阪急マルーン
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阪急マルーン(はんきゅうまるーん)とは、阪急電鉄の鉄道車両の塗装の通称。マルーンは本来栗(マロン)が語源で茶色を意味するが、阪急のそれは黒系の割合が高く、「こげ茶」・「小豆色」・「チョコレート色」などと評される。関西では伝統的に赤系の塗装が好まれ、「品よく高級感がある」というイメージがあるために、箕面有馬電気軌道の小林一三がこの塗装を採用したと言われている。
阪急では基本的に一貫して、現在に至るまでこの塗装を車両塗装に用いている。とはいえ例外が無かったわけではなく、1950年には西宮球場でのアメリカ博開催のため、800系が黄色・水色の2色塗りにされて宣伝に用いられた他、京都線の100系が特急用車両として採用された際に、下こそ阪急マルーンであるものの、上半分をオレンジ色にしたことがある。
なお、阪急社内では8000系と9300系を投入する際、塗装をメタリックオレンジなど全く違うものにしたり、あるいはマルーンを帯にしたらどうかという提案が出されたことがあるが、社員や利用者からの抗議・反発が多く、取りやめられている。なお8000系の時は一部の近畿地方の新聞でも塗装変更を報じていた。
阪急の子会社であり、またその車両を譲受して使用している能勢電鉄でも、この塗装は一時期を除いて採用されている。