福島交通
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福島交通株式会社(ふくしまこうつう)とは、福島県中通り地方と浜通り北部でバス事業と、JR福島駅と飯坂温泉駅を結ぶ飯坂線を運営している、鉄道事業者・バス事業者である。本社は福島市東浜町7番8号にある(2005年貸切部門を福島県郡山市向河原町2番23号に移転)。
種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | 福交 |
本社所在地 | 〒960-8132 福島県福島市東浜町7-8 |
電話番号 | 024-533-2131 |
設立 | 1986年7月9日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 乗合バス事業 貸切バス事業 特定貨物運送事業 鉄道事業他 |
代表者 | 代表取締役社長 武藤孝志 |
資本金 | 27億円 |
従業員数 | 1010名(2005年5月現在) |
主要株主 | 福島民報社(24000株) 三菱自動車工業(7080株) 東京海上日動火災保険他 |
主要子会社 | 福島交通観光 福交整備 福交電算システム 福交建設 東北観光バス他 |
外部リンク | http://www.fukushima-koutu.co.jp/ |
目次 |
[編集] 概要
1907年に創立した信達軌道が前身で、開業後間もなく雨宮敬次郎の大日本軌道との合併・再度の信達軌道設立、電化と改軌による軽便鉄道から路面電車への変更、福島電気鉄道への社名変更、飯坂電車の合併、さらにバス事業の拡大により1962年に福島交通と社名を改めた。1971年の飯坂東線廃止後、鉄道路線は飯坂線を残すのみで、現在の同社はバス事業を主力としている。
1970年代、当時の会長で「東北の政商」と称された小針暦二が中心となり、福島民報社・ラジオ福島・同社を中核とする「福島交通グループ(小針グループ)」を形成し、那須ロイヤルセンターや岩瀬牧場等のレジャー事業、不動産事業、運送業、酒造業等の関連会社を経営、グループの規模を大きくしていった。この巨大企業グループは、小針暦二の長男である小針美雄が同社社長に就任し、同氏が1997年に経営から退くまで、小針暦二・美雄両氏による経営体制が20数年の長きに渡り続いた。
そして、バブル期による無理な多角経営と1980年代以降の赤字路線増加によって巨額の債務を抱え、1980年前半には経営不振となった。1986年に子会社の福島交通不動産と合併し、多額の債務は福島交通不動産が継承、交通事業部門を新たに設立した新福島交通に譲渡し、同年中に新福島交通は福島交通に改称した。しかし同時期、バス路線に並行して阿武隈急行線が開業するにあたり、競合することから、阿武隈急行の株式を51パーセント取得して筆頭株主となった(現在は20パーセントに減少)。その後、福島交通不動産はエフ・アール・イーと改称し所有不動産の売却を行っていたが、1999年に自己破産を申請した。
一方、高速バス事業については、1992年の大阪線(ギャラクシー号)開業を皮切りに、県内の主要地域や首都圏、仙台方面にも路線網を広げていった。高速バスの経営状況については一般路線とは異なり、運行本数の増加やグレードの高い車両(2階建て車両)の導入等、利用者が多く好調である。しかし、一般路線バスに関しては、1960年代から1970年代後半まで、中通り全域と浜通り北部へバス路線を広げていった関係上、1980年代初めからの利用者減少によって赤字路線が次第に多くなり、現在もバス事業の経営は厳しいものとなっている。これにより同事業者は、赤字路線を市町村生活バスへの変更や、不採算路線の廃止・短縮、合理化による路線の統廃合、バス営業所・出張所の統廃合を行った。2007年5月に、高速バス運賃・回数券発売額の値上げを行う予定である。
福島支社管内の一部路線(福島市内の専用中型車で運行の特定路線)では磁気式バスカードが利用でき、郡山支社管内の路線ではバスICカードが利用できる。特に、バスICカードの導入については東北地方初、全国のバス事業者の中では山梨県の山梨交通と北海道の道北バスに続く、3番目の導入となった。一般路線で終日使用出来るな紙式回数券(11枚で10枚分と、数種類の金額を組み合わせ、セット式で販売)の他、毎月1日のみ使用出来る、路線バス乗車促進用の特殊割引率の回数券が発売されている。
