聖剣伝説2
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ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | 株式会社スクウェア |
発売元 | 株式会社スクウェア |
人数 | 1~3人 |
メディア | 16Mbitロムカセット |
発売日 | 1993年8月6日 |
価格 | 9,800円(税別) |
デバイス | スーパーファミコンマルチタップ対応 |
売上本数 | 約150万本 |
『聖剣伝説2』(せいけんでんせつ つー)は、1993年8月6日に、株式会社スクウェアからスーパーファミコン用として発売されたコンピュータゲームソフト。
『聖剣伝説』シリーズの第2作目にあたる。
目次 |
[編集] 概要
「聖剣」を引き抜いてしまった少年ランディを中心に、マナの力を手に入れ世界征服を企む帝国軍と、それを阻止せんとする王国、共和国、レジスタンスとの争いに巻き込まれながらも、暴走したマナの力を封印するため世界を巡り歩く冒険の物語である。
『聖剣伝説』シリーズは、第1作目の前作は『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』というタイトルであり、『ファイナルファンタジー』シリーズと関連したコンピュータゲームであったが、本作から『ファイナルファンタジー』シリーズとは独立した世界観によるものとなる。フラミーやニキータ、モティなど、本シリーズの定番キャラクターも今作から登場している。
発売後、特定のボタン操作により、ボス戦終了後、ゲームが進行しなくなるという致命的なバグが見つかり、大きな問題となった。しかしながら、卓越した2Dグラフィックス、会話は少ないながらも冒険心を煽るストーリー、BGM等、ゲーム作品としての評価が大変高く、それは現在も変わることはない。
キャラクターデザインは、主人公3人が亀岡慎一、その他のサブキャラクターは岡庭慎一郎、音楽は菊田裕樹、メインプログラマーはナーシャ・ジベリ(Nasir Gebelli)、ディレクターは石井浩一、プロデューサーは田中弘道。
スタッフの異動の多い本シリーズで、本作スタッフは『聖剣伝説3』開発後、他の作品の開発のために散会した。この作品の直系シリーズは『3』のみと言っても過言ではない。1999年発売の『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』以降、本シリーズは石井浩一を中心として新たに編成された開発チームだったり、本シリーズの元開発スタッフが設立した開発会社による外注だったり、スタッフ的な関係もない完全な外注だったり、作品ごとに開発体制が違い、チーム組織としての定まりはない。
実は、本作は最初から『聖剣伝説』として開発されたものではなく、1990年から1991年にかけて開発され、最終的には開発中止になったもう1つの『ファイナルファンタジーIV』案であり、スーパーファミコン専用CD-ROMシステム用ソフトとして改めて開発し直し『クロノ・トリガー(仮題)』として発売される予定だった作品である(詳しくは『ファイナルファンタジーIV』の該当項目参照のこと)。
[編集] システム
本作の基本となる戦闘システムは『ファイナルファンタジー』シリーズや『ドラゴンクエスト』シリーズなど、多くのRPGに見られる、いわゆる「コマンド式」ではない。プレイヤーはキャラクターを操作してフィールドを自由に動き回りながら、攻撃、回避など、数々の行動のタイミングをアクションゲームのように計る必要がある。本作が「アクション・ロールプレイング(A・RPG)」と言われるゆえんである。だが、ガードや魔法などの行動はオートであり、企画のコンセプトとしては、従来のRPGのバトルをシームレスにフィールドで再現することが目的だった。この戦闘方式を本作では「モーションバトル」と呼ぶが、のちのシリーズでは「アクションアドベンチャー」等と言い換えられている。
上記のような基本的行動に加え、魔法やアイテム、その他環境設定画面を簡易かつ迅速に使用出来るようにするため、「リングコマンドシステム」が今作より搭載された。これは、コントローラの特定ボタンを押すことによって、操作キャラクターの周囲をリング状に取り囲む形で、アイコン化された各種コマンドが出現し、それを選択、実行する事で様々な行動ができる。画面を切り替えることなく行動を行えるにと採用されたこのシステムは、『聖剣伝説』シリーズの象徴とも言え、シリーズ各作品に受け継がれている。
