中央自動車道
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高速自動車国道 | |
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中央自動車道
CHUO EXPRESSWAY
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中央自動車道 | |
総距離 | 366.8km |
陸上距離 | (高井戸IC~河口湖IC間) 93.3km (大月JCT~小牧JCT間) 273.5km |
起点 | 高井戸IC(東京都杉並区) |
主な 経由都市 |
八王子市、大月市 都留市(河口湖線)、甲府市 諏訪市、岡谷市、中津川市 多治見市、春日井市 |
終点 | 富士吉田IC (河口湖線、山梨県富士吉田市) 小牧JCT(本線、愛知県小牧市) |
接続する 主な道路 |
記事参照 |
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中央自動車道(ちゅうおうじどうしゃどう、英称:CHUO EXPRESSWAY)は、東京都と山梨県富士吉田市、兵庫県西宮市、長野県長野市を連絡する国土開発幹線自動車道であり、高速自動車国道である。略して中央道や中央高速ともいう。ここでは、この営業路線名としての中央自動車道について述べる。
枝分かれする三本の路線から成る。
このうち、小牧JCT~小牧ICの営業路線名は東名高速道路、小牧IC~西宮ICは名神高速道路、長野線・岡谷JCT~更埴JCTは長野自動車道であり、更埴JCT~上越JCTは関越自動車道上越線(上信越自動車道)と重複している。
残りの富士吉田線および西宮線に当たる東京(高井戸IC)~小牧JCTの営業路線名は、中央自動車道(狭義の中央自動車道)である。
東京と地方都市を結ぶ高速道路で唯一の四車線道路(上野原IC~大月IC間は六車線~七車線)であるため、深刻な渋滞が発生することがある。特に、中央高速は沿線にリゾート地が多いことから平日と週末の利用者数の差が大きく、観光シーズンの土曜・日曜の渋滞が他路線より目立つ。
目次 |
[編集] 接続高速道路
本線
- 首都高速道路4号新宿線(高井戸ICで直結)
- 首都圏中央連絡自動車道(八王子JCTで接続:予定)
- 中央自動車道河口湖線(大月JCTで接続)
- 中部横断自動車道(双葉清水線)(双葉JCTで接続)
- 中部横断自動車道(佐久長坂線)(長坂JCTで接続:予定)
- 長野自動車道(岡谷JCTで接続)
- 東海環状自動車道(土岐JCTで接続)
- 東名高速道路(小牧JCTで接続)
河口湖線
[編集] 歴史
法令として中央自動車道が策定されたのは、1957年(昭和32年)の国土開発縦貫自動車道建設法が最初である。これは、その三年後の1960年(昭和35年)に公布された東海道幹線自動車国道建設法よりも先である。この法律の中央自動車道の予定路線は、起点が東京都、終点が吹田市という中央自動車道西宮線の前身ともいえるが、その主たる経過地は「神奈川県津久井郡相模湖町(現相模原市)附近、富士吉田市附近、静岡県安倍郡井川村(現静岡市葵区)附近、飯田市附近、中津川市附近、小牧市附近、大垣市附近、大津市附近、京都市附近」となっており、相模湖~飯田市間は現在のルートとは大きく異なって、南アルプスを貫通するものであった。しかし山間部の工事費が莫大であることにより工事を断念、現在の諏訪ルートが採用されたが、既に着工されていた河口湖ICまでの区間が中央自動車道富士吉田線として開通し、現在の盲腸線のようなルートとなっている。
そのためもあって、最初の開通は東名高速道路よりも早いが、東名高速が着工から数年で全線開通したのに比べて、中央道は着工から全線開通までに約20年間の年月を要した。
- 1967年12月15日:調布IC~八王子IC開通。
- 1968年12月20日:八王子IC~相模湖IC開通。
- 1969年3月17日:相模湖IC~河口湖IC開通。(当初は暫定2車線。開通当時は黄色線やセンターポールがなかった。)
- 1972年10月5日:多治見IC~小牧JCT開通により東名高速道路と接続。
