肝っ玉かあさん
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肝っ玉かあさん(きもったまかあさん)は、1968年4月4日から11月28日までTBSで放送されたドラマ。石井ふく子プロデューサーが主役に抜擢した京塚昌子が、太った体を生かし、少しおっちょこちょいだがしっかり者の母親を演じて大好評だった。30%前後の視聴率を誇り、第2部(1969年4月3日~1970年1月29日放送)、第3部(1971年5月6日~1972年1月20日放送)も作られた。また、後の『ありがとう』、『渡る世間は鬼ばかり』に通じる人気路線の先駆けとなった。なお、映像が現存するのは第三部のみだという。
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[編集] 内容
大正五三子(京塚昌子)は、女手一つで蕎麦屋「大正庵」を切り盛りしている。長男(山口崇)はすでにサラリーマンの娘(長山藍子)と結婚し、長女(沢田雅美)は看護学校に通っている(後に病院へ就職)。嫁の実家や店の従業員たちも巻き込み、様々な騒動が起きるが、明るく前向きに解決していく姿を描いたもの。
[編集] 大正家
- 大正五三子(京塚昌子)…女手ひとつで子供二人を育てながら、蕎麦店「大正庵」を切り盛りしていることから「肝っ玉かあさん」の異名をとる。生きがいは仕事と孫。
- 大正一(山口崇)…五三子の長男。会社員だったが後に大正庵を継ぐ。子供の面倒もよく見ている
- 大正綾(長山藍子)…一の妻。旧姓清田。女性雑誌の編集者だったが後に編集長に昇進。子供のことでは五三子ともめる事が多い
- 大正三三子(沢田雅美)…五三子の長女。難関を突破し大学試験に合格するが、看護婦へ憧れ、専門学校へ。そして「梅本病院」に就職する。
[編集] 大正庵
- 堀川長吉(佐野浅夫)…「大正庵」の職人で、五三子の良き相談相手。江戸っ子気質で、とみとは年中夫婦喧嘩が絶えないが、本人や周囲も実はそれを楽しんでいる。
- 堀川とみ(長谷川裕見子→乙羽信子)…「大正庵」の従業員で長吉の妻。五三子の従姉妹でもあり、一番の相談相手でもある。長吉とは夫婦喧嘩が絶えないが心底惚れている。
- 佐々木葉麻(中原ひとみ)…「大正庵」の従業員。天涯孤独で薄倖の美人。一の幼馴染で結婚後も一を慕っている節がある。
- 近藤本子(結城美栄子)…「大正庵」の従業員。楽天家かつ頑健で、夜鳴きそばの屋台もしている。長野出身で葉麻と共に「大正庵」に起居している。
- 小林健次(岡本信人)…「大正庵」の従業員(出前持ち)。東北出身の孤児で堀川家に起居。いつも肩からラジオを下げてイヤホンで聞いている。そそっかしい性格で五三子から小言を言われることも。
- 小鹿ミキ
[編集] 清田家
- 清田保文(千秋実)…綾の父。銀行員で、下北沢に住んでいる事から大正庵の人間からは「下北沢のお父さん」と言われている。職場や子供たちには良き上司・父親だが、亭主関白であり、よく八重を「馬鹿者ッ!」と怒鳴りつけてることから夫婦喧嘩が絶えない。
- 清田八重(山岡久乃)…綾の母。典型的な山の手婦人。おっとりした性格で、やや自分勝手である。口癖は「どっこいしょ」。トラブルをよく起こし、その度に子供や大正庵の人間に迷惑をかけるが、本人は悪気はまるでないという困ったキャラクター。「綾はこの母似だ」と大正庵の人間は内心思っている。
- 清田圭司(松山英太郎)…綾の弟、結婚後は妻の父が経営していた食事処「丸平」を引き継ぐ。優しい性格で何よりも妻を愛している。母の八重に四六時中振り回されている。
- 清田千津(松尾嘉代→上村香子)…圭司の妻で年上。結婚に際しては騒動もあったが現在は圭司とともに「丸平」を経営。悩みは姑との関係、実父の老後、圭司との子供が授からないこと。
[編集] 梅本病院
- 梅本院長(松村達雄)…「大正庵」の近所で、三三子が勤める「梅本病院」の院長。五三子とは昔馴染で親しい間柄から「婆さん!」といって何かと五三子の所へ愚痴りに訪れる。しかし五三子との再婚を勧められたときは「バカにするな」と本気で怒っていた。
- 下元忍(香川京子)…梅本院長の一人娘。父親の後を継ぎ小児科医になるが、梅本病院に勤務していた年下の医師・下元史朗と結婚。やがて父親の反対を押し切り、下元について岩手に行ってしまう。
- 下元史朗(新克利)…忍の夫。忍と結婚後に、乞われて岩手の無医村に赴任する。性格は明朗快活の体育会系。忍には頭が上がらない。
[編集] その他
- 松下一平(伊志井寛)…千津の実父。千津が生まれた直後に徴兵され、戦死したと言われていた。が、戦後復員したところ、妻が実弟と結婚していたころから身を引いた哀しい過去を持つ。長らく千津と音信不通だった。千津が圭司と結婚後は自ら経営していた「丸平」を娘夫婦に譲り自分は京都へ働きに出かける。苦労人で人一倍涙もろい。
- 竹山典子(佐良直美)…三三子の親友。明るい性格で行動的、少々そそっかしい。実は良家の子女である。
- 中村メイコ
[編集] スタッフ
[編集] 受賞
- 第5回期間選奨受賞
- 第6回放送批評家賞(ギャラクシー賞)
- 第7回期間奨励賞(出演・京塚昌子)
- 第7回放送批評家賞(ギャラクシー賞)
- 第11回期間選奨受賞(出演・山岡久乃)