王ドロボウJING
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『王ドロボウJING』（おうドロボウ ジン）は熊倉裕一の漫画。1995年から1998年までコミックボンボンで連載。ボンボンKCとして単行本が全7冊発売されている。また、新装版がマガジンZKCから同じく全7冊発売されている。
7巻以降月刊マガジンZで続編『KING OF BANDIT JING』が連載（現在休載・再開未定とされる）。マガジンZKCとして単行本が7冊発売されている。作風がコミックボンボンが想定する対象年齢層を上回っていったため、掲載誌を移動したとされている。
アニメは2002年NHKのBS2で放送されており（全13話）、その後OVAも製作された。また、ゲーム化もされている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
- 本作は“王ドロボウ”であるジンとその相棒キールが、目的のモノを盗むための冒険を描いた物語。背景には、全貌がつかめない程の大きなストーリーが存在するが、「ドロボウの都編」「第七監獄編」といったように、数話ごとに構成される独立した物語の連続という印象が強い。
- 物語の舞台は各エピソードごとに、「世界中からドロボウが集まっている」「時間に支配されている」など全く異なる世界観を持つ。そこでジンは毎回「ジンガール」と呼ばれる、舞台や盗む対象と何らかの係わりを持つヒロインと出会い、目的のものを盗むべく一緒に行動する形でストーリーが進む。
- 綿密に描き込まれた世界観とセリフ回しが特徴。
- 連載当初は少年漫画的作風だったが、話が進むにつれて重厚な世界観を備えた青年漫画的作風へと変化し、絵柄もZAZAの仮面舞踏会編の中盤からガラリと変わり、独特のものとなっていった。そのためコミックボンボンの誌面では明らかに異彩を放っていた。
- 作風・世界観はティム・バートン（特に作品で言えばナイトメアー・ビフォア・クリスマス）の影響を強く受けている。
- 主要登場キャラクターには主に酒の名前が付けられているが、中にはカクテルの用語・道具の名前が付けられているキャラクターもいる。
[編集] 登場人物
[編集] 原作
[編集] 主人公
- 「輝くものは星さえも盗む」といわれる王ドロボウの末裔である少年（年齢不詳）。黄色いコートに尖った髪型が特徴。「ビンゴ～」が口癖、アニメではかなりクールな性格だが、コミックではそうでもない。本人は気付いていないが、行く先々で「ジンガール」たちのハートをも盗んでいる。武器は右腕手甲に仕込んだ刀と、相棒キールと共同で放つビーム砲のような攻撃『キールロワイヤル』。 尚、名前の由来は洋酒の一つであるジンであるが、スペルは「GIN」ではなく「JING」 と表記されている。
- キール （声：中尾隆聖）
- 喋る鳥で、卵の時から一緒にいるジンの相棒。自称「ジンの飼い主」。女性が大好きで、女性を見ると声をかけずにはいられない。時々軽口を叩く。ジンの右腕に合体して必殺技『キールロワイヤル』を出すことができる。
[編集] 準主人公
- ポスティーノ （声：三木眞一郎）
- ジンとキールの行く先々で出会う郵便配達人。
[編集] 「ドロボウの都」編
- シードル （声：野川さくら）
- ジンとキールが最初に訪れた「ドロボウの都」で出会った人魚の姿をしている結晶生物の少女。母親と共に「ダブルマーメイド」と呼ばれる。
- ちなみに名前の由来はリンゴ酒である。
[編集] 「ブルーハワイの幽霊船」編
- ロゼ （声：田村ゆかり）
- 北の町、ブルーハワイの美少女警察官。ジンたちと一緒に幽霊船に乗り込む。正義感が強く、違法行為にはうるさい。
