無重量状態
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無重量状態(むじゅうりょう)とは、万有引力および遠心力などの慣性力が互いに打ち消しあい、それらの合力が0ないしは0とみなしうる程度に小さくなっている状態。台ばかりで計られるような類の重さ(すなわち重量)が0となっている状態であることから無重量状態と呼ばれる。類義語ないしは同義語としての無重力(むじゅうりょく)という言葉が用いられる。近年では、微小重力という語も用いられる。
無重量環境下の特徴は、無対流、無静圧、無浮力、無沈降、無接触浮遊などであり、薬品や合金の製造などにおいて、重力下では実現不能な現象を観察することができる。
無重量状態は、スペースシャトル内、飛行機の放物線飛行(パラボリックフライト)によるもの、塔からの自由落下などにより、人工的につくることができる。
[編集] 無重量と無重力
等価原理の立場からは、そもそも、無重量と無重力を区別する方法は存在しない。万有引力と自転・公転による遠心力などの合力を重力とする考え方からは、周回軌道上の人工衛星などで実現される無重量状態では重力が無いということになり、ある種の無重量状態と無重力状態は同義語となる。重力のうちに慣性力を含まず、万有引力と同一視する考え方もあり、この場合は万有引力が0で無いならば無重力とは呼べないので、無重量状態と無重力状態は異なる状態をさすというふうに主張されることもある。
これらの主張の違いは、観点の違いに過ぎず、どの考え方が絶対的に正しいというものではない。
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