JR東日本電車形(E991系)研修用機械
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JR東日本電車形(E991系)研修用機械は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の社員現車訓練用の電車形機械である。
福島県白河市にあるJR東日本総合研修センターの研修用車両として、2000年に4両が製造された。209系0番台とほぼ同一の車体を持ち、JR東日本のコーポレートカラーである緑色の帯を巻いている。先頭車両の最前部は帯が三角形になっている点、前面帯がグラデーションになっている点、前面の行先表示器が、209系に比べ大きくなっている点などが特徴。
室内は209系同様のロングシート・FRP製内壁の他、所によっては実習用にクロスシートが置かれている部分や内壁が貼られずに構体が剥き出しになっている部分なども存在する。制御機械は外箱のみだがVVVFインバータ制御を模してあり、台車はDT61・TR246系。屋根周りはE501系に似ている。主に車両構造を学べるほか、車掌・運転士合同の列車防護訓練等にも活用される。
「E991系」と営業路線を走行する車両と同様の「車番」を表示しているが、製造以来現在まで「車籍」を保持したことはなく、保線用や除雪用のモーターカー等と同じ「作業用機械」の扱いで、厳密な意味での「鉄道車両」であったことはない。そのため、営業路線内に入線することはできない。また、制御装置を持たないので自走は不可能であり、モーターカーに牽引される。
1994年~1998年の間E991系を名乗る車両(TRY-Z)が存在していたが、本車両とは無関係である。本車両は単に先代の廃車で空いた番号を付与されているだけだと考えられる。