会 | 2時間21分47秒(当時の日本最高記録) 優勝 |
2000年3月 | 名古屋国際女子マラソン(大会記録) | 2時間22分19秒 優勝 |
2000年9月 | シドニーオリンピック | 2時間23分14秒 優勝、五輪金メダル獲得 |
2001年2月 | 青梅マラソン(30km) | 1時間41分57秒(当時の日本最高記録) |
2001年9月 | ベルリンマラソン | 2時間19分46秒(当時の世界最高記録) 優勝 |
2002年9月 | ベルリンマラソン | 2時間21分49秒 優勝 |
2003年11月 | 東京国際女子マラソン | 2時間27分21秒 2位 |
2005年11月 | 東京国際女子マラソン | 2時間24分39秒 優勝 |
2006年11月 | 東京国際女子マラソン | 2時間31分22秒 3位 |
[編集] 関連項目
- hitomi(練習中に聞いていた「LOVE 2000」を歌う)
- 平山あや(小出の原作をドラマ化した「君ならできる」で高橋を演じる)
- 和田一浩(プロ野球選手、岐阜県立岐阜商業高等学校時代の同期)
- 佐倉市(元在住)
- 千葉市(現在住)
[編集] 外部リンク
国民栄誉賞 |
王貞治 | 古賀政男 | 長谷川一夫 | 植村直己 |
山下泰裕 | 衣笠祥雄 | 美空ひばり | 千代の富士貢 |
藤山一郎 | 長谷川町子 | 服部良一 | 渥美清 |
吉田正 | 黒澤明 | 高橋尚子 |
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