- 1973年9月6日:瑞浪IC~多治見IC開通。
- 1975年3月5日:中津川IC~瑞浪IC開通。
- 1975年8月23日:駒ヶ根IC~中津川IC開通。(恵那山トンネル区間暫定2車線)
- 1976年5月18日:高井戸IC~調布IC開通。
- 1976年9月18日:伊北IC~駒ヶ根IC開通。
- 1976年12月19日:韮崎IC~小淵沢IC開通。
- 1977年12月20日:大月JCT~勝沼IC開通。
- 1979年11月16日:小牧東IC開通。
- 1980年3月26日:甲府昭和IC~韮崎IC開通。
- 1981年3月30日:小淵沢IC~伊北IC開通。
- 1982年11月10日:勝沼IC~甲府昭和IC開通。(全線開通)
- 1986年3月25日:岡谷JCT~岡谷IC開通。
- 1986年8月28日:東富士五湖道路と接続。
- 1986年9月27日:長坂IC開通。
- 1988年3月5日:岡谷JCT~岡谷ICの長野自動車道への編入により長野自動車道と接続。
- 1989年9月27日:上野原IC開通。
- 1992年3月25日:園原IC開通。
- 1995年4月14日:稲城IC開通。
- 2002年3月24日:双葉JCT開通により中部横断自動車道と接続。
- 2003年3月16日:上野原IC~大月JCT間改築完了。(4車線を6車線(一部7車線)に。一部線形改良含む。)
- 2005年3月19日:土岐JCT開通により東海環状自動車道と接続。
- 2005年10月1日、日本道路公団の民営化に伴い、中央自動車道は全線中日本高速道路株式会社の所管となる。
- 2006年10月1日:双葉スマートIC開通。
[編集] インターチェンジなど
ここでは、道路形状等に従い、高井戸IC・小牧JCT間を本線、大月JCT・富士吉田IC間を河口湖線と呼ぶ。
[編集] 本線
- 1 高井戸IC(首都高速道路4号新宿線・東京都道14号新宿国立線・東京都道311号環状八号線/小牧方面への入口無し)
- (2 中央JCT:計画・仮称)(東京外環自動車道:計画)
- TB 三鷹TB/三鷹BS(料金所は下り線のみ、本線料金所)
- BS 深大寺BS
- 3 調布IC(国道20号)
- 3-1 稲城IC(稲城大橋有料道路/高井戸方面のみ接続)
- BS 府中BS
- 4 国立府中IC (国道20号日野バイパス)
- BS 日野BS
- PA 石川PA
- 5-1 八王子IC下り線第一出口 (国道16号八王子バイパス)
- 5-2 八王子IC下り線第二出口 (国道16号)
- 5 八王子IC上り線出口、上下線入口 (国道16号)
- 国道16号を横浜方面に出て最初の信号名称は「中央自動車道入口」で、併記されている英文名は「Chuo Freeway Ent.」となっている。
- TB 八王子TB(八王子IC小牧方面料金所と共用、本線料金所)
- BS 元八王子BS
- (※ 元八王子IC)(事業計画中)
- (6 八王子JCT(首都圏中央連絡自動車道):建設中)
- 7 相模湖東出口(国道20号/下り線のみ)
- BS 相模湖BS
- 8 相模湖IC(国道20号)
- PA 藤野PA
- 9 上野原IC/BS(山梨県道35号四日市場上野原線)
- SA 談合坂SA/野田尻BS
- BS 猿橋BS
- 11 大月JCT(河口湖線・下り線分岐)
- 10 大月IC(国道20号・国道139号)
- 11 大月JCT(河口湖線・下り線合流、上り線、上り大月出口)
- BS 真木BS
- PA 初狩PA
- BS 笹子BS
- BS 甲斐大和BS
- 12 勝沼IC(国道20号)
- PA 釈迦堂PA/BS
- BS 甲斐一宮BS
- 13 一宮御坂IC(国道137号)
- BS 御坂BS
- BS 八代BS
- PA 境川PA/BS
- 14 甲府南IC/BS(国道358号・国道140号)
- BS 昭和BS
- 15 甲府昭和IC(国道20号)
- SA 双葉SA/双葉東BS/双葉スマートIC
- 15-1 双葉JCT(中部横断自動車道)
- 16 韮崎IC/BS(山梨県道27号韮崎昇仙峡線→国道20号・国道141号・国道52号)
- BS 明野BS
- 17 須玉IC(国道141号)
