1,2-ジクロロエタン
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1,2 - ジクロロエタン | |
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IUPAC名 | 1,2-dichloroethane |
分子式 | C2H4Cl2 |
分子量 | 98.96 g/mol |
CAS登録番号 | [107-06-2] |
密度と相 | 1.253 g/cm3, |
相対蒸気密度 | 0.84(空気 = 1) |
融点 | -35 °C 238K |
沸点 | 83.5–84.0 °C 357 K |
SMILES | ClCCCl |
出典 | ICSC |
1,2-ジクロロエタン(1,2-Dichloroethane)は、ハロゲン系炭化水素に属する有機化合物である。以前はエチレンジクロリド(EDC)とも呼ばれていた。主に塩化ビニルモノマー(クロロエチレン)の生産に用いられ、ポリ塩化ビニルの前駆体である。また他の有機化合物の合成においても有用な反応中間体として使われたり、溶媒として用いられたりもする。クロロホルム様の臭気を持つ無色の液体である。
目次 |
[編集] 生産
- H2C=CH2 + Cl2 → Cl-CH2-CH2-Cl
次の反応では、特に塩化ビニル(クロロエタン)・塩化水素・酸素を用いて、塩化銅(II)の存在下で1,2-ジクロロエタンが生成する。
- H2C=CH2 + 2 HCl + ½ O2 → Cl-CH2-CH2-Cl + H2O
[編集] 使用
世界の1,2-ジクロロエタンの生産量のうちの80%が、塩化ビニルのモノマーの生産に使用される。具体的には、塩化水素を発生させてポリ塩化ビニルの前駆体(クロロエチレン)となる。
- Cl-CH2-CH2-Cl → H2C=CH-Cl + HCl
副生成物である塩化水素は1,2-ジクロロエタンの生成時には再使用される。(生産の項を参照)
また、1,2-ジクロロエタンは良い非極性非プロトン性溶媒として用いられる他、洗浄剤、ペンキ除去剤として使われる。また他の様々な有機化合物の合成において良い活性試薬として用いられる。
[編集] 性質
有毒である。腐食性、高い引火性、発がん性の可能性を持つなどするため、その取り扱いには十分に注意が必要である。
[編集] 関連項目
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