電気推進 (船舶)
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電気推進(でんきすいしん)は、船の推進方式の一種で、現在一般的な、ディーゼルエンジン等で直接プロペラを回転させる方式と違い、エンジンで駆動する発電機で発電し電動機でプロペラを回転させて船の推進力を得る。
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[編集] 電気推進の種類
[編集] 一定速方式
発電機からの電力を制御せず電動機を駆動する方式。原動機の最適回転数で発電を続ける関係上、電動機の回転速度は制御されずほぼ一定となるため、プロペラは可変ピッチプロペラを採用して、ピッチを変えることにより推進力を調整する。
[編集] 可変速方式
発電機からの電力を制御することで電動機の回転速度を変化させて推進力を制御する方式。プロペラは固定ピッチプロペラを採用する。
[編集] 発電機・電動機の種類
[編集] 直流発電機+直流分巻電動機
最も初期から使われてきた方式で、原動機で直流発電機を駆動し、その電力で直流電動機を回転させる。一種のワード・レオナード方式であり回路構成は簡易だが、直流回転機は保守に手間がかかるため後述の方式に道を譲った。
[編集] 同期発電機+直流分巻電動機
パワーエレクトロニクスの発展により実現した方式で、保守に手間のかかる直流発電機を同期発電機に置き換えたもの。発電機からの三相交流をサイリスタで整流し、同時に出力電圧を制御して直流電動機を回転させる。 砕氷艦しらせ等に採用されたが、直流電動機の保守の問題は残った。
[編集] 同期発電機+誘導電動機・同期電動機
保守に手間のかかる直流機を完全に排除した方式で、現在主流になっている。発電機からの三相交流を一旦整流し、インバータで可変電圧可変周波数制御して電動機の回転速度を制御する。