- BS 長坂高根BS
- 17-1 長坂IC(山梨県道32号長坂高根線)
- (長坂JCT:予定)(中部横断自動車道)
- PA 八ヶ岳PA/BS
- CB (下りのみ)
- CB (下りのみ)
- 18 小淵沢IC(山梨県道11号北杜富士見線)
- BS 富士見BS
- 19 諏訪南IC(長野県道90号諏訪南インター線・長野県道425号払沢富士見線)
- PA 中央道原PA/BS
- BS 茅野BS
- 20 諏訪IC(国道20号・国道152号)
- BS 有賀BS
- SA 諏訪湖SA
- 21 岡谷JCT(長野自動車道)
- BS 川岸BS
- PA 辰野PA/BS
- 22 伊北IC/BS(国道153号)
- BS 箕輪BS
- 23 伊那IC/BS(長野県道87号伊那インター線→国道361号、長野県道476号伊那インター西箕輪線)
- PA 小黒川PA
- BS 西春近BS
- BS 宮田BS
- 24 駒ヶ根IC/BS(長野県道75号駒ヶ根駒ヶ岳公園線)
- SA 駒ヶ岳SA
- BS 飯島BS
- 25 松川IC/BS(長野県道15号飯島飯田線・長野県道59号松川インター大鹿線)
- BS 高森BS
- PA 座光寺PA
- BS 上飯田BS
- 26 飯田IC/伊賀良BS(国道153号・国道151号)
- (飯田南JCT (三遠南信自動車道):予定)
- PA 阿智PA/駒場BS/昼神温泉BS
- CB 網掛CB
- 26-1 園原IC/BS(長野県道89号園原インター線・長野県道477号富士見台公園線/名古屋方面のみの接続)
- PA 神坂PA/馬篭BS
- 27 中津川IC/BS(国道19号・国道257号・)(濃飛横断自動車道:計画)
- SA 恵那峡SA
- 28 恵那IC/BS(岐阜県道68号恵那白川線)
- PA 屏風山PA
- BS 瑞浪天徳BS
- 29 瑞浪IC(岐阜県道47号瑞浪インター線→国道19号、岐阜県道352号大西瑞浪線)
- 30 土岐IC/BS(国道21号・国道19号)
- 30-1 土岐JCT (東海環状自動車道)
- PA 虎渓山PA(上り線のみ)
- 31 多治見IC/BS(国道248号)
- PA 内津峠PA
- 32 小牧東IC(愛知県道49号春日井犬山線小牧東インター道路)
- BS 桃花台BS
- (23) 小牧JCT(東名高速道路)
- (この区間は東名高速道路)
- (24 小牧IC:名古屋高速道路11号小牧線・国道41号・国道155号 詳細は小牧ICの記事を参照のこと)
- (接続 名神高速道路)
- CBは上記の他に初狩PA・勝沼IC間に1つ、須玉IC・長坂IC間に下り1つ、八ヶ岳PA・小淵沢IC間に下り2つ、小淵沢IC・諏訪南ICに1つ、岡谷JCT・辰野PA間に1つ存在する。
- 小牧JCT・小牧ICは東名東京ICからの番号
[編集] 河口湖線
- (11) 大月JCT(中央自動車道・東京方面からの分岐)
- (10) 大月IC
- 11 大月JCT(中央自動車道・甲府方面からの分岐及び本線への合流)
- BS 小形山BS
- 1 都留IC(山梨県道40号都留インター線・山梨県道705号高畑谷村停車場線/大月方面出入口)
- PA 谷村PA
- BS 西桂BS
- BS 下吉田BS
- 2 河口湖IC(国道139号・国道138号・国道137号)(大月方面出入口)
- 3 富士吉田IC本線料金所(東富士五湖道路直結)
- 本道と東富士五湖道路の境界は、富士吉田IC内にある本線料金所の中心である。
- 富士吉田ICでは、本道から一般道に出たり、一般道から本道に入ることはできない。
- キロポストは大月JCTからの続きになっているが、本線(西宮線)と区別するため、高井戸ICからの距離数値に300を加えたものになっている。
[編集] 記号
[編集] 主なトンネルと橋
[編集] 通過市町村
[編集] 本線
[編集] 河口湖線
[編集] 特殊な料金区間
- 高井戸 - 八王子:均一制(均一区間全線を通行する車両にとっては他の区間よりも割安だが、区間によっては割高となる。)
- 園原 - 中津川:恵那山特別区間(対距離料金が通常の1.6倍)
[編集] 利用状況
2002年度(2003年度JH年報より)
