Wikipedia:独自の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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改名:この記事のタイトル名を「Wikipedia:独自研究は載せない」に変更する提案が行われています。詳細はこの項目のノートを参照してください。 |
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この方針と関連し、将来的には本方針を置き換える可能性のある、Wikipedia:Attributionの日本語版での方針名について、現在意見投票をおこなっています。詳しくはWikipedia‐ノート:Attributionをごらんください。 |
現在、このページは、翻訳改訂作業中です。訳出された本文の見直しのために、一時的に複数の訳を併記し、原文にはない斜体をかけ、また語句を【】で括った部分がありますが、ご了承下さい。方針の閲覧は2006-09-12T23:47:15の版をご覧ください。また訳文の議論はWikipedia‐ノート:独自の調査で行っています。 |
英語版、04:29, April 26, 2006 英語版、22:18, 8 February 2007 Original research (OR) is a term used
Wikipedia is not the place for original research. Citing sources and avoiding original research are inextricably linked: the only way to demonstrate that you are not |
構成は英語版、22:18, 8 February 2007に、文は一部英語版、04:29, April 26, 2006に基づいています 「独自研究(original research)」とは、信頼できる媒体において未だ発表されたことがないものを指すウィキペディア用語です。ここに含まれるのは、未発表の事実、データ、概念、理論、主張、アイデア、または発表された素材に対して特定の立場から加えられる(ウィキペディア共同創始者の一人であるジンボ・ウェールズの言葉を借りれば、「新たな叙述あるいは歴史解釈」を生むような)未発表の分析やまとめ、解釈などです。 ウィキペディアは独自研究の発表の場ではありません。情報源を明記することと独自研究を避けることは、密接にかかわり合っています。独自研究ではないことを示す唯一の方法は、その記事の主題に直接関連のある情報を提供する信頼のおける情報源を出典として記し、その情報源に記された内容に忠実に記述することです。 Wikipedia:独自の調査 (NOR)は、ウィキペディアの内容に関する三大方針の1つです。他の2つの方針はWikipedia:中立的な観点 (NPOV)とWikipedia:検証可能性 (V)です。これらの方針は相互補完的なもので、あわせてウィキペディアの標準名前空間の記事に掲載してよい情報のタイプと質を規定していますので、個別に解釈されるべきではなく、編集者は3つ全てを十分に理解しておくことが望まれます。 |
[編集] What is excluded?The original motivation for the An edit counts as original research
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[編集] 何が除外されるか独自研究排除の方針の本来の動機は、個人的な持論を持った人々が彼らの考えに注意を引くためにWikipediaを使おうとするのを阻止することでした。[2]しかし、独自研究(の排除)は「私的トンデモ理論禁止」にとどまるものではありません。この方針は編集者の個人的観点や政治的意見、発表済みの情報の個人的分析や解釈、そして自分の支持する観点を押し進めたり自分の提唱する論証や定義を支持するような形で発表済みの情報を解釈・合成するようなことも排除します。つまり、ウィキペディアで公開されるいかなる事実、意見、解釈、定義、論証も、信頼できる媒体において、その記事の主題に関連する形で、既に発表されていなければなりません。詳細は次節「特定の観点を推進するような、発表済みの情報の合成」を参照してください。 独自研究と認定される編集は、以下のようなものです。
ウィキペディアから排除されたからといって、それが「品質の劣る」ものであるとは必ずしも限りません。ピューリッツアー賞クラスのジャーナリズムやノーベル賞ものの研究でさえも、それがウィキペディアで最初に発表されることになるのであれば、掲載を拒否せざるをえないのです。もしあなたがウィキペディアという知の集大成に加えるべきだと考える情報をお持ちでしたら、まずそれを査読制度のある雑誌か評判のいい報道メディアで発表し、その後中立的な観点の流儀にのっとり、あなたの業績を証拠として示すのがベストな道です。 なお、他の基本方針同様、独自研究の排除は記事にのみ適用され、ノートページやプロジェクトページには適用されません。ただし、ノートページで個人的な理論について議論することは、あまり歓迎されないでしょう。 [編集] なぜ独自研究を排除するのか全ての編集者に適用されることで、この方針はウィキペディアの評判をいくつかの重要な形で保証します:
