軌道角運動量
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軌道角運動量(きどうかくうんどうりょう、Orbital angular momentum)とは原子において、原子核を回る軌道上の電子の角運動量の代表的なものの一つである。
[編集] 概要
まず（原子核＝中心力場の周りを回る電子の）古典的な角運動量lは、
で表される。rは電子の位置ベクトル、pは運動量、×は外積である。直交座標系を考え、運動量は、
と量子化されるので（
でhはプランク定数）、直交座標(x,y,z)各成分の軌道角運動量(lx,ly,lz)は、
となる。これらに関して以下の関係が成り立つ。
![\left[ l_y , l_z \right] = l_y l_z - l_z l_y = i \hbar l_x](../../../math/0/2/4/024e1a8a04fb97879a9bc2511ce394b0.png)
![\left[ l_z , l_x \right] = l_z l_x - l_x l_z = i \hbar l_y](../../../math/0/3/e/03e47b248dfae3ae16c47d62f3b9342c.png)
![\left[ l_x , l_y \right] = l_x l_y - l_y l_x = i \hbar l_z](../../../math/7/e/5/7e51a3cc141e38f03249a62c4c202bed.png)
上記の関係を交換関係と言う。次に、
として、
![\left[ \mathbf{l}^2, l_x \right] = \left[ \mathbf{l}^2, l_y \right] = \left[ \mathbf{l}^2, l_z \right] = 0](../../../math/1/d/2/1d23eaeac1fa28d48d6463bd962e42cd.png)
となる。上の場合、
は交換可能（可換）であり、これはこれら二つの演算子に対し、同時に固有関数になるものが存在することを意味する。当該する固有関数には球面調和関数がある。演算子をこれに作用させると（以下、極座標表示で考える）、
となる。Ylm(θ,φ)が球面調和関数で、
が、それぞれの固有値である。この時、
、
は量子数であり、
となる。を方位量子数、を磁気量子数と言う。