同社が所有しているバス車両については、三菱自動車工業が同社の株主である関係上、すべて三菱ふそう製である。一時期、社用車として導入している普通乗用車でも、三菱自動車製で統一されていた。
[編集] 沿革
[編集] 創立~1950年代
- 1907年(明治40年)8月1日 - 信達軌道(旧)設立。
- 1908年(明治41年)4月14日 - 信達軌道が福島停車場~長岡~飯坂(湯野村。のちの湯野町)間開業。
- 1908年(明治41年)7月13日 - 軌道線 長岡~保原間開業。
- 1908年(明治41年)7月28日 - 信達軌道ほか7社が合併し大日本軌道設立。同社の福島支社となる。
- 1910年(明治43年)6月18日 - 軌道線 保原~梁川間開業。
- 1911年(明治44年)4月8日 - 軌道線 保原~掛田間開業。
- 1915年(大正4年)12月13日 - 軌道線 川俣~掛田間開業。
- 1917年(大正6年)9月6日 - 信達軌道(新)設立。
- 1918年(大正7年)1月8日 - 信達軌道が大日本軌道福島支社の全事業を承継。
- 1918年(大正7年)10月13日 - 自動車線 川俣~松川間開業。
- 1922年(大正11年)4月11日 - 軌道線 保原~桑折間開業。
- 1922年(大正11年)5月19日 - 機関車の飛び火が原因で、鎌田村周辺で火災が発生。
- 1925年(大正14年)12月24日 - 信達軌道が福島電気鉄道に社名変更。
- 1926年(大正15年)4月6日 - 軌道線 福島~伊達~飯坂(湯野)間 電化開通。
- 1926年(大正15年)11月6日 - 軌道線 伊達~保原間 電化開通。
- 1926年(大正15年)12月2日 - 軌道線 保原~掛田間 電化開通。
- 1926年(大正15年)12月21日 - 軌道線 保原~梁川間 電化開通。
- 1927年(昭和2年)6月28日 - 軌道線 保原~桑折間、掛田~川俣間 廃止。
- 1927年(昭和2年)10月1日 - 福島電気鉄道が飯坂電車を合併。福島~飯坂温泉間を飯坂西線、福島駅前~長岡~湯野町間などを飯坂東線とする。
- 1930年(昭和5年)11月11日 - 保原町(現在の伊達市)に自動車営業所開設。
- 1931年(昭和6年)8月31日 - 福島~藤田間の乗合自動車運転開始。
- 1938年(昭和13年)7月11日 - 長岡電車車庫火災。
- 1938年(昭和13年)7月15日 - 福島市内で乗合自動車運転開始。
- 1943年(昭和18年)8月12日 - 国策により、乗合自動車12業者を福島電気鉄道に統合。
- 1945年(昭和20年)3月1日 - 飯坂西線が地方鉄道法の適用を受け、営業を開始。
[編集] 1960~1970年代
- 1961年(昭和36年)10月1日 - 福島市内のバス車両がワンマン化される。
- 1961年(昭和36年)7月20日 - 福島電気鉄道がバス会社の福島県南交通を合併。
- 1962年(昭和37年)1月18日 - 福島交通観光(株)を設立。
- 1962年(昭和37年)7月12日 - 福島電気鉄道が福島交通に社名変更。
- 1967年(昭和42年)9月16日 - 飯坂東線 聖光学院前~湯野町間 廃止。
- 1968年(昭和43年)5月23日 - 福島交通不動産(株)を設立。
- 1969年(昭和44年)7月10日 - 特急バス 平~郡山~会津若松線運行開始。
- 1971年(昭和46年)4月12日 - 飯坂東線全線廃止。
- 1971年(昭和46年)10月1日 - 福交整備(株)を設立。
- 1975年(昭和50年)3月31日 - (株)福島交通アド・エージョンシー(現在のフクコー・アド)を設立。
[編集] 1980年代
- 1986年(昭和61年)7月9日 - 新福島交通設立。
- 1986年(昭和61年)10月1日 - 福島交通が鉄道とバス部門を新福島交通に分離譲渡。
- 1986年(昭和61年)12月12日 - 新福島交通が福島交通に社名変更。
- 1987年(昭和62年)5月29日 - 福島県立医科大学の移転に伴い、福島市内・桑折町・梁川町の各方面から、同大学を結ぶ14の路線を新設。
- 1988年(昭和63年)4月1日 - 一般路線でフリー乗降方式区間を、三春・船引町内の5路線で導入される。
- 1988年(昭和63年)7月1日 - 阿武隈急行線延伸(福島~丸森間)に伴い、沿線地域のバスダイヤを再編する。
- 1989年(平成元年)11月25日 - 冬季期間限定で、定期観光バス「白鳥号」の運行を開始。
[編集] 1990年代