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[編集] 何が評判のいい出版物とされるのか?評判のいい出版物とは、例えば、査読制度のある定期刊行物、有名な学術出版社や大学出版局、または一般的な出版社の定評のある学術出版部門などから出版された書籍などが含まれます。 非学術的な分野に関しては、「評判のいい」を明確に定義するのは不可能です。一般に、この言葉の意味について良い直感を我々の多くは持っています。急進的な政治・宗教団体が自ら刊行している雑誌や新聞はたいがい「評判のいい」とは見なされません。例えば「ブッシュ大統領はゲイである」という言明を掲載するのに、Socialist Workers' Partyの機関誌The Militantでの掲載にのみウィキペディアが依拠することはありえません。しかし、同じ言明がニューヨーク・タイムズで報道されたのであれば、ウィキペディアはその記事(およびその記事が引用している情報源)を参照することができます。ただ、急進的な政党の機関紙は、その政党自身に関する情報情報源としては、使用することができます。 情報源の信憑性を評価するには、幾つか自分に質問を投げかけてみるのが良いでしょう。それは公然と特定党派を支持しているか? 読者層は大きいか、それともとても小さいか? 自費出版を請負う出版社か? 個人経営か、それとも多くの社員を抱えているか? 何らかの査読制度を持っているか、あるいは気まぐれで何でも掲載してしまうか? もし貴方が情報源として利用しようとしている媒体が、貴方について否定的な記事を掲載しようとしていると聞いた場合、あなたは(a)事実をちゃんと確認しない無責任な媒体だからと怯えるでしょうか、それとも(b)その出版物は何層もの編集スタッフ、事実調査員、弁護士、編集長、【出版社】を持っているために、たいていの誤りは訂正してくれるので少しは安心するでしょうか。もし(a)であるなら、その情報源は使用しないでください。もし(b)であるなら、それこそがウィキペディアで言うところの「評判のいい」というものなのです。 ある情報源が評判のいいものかどうかに関して論争が起こった際には、より多くの編集者を集め、コンセンサスを目指して努力するしかありません。明確な定義はありませんが、しかし自分の直感は無視しないようにして下さい。 [編集] 資料[編集] 信頼できる資料
内容に疑問が提出された情報、もしくは疑問が提出されそうな情報には、その裏づけとなる信頼できる資料を示さなければなりません。本方針によって規定している「独自研究」にあてはまる情報とは、信頼できる裏づけ資料が一切見つからず、そのため投稿者の独自の考えなのではないかと考えられるような情報です。あなたの投稿内容が独自研究ではないと証明する唯一の方法は、あなたの主張と同じ主張をしている、あるいはあなたと同じ視点に立っている信頼の出来る公表済みの資料を示すことです 「信頼できる」という語に明確な定義はありませんが、大部分の人は直感的に判断できます。一般的に、最も信頼できる資料は、大学の出版部によって出版されている書籍や学術誌、主流の新聞、著名な出版社によって出版されている雑誌や学術誌です。常識からいって、事実の確認、法的問題の確認、文章の推敲などに多くの人が関わっていればいるほど、公表された内容は信頼できます。自己出版されたものは、紙媒体であれオンラインのものであれ、一般的には信頼できるとはみなされません。ただし例外についてWikipedia:検証可能性を参照してください。[編集] 一次資料と二次資料
一次資料を作るような独自の調査(、たとえば投稿者自身の体験の記述や、投稿者が行ったアンケートやインタビューなどを掲載する事)は許されません。しかし、現存する一次資料や二次資料から情報を集めて整理する調査は、もちろん強く奨励されています。ウィキペディアにある記事は全て、既に発表されている一次資料や二次資料に基づいていなければなりません。そうした記述は「独自の調査」には当たりません;それは「情報源に基づいた調査」であり、百科事典の執筆の基本です。 (1)専門知識がなくとも分別のある大人であれば誰でも、その正確性を簡単に検証できる解説を行う記事、(2)分析、総合、解釈、評価にあたる主張を全く行わない記事、のような場合には、ウィキペディアの記事がもっぱら一次資料に基づいていてもよい(アップルパイや最近の出来事などは、その例として挙げられるでしょう)のですが、こういったことは例外なのです。 ウィキペディアは真実性ではなく検証可能性を基準に情報を掲載します。つまりウィキペディアでは、情報それ自体が正確であると見なされるかどうかに関わらず、他の信頼できる情報源によって発表された事柄のみを発信します。独自の調査を避けるためには、そしてウィキペディアの記事の質を向上させるためには、あらゆる一次資料、さらには既存の情報やデータのどんな一般化、分析、総合、解釈、評価も、評判の良い第三者の(つまり自費出版ではない)発行物として発表され、ウィキペディア以外のウェブサイトや公共図書館を通じて閲覧者が閲覧できることが重要です。適切に情報源を明記する事はとても重要です。そうすることにより、閲覧者はあなたの依拠した情報源を見つけだし、ウィキペディアが情報源を正しく使用していることを納得できるからです。 何が基準にあった、あるいは評判のいい典拠や情報源となるかについて論争や議論が生じる場合があります。合意を形成するのが無理な場合は、その論争に関する説明と、それぞれの典拠あるいは情報源について記しておく必要があります。そのように記述しておくことは、その記事が中立的な観点にのっとったものであることを保証するものでもあります。 |
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[編集] 特定の観点を推進するような、発表済みの情報の合成もしAが信頼できる媒体で発表されており、Bも信頼できる媒体で発表されているなら、AとBを組み合わせてCという観点を推進するような記事を書いてもよいと誤解するウィキペディア編集者が、しばしば見受けられます。しかし、これは「ある観点を推進するような、発表済みの情報の新たな合成」の典型であり、独自研究に相当します。[4]「AでありBである、ゆえにCである」という論証は、その記事の主題に関連する形で信頼できる情報源によって既に発表されている場合にのみ、掲載することができます。 ウィキペディアの一記事からとった例をみてみましょう(名前は変えてあります)。この記事は、ジョーンズについてのものでした。
ここまでは問題ありません。この次から、公表されている情報に対する未公表のまとめが入ってきます:
