踏切支障報知装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
踏切支障報知装置(ふみきりししょうほうちそうち)は踏切で車両が立ち往生した場合に、踏切が塞がれている事を駅や列車に知らせる為の保安装置である。いわゆる踏切非常ボタン。
日本の踏切では、複線区間では警報機が設置されている第1種甲・第3種とも、踏切の幅や道路通行量、列車の本数に関係なく、JR・私鉄とも国土交通省令によって設置が義務付けられている。反面、単線区間では設置が義務付けられておらず、単線の多い北海道や東北、四国のJR路線、及び列車本数の少ない地方のローカル私鉄では第1種甲でも設置されていない踏切が多い。
踏切の柱に取り付けられた鉄製ボックス(多くは赤く縁取られた灰色)に収められており、近くには使用法と使った場合の連絡先(主に事業者の運転指令所、地方の場合は駅である事も、非常時以外のボタン使用の禁止の旨も併記)を書いた表示板が付けられている。クラッカープレートや透明のカバーで覆われたボタンを押すと直近の信号が赤を表示する他、柱に装備されている信号炎管が炎を噴いたり、また特殊信号発光機が動作し、踏切支障を運転士に知らせる。ボタンやボックスの形状は製造メーカー・路線によっていろいろであり、ボックスが黄色だったり発光ダイオードで目印の内照が組み込まれたりした物も存在する。
従来は路線の山側にしか設置されていなかった(海側にはなかった)が、最近は両側に設置されるようになった。