統一モデリング言語
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統一モデリング言語 (UML, Unified Modeling Language) はソフトウェア開発のためのモデリング言語。
最初期の版はラショナルにおいて、グラディ・ブーチ、イヴァー・ヤコブソン、ジェームズ・ランボーの三人によって策定された。この三人はスリーアミーゴスと呼ばれている。現在は OMG (Object Management Group) によって管理されている。モデリング言語としては現在最も普及している。2007年現在の最新版は UML 2.0/2.1 である。
UML 2.0 では13種類の図(ダイアグラム)を必要に応じて書き分ける。よく使われるダイアグラムとしては、クラス図やユースケース図などがあげられる。
目次 |
[編集] UMLのダイアグラム
[編集] 構造図
構造図では、システムの静的な構造をモデルで表現する。
- クラス図
- システムを構成するクラス(概念)とそれらの間に存在する関連の構造を表現する。クラスの属性とメソッドを記述することができる (省略しても良い) 。関連については多重度を記述することができる。クラス間の継承関係 (汎化-特化) 、集約、コンポジションなども表現することができる。
- 複合構造図
- コンポーネント図
- 物理的な構成要素 (ファイル、ヘッダ、ライブラリ、モジュール、実行可能ファイルやパッケージなど) からシステムの構造を表現する。
- 配置図
- オブジェクト図
- クラスを実体化して生成されたオブジェクト同士の関係を表現する。
- パッケージ図
- パッケージ同士の依存関係を描画することで論理的なグルーピングをするための図で、クラス図の一部である。パッケージは、慣例的にはディレクトリ構造のように表わすことができる。パッケージ図では、システムを論理的な階層構造に分解するのに役立つ。
[編集] 振る舞い図
振る舞い図では、システムの振る舞いをモデルで表現する。
- アクティビティ図
- 相互作用図
- (後述)
- ユースケース図
- システムに要求される機能を、ユーザの視点から示したもの。そのシステムの機能(ユースケース)に外部からアクセスする利用者、外部システムなどを「アクター」と呼ぶ。ユースケース図を有効に活用することにより、システムの全体像を開発者とユーザが一緒に評価しやすくなり、これにより完成後のシステムの機能がユーザの要望に合わないという問題を軽減できる。
- 状態機械図(状態遷移図、ステートチャート図)
[編集] 相互作用図
相互作用図は、振る舞い図のサブセットであり、システムにおける制御の流れとデータ (オブジェクト) の受け渡しをモデル化する。
- シーケンス図
- オブジェクト間のメッセージの流れを時系列に表す。図の中に時間の流れが存在するため、イベントの発生順序やオブジェクト間の生存時間を記述することができる。
- コミュニケーション図 (コラボレーション図)
- 相互作用概要図
- タイミング図
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- www.uml.org - OMG (Object Management Group) のUMLウェブサイト
- OCUP - OMG認定UML技術者資格試験プログラム
[編集] UMLのツール
- Enterprise Architect - ビジュアルな UML2.0対応 モデリングと CASE のためのツール
- Visual Paradigm for UML - ビジュアルな UML モデリングと CASE のためのツール
- JUDE: Java and UML Developers' Environment - 日本製の UML モデリングツール
- ArgoUML - Tigris.org によるオープンソースの UML モデリングツール
- EclipseUML - Eclipse に UML モデリングの機能を追加するプラグイン
- IBM Rational 製品群 - IBM Rational
- MagicDraw UML - ビジュアルな UML2.0対応 モデリングと CASE のためのツール