この段落全体が独自研究となっています。なぜならこの部分を加筆した人は、Chicago Manual of Styleの剽窃の定義を利用して、「ジョーンズは剽窃などしていない」という自分の意見を表明しているからです。この段落の内容を本方針に見合ったものにするためには、スミスとジョーンズの論争そのものにふれて、シカゴマニュアルの剽窃の定義にこれが当てはまらないのだと述べている、信頼できる情報源が必要です。言い換えるならば、分析や解釈をウィキペディアで発表する際には、信頼できる情報源を通してその主題に対して行われたまったく同趣旨の分析や解釈が既に発表されていなければならないのです。 |
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[編集] 専門家の役割"独自研究の排除"は、ある議題に関する専門家がウィキペディアに寄稿できないことを意味するわけではありません。むしろ、ウィキペディアでは専門家は歓迎されます。しかしウィキペディアでは、専門家は、その話題に関する個人的・直接的な知識だけではなく、その話題に関して既に発表された情報源に関する知識をも持ちあわせているゆえに、専門家であると考えています。この方針は、もしそれを検証することが不可能であるならば、専門家である編集者が、直接的・個人的知識をもとに寄稿することを禁止しています。専門家の編集者が自分の研究の成果を何らかの評判のいい媒体において発表済みであるなら、第三者として記述し、中立的な観点の方針に従い、情報源を示すことができます。この場合も、専門家は、第三者による、信頼できる情報源を明記しなければならず、検証不可能である未発表の知識は使用してはなりません。専門家の方々におかれましては、自分達が専門家だからといってウィキペディアで特権的な地位にあるわけではないということを胸にいだきつつ、ウィキペディアの記事を充実させるために、公表されている情報に関する自己の知識を活用することを期待します。 |
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[編集] 理論に関する記事の扱い方理論に関しては、以下のことに留意してください。
確立していない造語や、権威ではない個人やそのような個人からなる小集団に由来する概念は、記事削除の対象になるか、編集で除去されるべきです(その理由は、必ずしも誤りだからではなく、検証が不可能だからです)。 |
[編集] Original imagesPictures have enjoyed a broad exception from
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[編集] オリジナル画像独自研究排除方針において、画像は長らく幅広い例外分野として認定されてきました。ウィキペディア編集者は、自分で写真を撮り、あるいは絵を描いて、それをアップロードしてGFDLライセンスか別のフリーなライセンスの下でリリースして、記事の挿絵に利用することを推奨されてきました。これが推奨されているのには幾つかの理由があります:
オリジナル画像を許容することの既知の欠点の一つは、編集者がその画像を修正してその画像が例証するところの事実をゆがめる可能性です。修正されている画像は修正されていることを明示しなければなりません。それを怠れば削除対象となります。 修正されている旨の注釈があったとしても、そのような画像はメインの名前空間で記事を例証するのに使用されるべきではありません(自分の利用者ページで使用する分には構いません)。 その他のオリジナル画像、例えばアップロードした人の自論で予想される余分な素粒子を原子核に描いている水素原子の図のようなものは、掲載禁止されています。全てのアップロードされた画像にはウィキペディアの他の方針およびガイドラインが適用されます(特に検証可能性と中立的な観点)。 |
[編集] Related policies
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[編集] 関連する基本方針とガイドライン[編集] Wikipedia:検証可能性
ウィキペディアの掲載基準は、「真実であるかどうか」ではなく、「検証可能かどうか」です。評判のいい情報源によって既に発表された事実、主張、理論、概念、表明、意見、論証のみをウィキペディアに掲載できることにこだわる点で、独自研究排除の方針と検証可能性の方針は互いに補強しあうものとなっています。 [編集] Wikipedia:中立的な観点
独自研究の排除は、編集者が自分の観点のみを提示する可能性を制限します。さらに、第三者により行われた検証可能な調査・研究を掲載することの重要性を強調することで、この方針は複数の観点を掲載することを奨励することになります。結果として、この方針は中立的な観点の方針を補強するものとなります。 多くの場合、複数の確立した観点が一つの議題に関して存在しています。そのような場合、いかに良く調査・研究されていたとしても、単一の観点がその議題に関する権威となることはありません。必ずしも全ての観点を一人で調べる必要はありません。しかし、ある観点を記事で言及する際には、その観点を位置づけておくことが肝要です。つまり、その観点がいかに顕著なものであるか、多数派に支持されているのか少数派に支持されているのかなど、その観点の背景に関する情報を提供してください。 ごく小さな少数派にしか支持されていない観点を掲載することは、それを保証するためには、十分に信用できる、第三者による情報源が不足していることから、独自研究に認定される場合があります。このことについて、ウィキペディアの共同創始者ジンボ・ウェールズは、次のように述べています。
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[編集] Other options
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[編集] その他の選択肢
