白鶴美術館
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白鶴美術館 (はくつるびじゅつかん) は、兵庫県神戸市東灘区にある、東洋古美術を中心とした私立美術館である。
白鶴美術館は、白鶴酒造の7代目嘉納治兵衛(1862-1951)の収集品を展示するため、昭和6年(1931)に設立され、昭和9年(1934)から公開されている。藤井斉成会有鄰館、大倉集古館、大原美術館、根津美術館などとともに、第二次大戦以前からの歴史をもつ、数少ない美術館のひとつである。
鶴翁(かくおう)と号し、茶人でもあった7代目嘉納治兵衛は奈良興福寺の執事(美術館のサイトでは東院お倉預かりの家)で古美術界に知らぬ者なき「中村家」(中村尭圓四男、中村雅真は兄)出身であり、婿養子として嘉納家に入った。豪放な性格だったと伝えられるが、少年時代、奈良の博物館で正倉院宝物の展覧があると、進んで看守のアルバイトをするなど、若い時から古美術好きの一面があったようだ。
収蔵品は仏教美術、中国の青銅器、銀器、陶磁器など国宝 2件、国の重要文化財 22件を含む1300点で、質・量ともに充実している。それらの展示施設である本館建物は登録有形文化財である。
平成7年(1995年)には開館60周年を記念して日本初のカーペットミュージアムとなる新館「絨毯美術館」が開設され、現代建築の館内では中近東の絨毯のほか、アフリカの仮面、彫刻が展示されている。
目次 |
[編集] 指定文化財
[編集] 国宝
- 賢愚経残巻(大聖武)2巻
- 大般涅槃経集解(だいはつねはんぎょうしゅうげ)71巻
[編集] 重要文化財
絵画
- 紙本金地著色四季花鳥図 狩野元信筆 六曲屏風
- 紙本著色高野大師行状図 10巻 絵巨勢有康筆 詞源国資等十筆
- 紙本墨画淡彩瀟湘八景図 祥啓筆
工芸品
- 金銅小幡 1節・金銅垂飾金具 4箇(法隆寺伝来)
- 金襴手獅子牡丹唐草文八角大壺(明時代)
- 宋白地黒掻落竜文瓶(そう しろじくろかきおとし りゅうもん へい)
- 蓮華唐草蒔絵螺鈿蝶形卓
書跡典籍
- 画図讃文 巻第廿七
- 根本百一羯磨(こんぽんひゃくいちこんま)第五
- 註楞伽経(ちゅう りょうがきょう)巻第二・三
- 法華経 巻第八(色紙)
考古資料(日本)
- 硬玉勾玉付金鎖頚飾(こうぎょくまがたまつき きんさくびかざり)伝福岡糸島郡周船寺村古墳出土
考古資料(中国)
- 虁鳳象文尊(きほうぞうもん そん)・虁鳳象文卣(きほうぞうもん ゆう)
- 犠首饕餮虺竜文方罍(ぎしゅとうてつきりゅうもん ほうらい)
- 犠首饕餮虁鳳文尊(ぎしゅとうてつきほうもん そん)
- 象頭兕觥(ぞうとう じこう)
- 饕餮虁鳳文方尊(とうてつきほうもん ほうそん)
- 饕餮虁鳳文罍(とうてつきほうもん らい)
- 饕餮文方卣(とうてつもん ほうゆう)
- 鎏金花鳥文銀杯(りゅうきんかちょうもん ぎんはい) 6口
- 鎏金銀渦雲文壺
- 鎏金竜池文銀洗
[編集] 所在地
- 〒658-0063 兵庫県神戸市東灘区住吉山手6丁目1-1