- 名前の由来はロゼワインのロゼ。ファンからの再登場の要望が一番高いキャラクターでもある。
[編集] 「時の都アドニス」編
- ミラベル （声：堀江由衣）
- マスターギアが取り仕切る集会に遅刻した罪で処刑されそうになったところを、ジンとキールに助けられる。
- ヴァン・ムスー （声：森川智之）
- 時の都アドニスにおいて、全ての時計を支配するアドニスの領主。通称「マスターギア」。シェリーと組んで、アドニスを支配している。
- シェリー （声：佐久間レイ）
- マスターギアの側に控える九尾の狐。キールと同じ様に、マスターギアの右腕と一体化し光の弾を放つ能力を持つ。最後にはマスターギアを見限った。
- 船長 （声：小杉十郎太）
- ミラベルと同じ「遅刻罪」で死刑を宣告されたが逃走し、アドニスの地下にある「ネバーランド」に潜伏していた。終盤にはミラベルを率いてジンを助けた。
[編集] 「爆弾生物ポルヴォーラ」編
- イザラ・タンブラー （声：三石琴乃）
- 幼い頃に父を殺害された仇をとろうと、ゴブレットに近づく。凄腕の銃使い。
- ちなみにタンブラーとはグラスの一種である。
[編集] 「不死の街リヴァイヴァ」編
- ベルモット （声：倉田雅世）
- ジンとキールが探そうとしていたお宝の謎解きを持ちかけた少女。実はキング・コアントローが作ったロボット。
- キング・コアントロー （声：納谷六朗）
- リヴァイヴァの住人で、ジンとキールの探していたお宝「永らえ水」の持ち主。ベルモットの製作者でもある。永久機関の研究をしていた。「永らえ水」をジンに託し、息を引き取る。
[編集] 「第七監獄（セブンス・ヘブン）」編
- ペネディクティン （声：千葉紗子）
- 第七監獄でカンパリの夢の中の少女。実はカンパリの婚約者だった。
- カンパリ （声：郷田ほづみ）
- 夢を買い取り、それを「夢玉」という固体にして人々に夢を売っていたが、サギ師として第七監獄に収監。アカシア族の生き残りである。
- マラスキーノ （声：高木渉）
- 第七監獄の所長。権力主義者で、監獄に自分の石像を飾る。
[編集] 「アマルコルド」編
- OVA2巻にジンの「回想」という形で収録
- カシス （声：水樹奈々）
- ジンが幼い頃に仲がよかった少女。森の精霊に女の子であることを知られないように、男の子のような言葉遣いをする。
- ミント （声：朴璐美）
- 三悪童の一人で、自称”王ドロボウの一番弟子”。クローブやポムと共に古道具屋の店先からキールの卵を盗む。
- クローブ （声：釘宮理恵）
- 三悪童の一人で、自称”王ドロボウの二番弟子”。ミントやポムと共に古道具屋の店先からキールの卵を盗む。
- ポム （声：間宮くるみ）
- 三悪童の一人で、自称”王ドロボウの三番弟子”。ミントやクローブと共に古道具屋の店先からキールの卵を盗む。
[編集] 「ザザの仮面舞踏会」編
- ステア （声：飯塚雅弓）
- デュボネ伯爵夫人の娘。普段は醒めた態度を取っているが、幼くして亡くなった弟・レモンの代わりを務めようと必死で頑張っている。
- 名前の由来となっているステアとは「混ぜる・攪拌する」を意味するカクテル用語である。
- デュボネ伯爵夫人 （声：兵藤まこ）
- ザザの街を治める伯爵夫人。夫や息子の悲劇のために感情を失い、常に仮面を身につけている。息子のレモンを毒殺されて以来、息子の代わりを探す為の「仮面"武闘"会」を開き続けている。
- 老アンゴスチュラ （声:柴田秀勝）
- 若アンゴスチュラ （声:吉野裕行）
- 伯爵家に仕える青年。ステアに想いを寄せている。
- アイス三兄弟
- マスコリーダの優勝候補である三兄弟。料理人の長兄バッフル・ド・アイスは巨大な包丁を、仕立屋の次兄クラッシュ・ド・アイスは巨大なハサミを、大工の末弟キューブ・ド・アイスは巨大なハンマーを武器に戦う。当然だが、三人とも優勝経験は無い。