装備品に関しては、防具は一般のRPG同様、店や敵モンスターが落とす宝箱から入手する。武器は、まずレベル1の各武器をイベントで入手する。その後、ボス戦や宝箱で武器パワーを得て、鍛冶屋のワッツに指定料金を支払って鍛えてもらうことで、次のレベルへとパワーアップさせることができる。
[編集] 熟練度
武器や魔法には熟練度が存在する。熟練度は0から始まり、99を超えると武器、もしくは魔法のレベルが1つ上がって0に戻る。
武器は敵を倒すことで熟練度を上げることができる。強いモンスターを倒すと大きく熟練度が上昇する。武器レベルが上昇すると、より強力な必殺技を使用できるようになる。現在の武器ランクより武器レベルを上げることはできない。武器ランクアップは宝箱や、ボス戦後に入手する。
魔法は1回使用するたびに熟練度が上昇する。魔法レベルが上がると威力がより強くなり、グラフィックもより派手なものになる。入手したマナエネルギーの数より魔法レベルを上げることはできない。
マナエネルギーは、各地の神殿にあるマナの種子と聖剣を共鳴させることで入手できる。なお、シナリオの進行によって、入手マナエネルギーの表示が0になる場面があるが、実際はレベル7まで魔法レベルを上げることが可能である。
[編集] 多人数プレイ
今作では、マルチタップを使用することで最大3人がそれぞれのキャラクターを操作することが可能である。
[編集] 主なスタッフ
- エグゼクティブプロデューサー:水野哲夫
- プロデューサー、コンセプト&システムデザイン、シナリオメッセージデータ:田中弘道
- ディレクター、ゲームデザインチーフ、アニメーション&モンスターデザイン:石井浩一
- ゲームデザイナー・バトルシステムデザイン、モンスターロジック:大橋悟朗
- ゲームデザイナー・マップデータシステムデザイン&データ:松村靖
- ゲームデザイナー・マップデータ:井上敏行
- プログラマー・メインプログラム:ナーシャ・ジベリ
- プログラマー・モンスターコントロールプログラム:吉枝悟
- プログラマー・ボスモンスタープログラム:村田琢
- プログラマー・メッセージプログラム:齊藤正明
- プログラマー・リングメニュープログラム:武藤竜
- プログラマー・カリキュレーションプログラム:宮川義之
- プログラマー・サウンドプログラム:赤尾実
- プログラマー・デモプログラム:深谷文明
- グラフィックデザイナー・マップグラフィックデザインチーフ:蒲田泰彦
- マップグラフィックデザイン:高橋哲哉
- ワールドマップグラフィックデザイン:上田晃
- マップグラフィックデザイン:代島学
- マップグラフィックデザイン:筒井美佐子
- マップデザイン:毛塚英俊
- キャラクターデザイナー・プレイヤーキャラクターデザイン:亀岡慎一
- モンスターキャラクターデザイン:成島康之
- キャラクターデザイン:岡庭真一郎
- マジックアニメーション:高井慎太郎
- モンスターアニメーション:佐々木倫子
- サウンドデザイナー・ミュージックコンポーザー:菊田裕樹
- サウンドエフェクトデザイナー:光田康典、伊藤賢治
- イングリッシュサポート:森山薫
- メインビジュアルアートワーク:磯野宏夫
- ネットワークマネージメント:安達景太郎
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場キャラクター
[編集] 主要登場人物
- ランディ
- 物語の主人公。幼い頃母親と共にポトス村に来たが、まもなく母親が失踪したため、村長の家で育つ。村の生まれでないため「ヨソもの」として扱われてきた。聖剣を抜いたことをきっかけに、世界を巡る戦いに関わることになる。父はタスマニカ共和国の騎士セリン。母はマナの種族。
- プリム
- パンドーラ王国の大臣の娘。幼い頃に母を失くし、父親ひとりの手で育てられた。魔女討伐に向かった恋人ディラックを追ってパンドーラの街を飛び出す。旅の途中にランディたちに出会い、同行することとなる。パメラとは親友だが、彼女がディラックに思いを寄せていることには気づいていなかった。
- ポポイ
- 帝国軍に襲われた妖精族の村の生き残り。記憶を失っており、ドワーフに発見され、保護される。ドワーフの村の見せ物小屋にてランディたちに出会い、同行することになる。彼も物語のキーパーソンである。
ちなみに、ゲーム発売前の情報公開の始まった時期には、前作『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』のように、主人公3人に固有の名前は設定されておらず、生い立ちなどの設定のみがされていた。が、開発途中に方針が変更され固有名が設定されることになった。名前は変更できる。
[編集] サブキャラクター
- ジェマ
