超合金 (玩具)
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超合金(ちょうごうきん)はポピー(現: バンダイボーイズトーイ事業部)から1974年以降発売されたロボットアニメ・特撮作品のキャラクター玩具の総称。
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[編集] 商品の概要
1972年末に放映が開始されたテレビアニメ『マジンガーZ』は、巨大ロボットものの元祖とされ、さまざなな玩具展開がなされた。その中で特にポピーから発売された超合金マジンガーZは男の子を中心に大人気となった。原作のメカが超合金Zと呼ばれる非常に硬い架空の合金で作られているという設定も手伝って、ダイキャストパーツとABS樹脂パーツでつくられたずっしり重たい玩具が子供たちの憧れの的となった。『マジンガーZ』が『グレートマジンガー』へと交代してもますます超合金の人気は高まり、玩具販売がアニメ制作の大きな収入源となった。その後マジンガーシリーズだけではなくさまざまなアニメ作品・特撮作品のキャラクターの玩具化を一手に引き受ける一大ブランドとなり、超合金はロボット玩具の代名詞となるほど浸透して30年以上に亘るロングセラー商品となった。
[編集] 商品のフォーマット
超合金シリーズはアニメ設定に忠実な模型ではなく、あくまで子供たちが手にとって遊べる玩具として開発されていた。そのため亜鉛合金を用いたダイキャストパーツを多用した頑丈な商品であったが、プロポーションやデザインは玩具としてのアレンジがなされている。また原作に無いギミックを盛り込むことが常であり、特にマジンガーZの武器で後の巨大ロボットアニメに多大な影響を与えたロケットパンチをほぼすべての商品に組み込んでいる。可動部が少なくばね式のミサイルが各所に仕込まれているのも特徴である。
[編集] 商品の展開
当初は単体の玩具として発売されていた。しかしアニメのロボットの主流が変形・合体に移るとさまざまなギミックを仕込んだデラックス超合金が発売されることになった(表記はDX超合金など)。また『超電磁ロボ コン・バトラーV』以降、セット売りのボックスも発売され(『コン・バトラーV』ならコンバインボックスと呼ばれた)高額商品となった。一方で単体売りも続けられており、ロボットジュニア(『グレートマジンガー』)のような脇役メカも玩具化されていった。
1980年代に入ってガンプラブームが起こると消費者の嗜好が重たい超合金から改造しやすいプラモデルへとシフトし、超合金は衰退する。1983年にポピーは系列であったバンダイグループに統合されるが、超合金というブランド名はバンダイがメインスポンサーである東映ヒーローシリーズの玩具にわずかに残された。
1997年から超合金魂として、それまでの玩具然としたアレンジをやめた原作に忠実な立体化の商品を発売しているが、超合金という名を冠した商品も発売されている。またポピニカ魂と呼ばれる新ブランドもつくられている。高いクオリティーで一般認識される大人向け高級玩具の走りとなった。販売は継続されている。
[編集] 商品系列
主役は超合金、乗り物や基地はポピニカ(ポピーのミニカーの略)という区別があった。ただし主役メカであっても『ゼロテスター』や『宇宙戦艦ヤマト』などはポピニカ系列で発売されている。
- ポピーからロボットや特撮ヒーローの超合金シリーズ、金属を用いない大型商品としてジャンボマシンダーシリーズ
- ポピニカからポピニカシリーズとしてヒーローの乗り物や戦闘機、ビッグスケールと表記されることの多い基地・戦艦
なお、ポピーから発売されていた超合金とジャンボマシンダーはアメリカでも「Shogun Warriors」というシリーズ名で発売され、人気を博している。
[編集] その他の合金もの
超合金が大人気となったため他社も多くのダイキャスト玩具を発売した。これらを総称して合金もの(もしくはそのまま超合金)と呼ぶことがある。これらは超合金とほとんど遜色が無い出来の物も多かったが、後続商品であることと、契約した作品の人気が売り上げに直結する事情もあり、超合金に匹敵するほどの売り上げ・評価を残したわけではなかった。
- ブルマァク : ジンクロン合金
- トミー : 〇〇合金(『伝説巨神イデオン』ならイデオン合金など)
- タケミ : ビッガー合金
- ナカジマ製作所 : ウルトラ合金
- タカトクトイス : Zキャラクター合金(俗称Z合金、タカトク合金)
[編集] 商品の評価
発売当初は子供向け玩具でもあり、子供たちの人気が高かった。非常に多くの商品が販売されたが、丈夫な合金製であり手荒な遊び方をしても壊れなかったために損傷があることが多く、また箱や説明書、付属部品がそのまま残っているものは珍しい。そのため1980年代後期以降おこったサブカルチャーブームにおいてまんだらけなどではデッドストック品、箱などの残っている美品、一部の珍しい商品はレアもの・ビンテージとして取引されている。2000年代でもブームの頃ほどではないが、人気アイテムでは10万円以上するアイテムもある。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でも取り上げた商品が多数ある。そのため超合金魂を含めて大人を対象とした商品に変化している。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 玩具 | バンダイナムコグループ