花山薫
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花山薫(はなやま かおる)は板垣恵介の漫画作品『グラップラー刃牙』シリーズに登場する架空の人物である。
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[編集] プロフィール
- 年齢:15歳(幼年編)、19歳(最大トーナメント編~)
- ファイトスタイル:素手喧嘩(ステゴロ)
- 身長:190.5cm
- 体重:166kg
[編集] モデル
モデルは愚連隊史上最強と謳われた喧嘩師、花形敬(はながた けい、安藤昇が率いた愚連隊「東興業」で大幹部を務めた)。
[編集] 概要
喧嘩師。五百円硬貨を指でひん曲げ、重ねたトランプの一部だけを千切るほどの超握力を誇る。非武装・非鍛錬の美学を持っておりステゴロ(素手=ステ、喧嘩=ゴロ)の天才。花山組初代組長であった父親が抗争で早世したため、15歳にして暴力団花山組の二代目組長に就任した。刃牙とは死闘を経て以後、固い絆で結ばれている。
主な特徴は外伝のサブタイトルにもある、顔に大きく走った斬り傷痕、白のスーツ(疵とスーツはまさに花形のイメージ)、そして花山家代々“漢(おとこ)の鑑”として言い伝えられている、名も無き博徒を描いた入墨作品「侠客立ち(おとこだち)」。その絵柄は斬り傷痕だらけになっている(「傷のない侠客立ちは侠客立ちではない」という信念から、自ら抗争相手の組に単身で乗り込み傷をつけさせたもの)。また非常に無口で、花山が主人公を務める外伝・スカーフェイスでも原作同様あまり喋らない。
上記の事から冷ややかな印象に見られがちだが、素の花山は優しく、面倒見の良い性格。母親が癌で寝たきりになっており、見舞いに行くシーンが登場する。互いの愛情は深いとみられる。その母も刃牙戦後に35歳と言う若さでこの世を去った。
範馬刃牙、範馬勇次郎父子に勝るとも劣らない人気キャラクターの一人で、花山を主人公としたスピンオフ作品『バキ外伝 -疵面 スカーフェイス-』(原作:板垣恵介、作画:山内雪奈生)がチャンピオンREDで連載されている。
[編集] 趣味・嗜好
趣味は釣り(プロの漁師から天性のものだと言われる程上手い)。「ワイルドターキー」と言うトウモロコシから作ったアルコール度数の強い酒(ウイスキー)を愛飲するが、好きな食べ物はナッツとチョコのクッキーとオムライス。スカーフェイス単行本3巻の書き下ろしページでも、寝床の脇にマンガ本やポテトチップスの袋があり、年相応(?)の少年らしい一面もある。組員曰く、放浪癖があるらしい。
[編集] ファイトスタイル
花山は特定の格闘技や武術の鍛錬をしたことではなく基本的には格闘の素人である。「強くなるために努力するのは女々しい事」(これはあくまで本人の弁ではなく、柴千春の発言によるもの)と、策略や駆け引きを一切用いず、ただその強靭な腕っ節のみで闘いに臨む。その超人的な強さは全て天性のもので、「強くなる為」の一切の訓練を否定している。その才能はただパワーやタフネスのみならず、巨体を持ちながら胴廻し回転蹴りを使うなど運動神経的にも優れたものをもっている。
- 握撃
- 相手の腕や足を掴み、その強靭な握力によって筋肉を挟み込むように圧縮し、逃げ場を失った血液によって破裂させる。
- 右ストレート
- 握力×体重×スピード=破壊力という方程式から、強力な一撃を生み出す。
[編集] 作中での活躍
[編集] 幼年編
朱沢江珠の部下、栗谷川から刃牙との対決を依頼される。ヘビー級タイトルマッチ直前のユリー・チャコフスキーの腕を握撃で破壊し刃牙に宣戦布告。ゲームセンター(アニメ版ではライブハウス)で刃牙と対決、激闘を繰り広げるが惜敗。刃牙との間に友情が生まれるが、直後に範馬勇次郎が乱入。満身創痍で勇次郎に挑むも返り討ちに遭い、足の骨を複雑骨折する重傷を負う。この出来事は花山にとって生まれて初めて覚えた恐怖で以後トラウマとなり、窮地に陥る度に記憶がよぎるようになる。回復後は勇次郎との決戦に望む刃牙のためにユリーらと共にトレーニングに付き合い、戦いを見守る。
[編集] 最大トーナメント編
全ての格闘家に喧嘩を売るため、地下闘技場の最大トーナメントに参加。幼年編以降、幾度も抗争を行なったようで疵や弾痕が増えていた。Bブロック第1回戦で稲城文之信を破る。第2回戦で愚地克巳と一進一退の攻防を繰り広げたが、最後は克巳のマッハ突きの前に敗れる。その後、控え室でアレクサンダー・ガーレンと一悶着を起こすが、ガーレンに軽くあしらわれた柴千春に気を取られた一瞬の隙をつかれフロントスープレックスで倒されてしまう。
[編集] 死刑囚編
刃牙、愚地独歩、渋川剛気、烈海王と共に地下闘技場の代表の一人として死刑囚との戦いに参加。最大トーナメントでの成績は5人の中で最も劣るが、極道という身分からノールールマッチに対する適性を買われての選出であった。死刑囚の一人、スペックと対決。銃弾を口に押し込まれたうえで、爆破され頬が破れる、ピストルで膝を打ち抜かれる、耳(外耳道)を中指で貫かれる(普通は耳を破られて三半規管を破壊されると動けなくなるばかりか死の危険まである)など重傷を追うが、それでも倒れることなく勝利する。この際、前述のトラウマを克服したと思われる。この対決はバキシリーズ屈指の名勝負としてファンの間で人気が高い。