- タスマニカ共和国の騎士。行く先々で様々なアドバイスをくれる。
- ボブ
- ネス
- ポトス村のいじめっ子。
- ルサ・ルカ
- 水の神殿の神官。子どものような外見だが、200歳を超えている。
- エルマン
- プリムの父親。パンドーラ国の大臣。ディラックとプリムの仲を裂こうとして、彼を魔女の森に派遣する。プリムに無理やりお見合いをさせたため、家を飛び出されてしまう。
- ワッツ
- ドワーフの鍛冶屋。聖剣の力が宿ったハンマーで、主人公たちの武器を鍛えてくれる。
- ニキータ
- 長靴を履いた猫の商人。がめつい性格で、お金のある人としか商売をしない。ダンジョン内でアイテムを販売してくれるが、その値段は通常の倍の価格である。
- エリニース
- 北の魔女。魔力を保つ薬草と引き換えにタナトスに従っている。タイガーキメラをペットにしている。
- スコーピオン
- 世界征服を企む悪のスコーピオン団の首領。部下を2人従えている。
- 賢者ジャッハ
- マンテン山の頂上に住む賢者。
- トリュフォー
- マタンゴ王国の王。
- フラミー
- 伝説の白竜の子供。親竜を亡くしマタンゴ王国に保護される。ヴァンドール城で主人公達が窮地に立たされたとき、突然成長し、空を飛んで助けに来る。
- マリクト
- 帝国サウスタウンに住む、タスマニア共和国のスパイ。夫も同様にスパイだったが、帝国軍に捕まり、処刑された。
- クリス
- 帝国レジスタンスのリーダー。女性。
- パメラ
- プリムの親友。ディラック同様、タナトスに魂を抜かれてさらわれる。ディラックに思いを寄せていたが、プリムには黙っていた。
- ディラック
- パンドーラ国の騎士。プリムの想い人。エルマンの策略で魔女討伐に向かわされ、魂を抜かれてしまう。今は封じられているが、強い闇の力を持った血を持っていたため、限界が来ているタナトスの次の体に選ばれた。
- ヴァンドール皇帝
- ヴァンドール帝国の皇帝。四天王と共に魔界と契約して力を得た。マナの要塞復活を狙っている。
- シーク
- 帝国四天王のリーダー。闇の騎士。メガゾーンに変身し、忍者に化ける事も出来る。中盤~終盤に登場。
- ファウナッハ
- 帝国四天王の紅一点。ラミアンナーガに変身する。ヴァンドール皇帝を殺害した。終盤に登場。
- ゲシュタール
- 帝国四天王のひとり。通称:マシンライダー。序盤から、中盤にかけて登場。自分の身体をサイボーグ化してパワーアップしていたが2回目の主人公達との戦闘後、タナトスによって完全な戦闘機械人形にされた。
- タナトス
- 帝国四天王のひとり。序盤からしばしば登場する、謎多き魔法騎士。その正体は魔界と契約によって不滅の魂を得た古の魔法使い。体が朽ちるたびに他人の体に乗り移り、命脈を保っている。
[編集] 音楽
作中のBGMは菊田裕樹が担当。印象的なメロディーをふんだんに使い、ファンタジー感であふれたそのサウンドは、発売から10年以上経った現在も高い評価を得ている。
NTT出版からは、『聖剣伝説2 オリジナル・サウンドヴァージョン』とタイトルされた、オリジナルの音源を忠実に再現した全44曲のオリジナル・サウンドトラック盤と、『聖剣伝説2 シークレット・オブ・マナ』とタイトルされたアレンジ盤がリリースされている。
[編集] 聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン
『聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン』
オリジナル版
再々販版(現在発売中の盤)
曲目
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[編集] 聖剣伝説2 シークレット・オブ・マナ
作中使用のBGMに環境音楽的アレンジを加えた、1トラック、約50分の作品。
次回作も念頭に置いた実験作だったこともあり、のちに発売された『聖剣伝説3』に使われたメロディーも所々に散りばめられている。作曲者の菊田裕樹自身が手がけたアレンジだが、原曲のメロディーを大胆に再解釈、再構成しているため、アレンジアルバムと言うよりはコンセプトアルバムの趣が強い作品となっている。原曲同様、現在も高い評価を得ている。
『聖剣伝説2 シークレット・オブ・マナ』
オリジナル版
再々販版(現在発売中の盤)
曲目
- 1. Secret of Mana
[編集] 関連項目
FF外伝(新約) - 聖剣伝説2 - 聖剣伝説3 - 聖剣伝説4
LEGEND OF MANA - CHILDREN of MANA - HEROES of MANA - FRIENDS of MANA
漫画: PRINCESS of MANA