- 1990年(平成2年)11月6日 - 路線バス初乗り運賃の値上げを行う。(130円→140円)
- 1992年(平成4年)3月10日 - 夜行高速バス 福島~大阪線(ギャラクシー号)の運行を開始。
- 1992年(平成4年)3月16日 - 福島市内で無線式バスロケーションシステム、磁気式バスカードシステムの運用を開始。
- 1993年(平成5年)3月 - 特急バス 郡山~福島空港線(空港リムジンバス)の運行を開始。
- 1994年(平成6年)12月1日 - 高速バス 福島~いわき線の運行を開始。
- 1995年(平成7年)3月18日 - 郡山駅前~岳温泉間シャトルバス(湯・ら・ら)の運行を開始。(利用客減少により、廃止。)
- 1995年(平成7年)3月21日 - 路線バス初乗り運賃の値上げを行う。(140円→150円)
- 1996年(平成8年)1月20日 - 特急バス いわき~郡山~会津若松線が磐越自動車道経由に変更。
- 1996年(平成8年)3月22日 - 高速バス 福島~会津若松線の運行を開始。
- 1997年(平成9年)6月1日 - 路線バス初乗り運賃の値上げを行う。(150円→160円)
- 1998年(平成10年)7月18日 - 高速バス 福島~新宿線(あぶくま号)の運行を開始。
- 1999年(平成11年)3月16日 - 高速バス 福島~仙台線、福島~郡山線の運行を開始。
- 1999年(平成11年)4月1日 - JRバス東北相馬海岸線廃止に伴い、相馬市からの委託で、一部路線を市町村生活バス(松川浦循環線、南菅谷線)として代替運行を開始。
- 1999年(平成11年)4月1日 - 福島・郡山両駅から1kmまでの範囲で、バスの初乗り運賃を100円へ値下げを行う。
- 1999年(平成11年)4月10日 - 春季期間限定で、福島駅東口~花見山公園間直通バスの運行を開始。
- 1999年(平成11年)8月 - 福島支社・郡山支社で小型ワンステップバス(三菱KC-MJ218FVF)8台を導入する。
- 1999年(平成11年)9月18日 - 県内のバス事業者と共同で、「エコ定期券」のサービスを開始。
- 1999年(平成11年)11月1日 - 福島商工会議所の実験事業により、無料バス「ももりん号」の運行を開始。実施期間は2000年(平成12年)1月9日まで。
[編集] 2000年代
- 2000年(平成12年)3月15日 - 高速バス 郡山~仙台線の運行を開始。
- 2001年(平成13年)4月2日 - 郡山駅前発着の8路線でバスICカードの運用を開始。(同年10月1日に、郡山市内の全路線(空港リムジン・高速・定期観光を除く)へ拡大。)
- 2001年(平成13年)10月1日 - 夜行高速バス 福島~京都・大阪線で2階建てバスの運行、福島駅東口発の市内循環線100円バスの運行を開始。(実施期間延長により現在も継続中。)
- 2001年(平成13年)10月1日 - 一般路線に運賃上限制を導入する。(事業者側の意向により、2006年12月15日に同制度を廃止。)
- 2002年(平成14年)4月1日 - 霊山町内の4系統を廃止し、同町運行の町営バスへ移管する。
- 2003年(平成15年)9月10日 - 福島市内で公共車両優先システムの運用を開始。
- 2003年(平成15年)12月1日 - 高速バス 福島~仙台空港線の運行を開始。(利用客減少により、2004年6月30日廃止。)
- 2003年(平成15年)12月1日 - 日本郵政公社と共同で「バス待ち郵便局真っ向サービス」を開始。(二本松市)
- 2003年(平成15年)12月12日 - 高速バス 福島~山形線の運行を開始(利用客減少により、2004年10月31日休止。)
- 2004年(平成16年)3月20日 - 高速バス 郡山~新潟線の運行を開始。
- 2004年(平成16年)9月1日 - 蓬莱団地循環バスを、同年11月30日まで試験的に運行する。
- 2004年(平成16年)9月30日 - 新地町内の3系統を廃止し、同町から撤退する。
- 2005年(平成17年)1月 - 同社の本社機能が、福島市太田町から現在地へ移転。
- 2005年(平成17年)3月14日 - 同社創業100周年のプレイベントで、一般公募で採用された新デザインの貸切バス車両を公開。
- 2005年(平成17年)10月14日 - 高速バス 福島~成田空港線の運行を開始。
- 2006年(平成18年)3月31日 - 葛尾村内の2系統を廃止し、同村から撤退する。
