甲府盆地
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甲府盆地(こうふぼんち)は、山梨県中央部に位置する盆地。やや東西に長い逆三角形の盆地形状で、面積は275㎢。長野県の松本盆地や諏訪盆地と続く構造盆地。中心部に県庁所在地甲府市が位置するほか、塩山や山梨市など、多くの市域を含む。
[編集] 地理
平均標高は比較的高い285mに位置し、寒暖の差が大きい盆地特有の内陸性気候であり、特に夏は日本でも1,2を争う高温になる。盆地内には北東から流れる笛吹川と北西から流れる釜無川へ諸河川が合流。砂礫が堆積し、周縁には御勅川扇状地、釜梨川扇状地、金川扇状地など多くの扇状地が形成され、果樹栽培や養蚕に適した地形となっている。中南部の低地はかつて両河川の氾濫原であり、水田地帯として利用されてきた。笛吹川と釜無川は盆地南西部で合流して富士川となり、静岡方面へ向かう。
甲府市を交通の中心に、盆地北西から東には中央本線が、また盆地南部を迂回した中央自動車道と国道20号(旧甲州街道)が、盆地西部には南北に静岡県へ通じる国道52号と身延線が通じており、盆地形状が交通の要所として利用されている。
地質学的成因には地底湖説もあり、近世の地誌にも甲府盆地がかつて湖底であったと考える湖水伝説が見られる。中部地方有数の平野面積を有することから、盆地南部の曽根丘陵の周縁には古墳が分布し、曽根丘陵の東山古墳郡には畿内色の強い前方後円墳である甲斐銚子塚古墳が立地し、ヤマト王権が東国へ勢力を及ぼした際の拠点になっていたとも考えられている。釜無、笛吹両河川の氾濫原は牧として利用され、武田氏による治水工事が施されると新田開発が行われた。近世にはさらに用水路や堰の開発が進み、扇状地では養蚕が行われ、盆地地形を利用した産業が成立する。戦後には果樹栽培へ移行。
[編集] 観光
甲府盆地に形成された扇状地には、ブドウやモモ、サクランボといった多くの果物が栽培されていることで有名である。また、これらの観光農園も多いうえ、東京圏や中京圏からも近いことから多くの観光客も訪れる。このほか、
[編集] 市町村
甲府市・南アルプス市・山梨市・甲州市・韮崎市・北杜市・甲斐市・笛吹市・中央市・大泉町・昭和町・増穂町・鰍沢町・市川三郷町・身延町・富士河口湖町