白色彗星帝国
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白色彗星帝国(はくしょくすいせいていこく)は、映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』及びTVアニメ作品『宇宙戦艦ヤマト2』に出てきた敵対勢力の地球側からの呼称。
国号はガトランティス。国家元首はズォーダー大帝。巨大彗星の形態をとっているが、実はこれは擬態で、白色中性子ガスに包まれた半球状の小惑星の上に都市が築かれているのがその正体である。白色ガスは超重力を発生していることから、相当に質量の大きなものと考えられ、人工的に構築された白色矮星の一種とも見られる。このガス帯は本体の防御幕を兼ねており、地球艦隊の拡散式波動砲の斉射を受けても都市帝国は無傷のままであった(この辺りの描写など、映画版とTV版とで相違が見られる)。ただ、彗星の核が弱点であり、そこに攻撃を受けるとガスが霧散し、「都市帝国」と呼ばれる本体が現れる(但し、核は時間を掛ければ再構築も可能と推測される。テレザート大爆発の折、一度ガス帯は吹き飛ばされたが、一旦退避して体勢を立て直す折、弱体ながらもガス帯を再び纏い始めている様子が見られた)。また都市帝国には、センサー類の集中する都市の頂点と下半部の戦闘機発進口に弱点がある(上下に反重力機関のエレメントが存在するとも考えられる。TV版にて、地球着水時の、ヤマト及びその艦載機による上下同時攻撃に、ズォーダーが訝りながら憂慮の色を見せ、地球本星から一旦衛星軌道まで離脱を図るに至った)。都市の縁辺部は回転して巨大ミサイルを発射したり回転ガスを放射して都市を守るようになっている。
アンドロメダ星雲方面から地球へ向かって圧倒的軍事力で宇宙の星々を次々と侵略していったが、ヤマトとの戦いを経て、テレサの命がけの攻撃にとどめをさされて滅亡する。善しにつけ悪きにつけアメリカのイメージ(人工国家・超高層ビルの集合による摩天楼・大国主義・国家利益追求による好戦志向・人種のるつぼだが国家指導層の殆どは特定人種が占める)を具現化したような国と、ファンの間で言われている。これは自著のSF小説「モンゴルの残光」のあとがきにて西欧列強白人主導世界・文化に当たり前の様に浸りきる日常への疑問を読者に投げかけたSF作家 豊田有恒が設定策定などヤマト・シリーズ製作に大きく関わってきた事も関わる。