- 日平均交通量
- 高井戸 - 八王子(総交通量):113,411台(前年度比97.1%)
- 八王子 - 河口湖(区間平均):39,466台(前年度比98.1%)
- 大月JCT - 小牧JCT(区間平均):33,063台(前年度比98.5%)
- 総交通量
- 年間:87,486,885台(前年度比97.5%)
- 日平均:239,690台
- 料金収入
- 年間:136,183,133,000円(前年度比97.8%)
- 日平均:373,104,000円
[編集] 制限速度
山岳区間を通過し、カーブや坂、トンネルが多いため一部区間を除いて80km/h以下に制限されている。
- 高井戸IC~三鷹料金所:60km/h
- 三鷹料金所~稲城IC:80km/h
- 稲城IC~八王子IC:100km/h
- 八王子IC~大月JCT:80km/h
- 大月JCT~河口湖IC:80km/h
- 笹子トンネル内70Km/h
- 大月JCT~?:80km/h
[編集] 東名高速道路との比較
東京と名古屋の間を結ぶもう一つの高速道路が東名高速道路であり、中央道と東名高速はお互いに代替機能を担っている。二つのルートの距離は、中央自動車道の高井戸IC~小牧JCT間が344km、東名高速道路の東京IC~小牧JCT間が340kmで、ほぼ等しい。しかし、東名高速が一部を除いて比較的平坦なルートを通るのに対し、中央道は山岳地帯を通りカーブや坂、長大トンネルが多く、また東京口では片道二車線区間があり、しばしば30kmの渋滞で通過に3時間以上かかる悪性の大渋滞を引き起こすため、中長距離輸送には東名高速が使用される傾向にある。
[編集] 中央自動車道を舞台にした作品
- 中央フリーウェイ(荒井由実。「The 14th Moon」に収録)
[編集] 中央道高井戸~八王子間の料金撤廃を求める議員の会
八王子市議会の議員の会。2005年2月4日設立記者会見を行った。同市議会では2004年6月の定例会で、同区間の料金撤廃を求める意見書を全会一致で採択している。また、多摩地方の東大和市を除く市町村議会でも、同調している。
[編集] 要注意区間
- 長野県阿智村の阿智PA(下り線)通過直後は、5.4%の下り急勾配が続き制限速度(通常時70km/h規制)を超過しやすい上にR=300mの急カーブがあるため、事故が多発している(地元の人々によると、毎日のように事故が発生しているとの事)。
- 八王子JCT~相模湖IC間は圏央道との接続工事の関係もあり街灯の整備がされておらず、その上急カーブが続くためとても危険である。前照灯をハイビームにして走る車も多いので、この区間を通るときは充分注意しなければならない(上下線に高度差がある区間で、前走車が視界内にいない場合は、頼りになるのは自車の前照灯だけである)。
- また、笹子トンネル周辺では夏場の天気の急変に注意した方が必要(トンネルの向こう側は強い雨が降っていることがある)。
- 小淵沢IC~伊那IC間は、冬季にはしばしば降雪により通行止めとなることがある。並行する道路は国道20号と国道153号にほぼ限定されるため、その際にはかなりの渋滞が発生する(平均時速10km/hr以下)。
- 河口湖線上りの都留IC~大月JCT間(リニア実験線付近)には見通しの悪い大きな左カーブがある。半径が大きいため減速せずに走行できるが、行楽シーズンなど大月JCTからの渋滞が続いているときにスピードを落とさずに走行していると、急に渋滞の最後尾が現れるので追突事故を起こしやすい。
[編集] 地理
[編集] 周辺の主な山
中央自動車道の大半は山岳地帯を通過するために、沿道には非常に多くの山がある。
[編集] トンネル・河川・沿道の主な施設・芸術作品などとの位置関係
- 車窓の右左は特記が無い場合は下り線を走る車からの視線でおおよその位置である。
- (橋梁・高架区間)等とまとめられているところでも複数の橋などからなる可能性がある。
- 入路・出路/分岐・合流は本線車線から見た物である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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