- 2006年(平成18年)4月 - 南相馬市原町区内の一部の路線を、新常磐交通へ譲渡。
- 2006年(平成18年)7月25日 - 高速バス 郡山~新越谷線(あだたら号)の運行を開始。
- 2006年(平成18年)10月1日 - ダイヤ改正により、多数の路線廃止・経路変更がおこる。
- 2006年(平成18年)12月15日 - 福島市の平野車庫跡地に、福島高速バスターミナルを開設。
[編集] 鉄道事業
[編集] 路線
[編集] 廃線
- 飯坂東線(1971年4月12日全廃)
[編集] バス事業
[編集] 福島・郡山発着高速バス路線
停車停留所は各記事を参照(記事未作成に限り停留所掲載)
- 福島~郡山
- 福島~仙台(宮城交通・JRバス東北と共同運行)
- いわき~福島(新常磐交通と共同運行)
- 福島~会津若松(会津乗合自動車と共同運行)
- 福島~新宿 あぶくま号(JRバス関東・JRバス東北と共同運行)
- 福島~京都・大阪 ギャラクシー号(近鉄バスと共同運行)
- 須賀川~郡山~仙台(宮城交通・JRバス東北と共同運行)
- 郡山~新潟(新潟交通と共同運行)
- 会津若松~郡山~いわき(新常磐交通・会津乗合自動車と共同運行)
- 郡山~新越谷駅西口 あだたら号(東武バスセントラルと共同運行)
- 福島~成田空港 (千葉交通と共同運行)
[編集] 高速バス使用車両
全車両三菱ふそう製
- ギャラクシー号はエアロキング。増発便はこの限りではない。
- あぶくま号、あだたら号、郡山-新潟線は基本的にトイレ付き高速エアロバス新車を使用。
- 県内外路線、福島空港線は貸切改造車両を使用。最近は転用車のみならずエアロバス新車導入もあり。
[編集] 福島空港発着路線
- 郡山駅前~福島空港
- 郡山駅前・中央工業団地~福島空港
- 鬼怒川温泉駅・東武日光駅~福島空港(2004年11月29日~2005年11月29日)
- 塩原温泉・那須温泉~福島空港(2004年11月29日~2005年11月29日)
- 栃木県と関東運輸局が期間限定で運行していた路線。
[編集] 受託バス路線
- 三春町営バス「さくら号」
- 田村郡三春町からの委託により、同社郡山支社(出張所統合前は旧:三春出張所)が運行する。御木沢地区・JR要田駅を経由する「北回りコース」、三春ダム・滝桜を経由する「南回りコース」、中妻・斎藤両地区を経由する「斎藤コース」の3つのルートがある。運賃は200円均一。
- ※一部区間は、田村市船引町を経由する。
[編集] 主な営業所
[編集] 鉄道部
[編集] 乗合部
- 福島支社 福島県福島市東浜町7番8号
- 相馬営業所 福島県相馬市中村字錦町1番3号
- 二本松営業所 福島県二本松市上竹一丁目167番地
- 郡山支社 福島県郡山市向河原町2番23号
- 須賀川営業所 福島県須賀川市台18番地
- 白河営業所 福島県白河市会津町78番5号
- 船引出張所 福島県田村市船引町船引字西中子縄57番地
- 石川出張所 福島県石川郡石川町大字双里字七鍬石13番2号
- 東京営業所 東京都中央区京橋二丁目3番3号 華清ビル5階
- 大阪営業所 大阪府大阪市北区中之島三丁目2番4号 朝日ビル6階
[編集] 旧:営業所・出張所
- 相馬出張所(相馬市) → 現在は相馬営業所(出張所から再格上げ)
- 原町営業所(南相馬市)
- 梁川出張所(伊達市)
- 川俣出張所(伊達郡川俣町)
- 船引営業所(田村市) → 現在は船引出張所(営業所から格下げ)
- 三春出張所(田村郡三春町)
- 本宮出張所(本宮市) → 建物は解体、現在は回転所
- 熱海出張所(郡山市熱海町) → 建物は解体、跡地は売却。現:太田熱海病院の向かい側に所在。
- 小野出張所(田村郡小野町)
- 石川営業所(石川郡石川町) → 現在は石川出張所(営業所から格下げ)
- 棚倉出張所(東白川郡棚倉町)
※車庫として存続しているものもある。
[編集] 関連会社
- 福島交通観光
- 福交整備
- 福交電算システム
- 福交建設
- フクコー・アド
- 福交保険サービス
- 東北観光バス
- 阿武隈急行
[編集] 参考文献
- 福島交通株式会社『写真でつづる福島交通七十年のあゆみ』毎日写真ニュースサービス社,1977年9月
- 福島民報縮刷版(1981年4月~2001年10月),福島民報社
[編集] 外部リンク
- 福島交通(福島交通公式サイト)
- 三春町営バス「さくら号」(三春町公式サイトより)
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