金毘羅
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金毘羅(こんぴら)は、天竺霊鷲山の鬼神である。薬師如来の十二神将の筆頭・宮比羅大将(くびらたいしょう)を指す。
ヒンドゥー教の福徳の神クベーラが仏教に取り入れられ宮比羅大将となり、神仏習合によって弥勒菩薩(他に十一面観音菩薩など諸説あり)の垂迹神として金毘羅大権現が成立した。
クベーラは梵語ではヴァイシュラヴァナにあたるとされ、音訳された毘沙門天と同体であるともいう。クベーラが鰐の神であったことから、日本では海上交通の守り神として信仰されてきた。特に舟乗りから信仰され、一般に、大きな港を見下ろす山の上に祀られている。
香川県琴平町の金刀比羅宮が全国に約600社あるの金比羅神社(こんぴらさん)の総本宮となっており、江戸時代後期には、伊勢参りとともに金刀比羅宮に詣でる金毘羅参りが盛んになった。神道側の解釈として金毘羅大権現は大物主神とも牛頭天王(素盞鳴尊)とも、また崇徳天皇ともされた(崇徳天皇を金毘羅大権現とするのは年代的に明らかに矛盾するのであるが、そういう信仰があったのである)が、明治になって大物主神に定められた。縁日は毎月10日である。