- 日出処の戦士
- 獣の様な兜をした甲冑に身を包んだ凄腕の剣士。マスコリーダで優勝候補であるアイス三兄弟の1人キューブ・ド・アイスを倒したダークホース。
[編集] 「JING ON AIR」編
- キルシュ
- 電気を盗む事を目的としている「盗電団」を率いるリーダー。猫耳としっぽがついている。
- ペスカ・ミノルサ
- ファジーネーブルと呼ばれる電気を独占している世界を支配している、その風貌と言動はさながら聖職者であるが、その実本性は「人生を盗む」事を生きがいとする人間。本性を後述のアラクの前で晒し彼の手で殺害される。
- アラク
- ファジーネーブルの僧の一人。ペスカ・ルミノサの家臣だったが彼の支配に対し疑念を覚え始め、本性を知った際に彼を殺害。
[編集] 「色彩都市の少女」編
- フィノ・クォート （声：椎名へきる）
- ポンピエに住む少女。父は名の知れた画家・ヴァン・クォート。フィノ自身もクォート画伯の作品の1つとなっている。
- ラム （声：愛河里花子）
- フィノの傍にいる鳥（アニメでは「ラム」という名前があるが、原作には名前が記されていない）。
[編集] アニメオリジナル
[編集] 「調べの島ココ・オコ」編
- ミモザ （声：坂本真綾）
- ココ・オコでカスタネット職人として働いている少女。少々、不器用なところがある。
- ルシアン （声：櫻井孝宏）
- ミモザの幼馴染の青年。お互いに恋心を抱くも、顔をあわせれば喧嘩をすることになる。
[編集] 「ポルヴォーラの子守唄」編
- エリクシル （声：雪乃五月）
- 「ブリュワリー」と呼ばれる所で生まれた、ポルヴォーラ達の世話をしている女性。
[編集] アニメ
[編集] TV Animation
- 1st SHOT 「ドロボウの都」
- 2nd SHOT 「ブルーハワイの幽霊船」
- 3rd SHOT 「時の都アドニス・前編」
- 4th SHOT 「時の都アドニス・後編」
- 5th SHOT 「色彩都市の少女」
- 6th SHOT 「不死の街リヴァイヴァ・前編」
- 7th SHOT 「不死の街リヴァイヴァ・後編」
- 8th SHOT 「爆弾生物ポルヴォーラ」
- 9th SHOT 「調べの島ココ・オコ」
- 10th SHOT 「ポルヴォーラの子守唄」
- 11th SHOT 「ザザの仮面舞踏会・前編」
- 12th SHOT 「ザザの仮面舞踏会・中編」
- 13th SHOT 「ザザの仮面舞踏会・後編」
[編集] OVA
- 王ドロボウJING in Seventh Heaven 1（2004年1月21日）
- Lost in Seventh Heaven
- 王ドロボウJING in Seventh Heaven 2（2004年3月10日）
- Dream in Seventh Heaven
- 王ドロボウJING in Seventh Heaven 3（2004年4月28日）
- Awake in Seventh Heaven
[編集] 主題歌
- オープニング「Shout it loud」（歌: スクーデリア エレクトロ、作詞・作曲: 石田小吉、編曲: スクーテリア エレクトロ）
- エンディング「シャラ・ラ」（歌: スクーデリア エレクトロ、作詞・作曲: 石田小吉、編曲: 吉澤瑛師）
[編集] スタッフ
- 原作:熊倉裕一（講談社コミックボンボン刊）
- エグゼクティブプロデューサー:勝股英夫（ANIPLEX）
- 企画プロデューサー:白川隆三（ANIPLEX）
- 原案協力:大野昇､山本憲一（講談社｢月刊マガジンZ｣編集部）
- シリーズ構成:吉田玲子
- キャラクターデザイン:岡真理子
- 美術監督:中村光毅（デザインオフィス･メカマン）
