薬物乱用
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薬物乱用(やくぶつらんよう、Drug Abuse)とは、社会規範から外れた方法・目的で薬物を使用することである。麻薬・大麻・覚醒剤などの違法薬物は、1回の使用であっても薬物乱用であり、所持は犯罪として罰せられるが、一部は医療目的に限って使用される。薬物依存症に陥れば、薬物入手のためには反社会的行動も辞さなくなり、公衆衛生上の大きな課題となっている。
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[編集] 乱用される主な薬物
- アヘン類
- 大麻
- マリファナ、ハシッシュなど。
- 慢性曝露で、精神病発症のリスクが大きくなる。大麻に誘発された精神病は、重篤になりやすい。
- 覚せい剤
- 鎮静薬、睡眠薬
- バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系
- コカイン
- 身体依存性はないか、あってもわずか。以前はコカ・コーラに含まれていた。
- 幻覚薬
- LSD、フェンシクリジンなど。
- 使用によって幻覚を発現する。判断が狂うため、自分や他人の生命を脅かすことすら平気になりうる。
- ニコチン
- 主にタバコによる。最近ではニコチンパッチの乱用も散見される。
- 揮発性溶剤
[編集] 日本の現状
2004年に行われた有床精神科医療施設に対する調査では、違法な乱用薬物の単独使用は、51%が覚せい剤である。有機溶剤は17%と2位であるが、初回使用薬物としては45%を占め、薬物乱用への入門薬として軽視できないばかりでなく、乱用者が低年齢であることも問題とされる。
覚醒剤と大麻は、単独使用の受診者の半数以上に精神病を誘発していた。精神病は、覚せい剤・アヘン類・大麻乱用者においては、長期にわたる残遺症状を残したり長期の時間の経過後に発症したりする傾向があった。
アヘン類・鎮静薬は、依存によって受診する割合が多くみられた。
どの乱用薬物も、離脱症状によって受診した例はほとんど見られなかった。
タバコに関しては、現在の喫煙者の4人に1人が20歳未満の時に喫煙を始めている。