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[編集] 関連項目
- Template:独自研究 - 独自研究の疑いについて注意を促すメッセージ
- Wikipedia:出典を明記する
- Wikipedia:Template_メッセージの一覧/問題のある記事
- Search engine test
[編集] 注
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Wikipedia's co-founder, Jimbo Wales, has described the origin of the original research policy as follows: "The phrase 'original research' originated primarily as a practical means to deal with physics cranks, of which of course there are a number on the Web. The basic concept is as follows: It can be quite difficult for us to make any valid judgment as to whether a particular thing is true or not. It isn't appropriate for us to try to determine whether someone's novel theory of physics is valid; we aren't really equipped to do that. But what we can do is check whether or not it actually has been published in reputable journals or by reputable publishers. So it's quite convenient to avoid judging the credibility of things by simply sticking to things that have been judged credible by people much better equipped to decide. The exact same principle will hold true for history." (Wales, Jimmy. "Original research", December 3, 2004)
- ^ 独自研究禁止の方針の出発点について、ウィキペディア共同創設者であるジンボ・ウェールズは以下のように述べています:「独自研究」という用語は、主にウェブ上にあふれる物理学系のトンデモ理論提唱者(英:crank)対策の為に生まれたものです。基本理念は次の通りです。:「ある事柄が本当に正しいかどうかの有効な判断を下すのは、我々にはたいへん困難です。ある人が提唱する物理学の新しい理論が正当なものであるかどうかを我々が決めるのは適切ではありません—我々はそのような判断を下せるほどの専門知識は持ち合わせていません。しかし、我々はその理論が評判のいいジャーナルや評判のいい情報源を通して発表されているかどうかは、確認できます。ですので、適切な判断能力を備えた人々によって信用できると判断された物事に単に依拠することにより、ある物事が信用できるかどうかの判断を避けることは、本当に便利なのです。歴史(学)についても全く同じ原則が当てはまります。(Wales, Jimmy. "Original research", December 3, 2004)
- ^
Mr. Wales disapproves of synthesized historical theories and states: "Some who completely understand why Wikipedia ought not create novel theories of physics by citing the results of experiments and so on and synthesizing them into something new, may fail to see how the same thing applies to history." (Wales, Jimmy. "Original research", December 6, 2004)
- ^ Mr. Wales disapproves of synthesized historical theories and states:ウィキペディアでは、なぜ実験結果等を引用したり、それらを何か新しいものに総合することによって、物理学の新奇な理論をつくるべきではないのか、ということを完全に理解している人々も、同じことが歴史(学)にも通用することを見落とすことがあります。[1]
- ^ Wales, Jimmy. "WikiEN-l roy_q_royce@hotmail.com: --A Request RE a WIKIArticle--", September 29, 2003.
- ^ Wales, Jimmy. "WikiEN-l roy_q_royce@hotmail.com: --A Request RE a WIKIArticle--", September 29, 2003.
[編集] もっと知りたい人のために
- "Crackpot articles":ジンボ・ウェールズのメーリングリストへの投稿(2003年7月12日)
- "NPOV and 'new physics'":ジンボ・ウェールズのメーリングリストへの投稿(2003年9月26日のメールのfollowup)
- Academic Publishing Wiki - 独自研究を歓迎するウィキ。
- Wikiresearch, 独自研究用のウィキの提案.