- 美術監督補:三浦智（デザインオフィス･メカマン）
- 色彩設計:松本真司
- 撮影監督:近藤慎与
- 編集:松村正宏（JAY FILM）
- 音楽:石田小吉、吉澤瑛師（Scudelia Electro）
- 音楽監督:原田扶美子
- 音響監督:菊田浩巳
- サウンドデザイン:山田稔（eNa）
- 録音制作:楽音舎
- 音楽制作:ANIPLEX
- アニメーション制作プロデューサー:豊住政弘（スタジオディーン）
- プロデューサー:阿部愛（ANIPLEX）
- 監督:わたなべひろし
- アニメーション制作プロダクション:スタジオディーン
- 製作:ANIPLEX
[編集] 用語・設定
- 王ドロボウ
- 「輝くものは星さえも、尊きものは命すら」も盗むと言われる泥棒の一族。作中に登場する王ドロボウはジンのみ。
- ドロボウの都
- 住人の殆どがドロボウ、売られているものの殆どが盗品と言うとんでもない都市。
- ダブルマーメイド
- ドロボウの都の市長コニャックが持つ宝の名前。この宝目当てに世界中からドロボウが集まり、ドロボウの都が出来たといわれている。様々な罠が仕掛けられた塔の頂上に隠されており、頂上に到達した者は1人もいない。
- アドニス
- 時間に支配されている街。時間に係わる全ての事柄は当然の様に秒単位で管理され、時間に係わる過失は重罪となる。街中が機械仕掛けで野生の草木は一本生えていないが、かつては緑豊かな都市だった。
- 遅刻罪
- 文字通りの遅刻だが、時の都アドニスにおいて遅刻は重罪。特にマスターギアの集会に遅刻する事は第一級犯罪とされ、遅刻した者は死刑に処される。
- 時計仕掛けのブドウ
- アドニスでワイン用に栽培されているブドウ。マスターギアにより時間のくびきにはめられており、指定の日時になると直ぐに収穫される。ただし、稀に見落とされる房が存在する。そうしたブドウは「渾身の一房」と呼ばれ、大粒の果実と極上の甘味を誇る。
- ポルヴォーラ
- 爆弾生物と呼ばれる生き物。愛らしい外見をした人懐っこい性格の生き物だが、多少の衝撃や火気によって大爆発を起こす。そのため、作中ではダイナマイトの代わりにされている描写がある。ミルクチョコレートが好物。本を積み上げたり、チェスをしたり、芸をすることもある。
- リヴァイヴァ
- 第七監獄（セブンス・ヘブン）
- ザザ
- マスコリーダ
- ザザの街で開かれている仮面"武闘"会。出場者は各々仮面を被りトーナメント形式の試合に挑むが、試合には制限時間も点数も無いため自然とハードになり、勝者も敗者も極限まで消耗してしまうのが常。
- 毒殺されたデュボネ伯爵夫人の子息レモンに代わる世継ぎを探すと言う名目で8年前から年に1度開催されているが、今までに世継ぎが決まったためしは一度も無い。
- ヴィンテージ・スマイル
- 巨大な淵真珠を削って作られた、極上の微笑を湛えた仮面。
- マスコリーダにおいて世継ぎが決まった暁にデュボネ伯爵夫人が付ける予定。
[編集] 関連商品
[編集] ゲーム
- 王ドロボウJING ANGEL
- 王ドロボウJING DEVIL
- どちらも1999年3月12日、メサイヤより発売。ゲームボーイ用ソフト。RPG。
- おなじみのキャラクターやモンスターも登場し、彼らと共に「アクアヴィタエの海」に秘められた宝を盗み出すのが目的。
- 「ANGEL」と「DEVIL」という二種のソフトがあり、一部のイベントやモンスターの種類による出現率などが異なる。内容はほぼ同じだがスタートする都市が「ANGEL」ではモルト、「DEVIL」ではグレーンとなっている。
[編集] 外部リンク
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