P-90 (ピックアップ)
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P-90とは、ギブソン社が開発したエレクトリックギター用のシングルコイルタイプのピックアップである。同様のシングルコイルタイプとしてはフェンダー社製のものがもっとも有名であるが、P-90はその独特な音質を愛する根強いファンも多い。
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[編集] 特徴
P-90は、フェンダー社製のシングルコイルピックアップと外見が異なり、より大きなボディと巻数の多いコイル構造、独立して高さ調節が可能なポールピースが特徴である。
音質やキャラクターもかなり異なり、音抜けの良さとコシを持った甘く太いサウンドで、同時にシングルコイルならではの歯切れの良さも兼ね備えている。その音質を生かして、ジャズやブルース、ロックンロールなどのジャンルで愛好者が多い。
出力が大きいため、ホロウボディのギターに搭載した場合、ハウリング(フィードバック)しやすいのが難点でもあるが、その欠点を逆手にとって演奏する場合もある。有名な曲ではビートルズの「アイ・フィール・ファイン」のイントロ部分で、ギブソン・J-160Eをヴォックス・アンプに繋ぎ、5弦開放を弾いた直後、アンプに近づける事によりフィードバックを起こし、さらに弦とフレットの間隔が短いが故に、弦がフレットを叩くように振動を起こし、独特なサウンドを醸し出している。同じくビートルズの「イッツ・オール・トゥー・マッチ」では、エピフォン・カジノをフィードバックさせ、さらに音程もコントロールし、連続音を出している。
[編集] カバー形状・材質
P-90はカバーの形状によってドッグイヤー型(両端に取付用の耳があるタイプ)とソープバー型(両端に耳がない石鹸型タイプ)に分けられ、前者はセミアコースティックギター、フルアコースティックギター、1個だけ載せる(シングルピックアップ)ソリッドギターに使われ、後者は2個以上載せるソリッドギターに採用された。両者で音の違いはないが、材質が異なるものでは微小な音の違いがある。特殊な例として、ギブソン・J-160Eにはカバーが使われず、小さなプレートを介して本体を直接ボディ裏にネジ止めする方式が採用され、エピフォン・カジノでは金属製のカバーに収められた。
[編集] その他
なお、外見が似た同社のピックアップでP-100(ES-135、近年のレスポール・スペシャルなどに採用)があるが、これはコイルを2つ重ねノイズを減らしたハムバッキング構造であり、音質もかなり異なる。
P-90の人気を反映し、他のメーカー又はブランドでもP-90に似たタイプ、或いは再現したピックアップが製造されており、有名なものではセイモア・ダンカン製、ディマジオ製等がある。
[編集] 採用ギターの一例
[編集] ドッグイヤー型
- ギブソン・ES-125(Gibson ES-125)
- ギブソン・ES-175(Gibson ES-125)
- ギブソン・ES-330(Gibson ES-330)
- ギブソン・レスポール・ジュニア(Gibson Les Paul Jr.)
- ギブソン・SGジュニア(Gibson SG Jr.)
- エピフォン・カジノ(Epiphone Casino)
[編集] ソープバー型
- ギブソン・SGスペシャル(Gibson SG Special)
- ギブソン・SGクラシック(Gibson SG Classic)
- ギブソン・ファイヤーバード・ノンリバース(Gibson Firebird/Non-Reverse)
- ギブソン・レスポール(Gibson Les Paul) - 一部機種のみ
- ギブソン・レスポール・スペシャル(Gibson Les Paul Special)
[編集] カバー無し
- ギブソン・J-160E(Gibson J-160E)
- ギブソン・CF-100E(Gibson CF-100E)