SAND LAND
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『SAND LAND』(サンドランド)は、鳥山明によって週刊少年ジャンプ(集英社)に2000年23号から同年36・37合併号まで連載された少年漫画。単行本(ジャンプコミックス)は全1巻。
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[編集] 概要
この作品は、鳥山明の作品『COWA!』や『カジカ』と同様に『DRAGON BALL』終了後、短期集中連載で描かれた作品であり、鳥山明が老人と戦車を描きたいということから創られた作品。構想当初より全一巻の短期集中連載として企画されており、ストーリーも作者にしては珍しく最後まで決められ描かれた。この物語では、他の多くの鳥山明作品と同様に人間以外の知的生命体が多数存在し、主人公のベルゼブブもその一種族である魔物の少年である。僅か全1巻の短い連載ながら人気を博し、数カ国語で翻訳出版された。
本作は危機的な水不足を打開すべく人間の保安官ラオと魔物の王子ベルゼブブ、ベルゼブブのお守り役である物知りのシーフが幻の水源を探して旅立つ物語である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
人の行為と天変地異によってわずかな砂漠が世界の全てになった世界。(作中に"日本産の魔物”というセリフが出てくることから地球と考えられる。)物語は、砂漠唯一の生命線である川が原因不明の枯渇をした事から始まる。国中の人々が乾きに喘ぐ中、水は、たった一つの水源を確保した国王によって法外な値段で取引されていた。この状況をなんとかしたいと考えた保安官ラオは腕の立つ魔物に加勢を求め、ベルゼブブ、シーフとともに、国王の水源とは別な独自の水源を探す危険な旅へと出発するのだった。
[編集] 登場人物
[編集] 水探しに旅立つ三人
- ベルゼブブ
- 悪魔の王子。サタンの息子。約2500歳。ゲーム好き。月の光を浴びることで闇の力を吸収する。心根が優しく、人間の子供に奪った水の一部を分けてやったり、生き残ったピッチ人のためにオアシスを諦めたりした。闇のパワーを吸収した後ブチキレると、魔物としての本性が目覚める。その戦闘力は、普段かなわなかった虫人間をいとも簡単に倒してしまうほど。
- ラオ
- 人間の保安官。幻の泉の存在を確信して旅に出ることを決意する。格闘戦ではトンファーで戦う。ベルゼブブが今まで見てきた人間の中では一番目か二番目に強いらしい。保安官なのになぜか戦車の扱いにも長けている。その正体は元国王軍の将軍・シバ。シーフの話から、30年前、自ら指揮してピッチ人を攻撃、予想外の大爆発によって仲間と妻を失うが、それが水を独占して儲けるため、ゼウ大将軍が自分にさからうシバ達戦車隊と水を作り出せるピッチ人を同時に全滅させるための作戦だったと知り、ゼウ大将軍に対する怒りを燃やす。
- シーフ
- 物知りな魔物。名前が示すとおり盗みが得意。かなり臆病。盗みをする時は、なぜかサンタ服を着るが「サンタの格好ならいざという時にごまかしがきくから」らしい。しかし、老人然とした外見と違い、ベルゼブブよりもう少し年上、という程度の年齢である。
[編集] 魔物
残酷で悪さばかりすると人々に恐れられている種族。実際は人間に多少の危害を加えることはあっても殺すことはなく、ある意味人間よりも純粋な存在。ただし本人達は大悪党気取り(ベルゼブブとシーフに関しては「水探しに旅立つ三人」の項を参照のこと)
- サタン
- 魔物を束ねる王。ベルゼブブの父親。作者の代表作である『ドラゴンボール』に登場する、魔人ダーブラそのままの見た目。しっかりした親。超巨体で、息子のベルゼブブなどは彼のスネくらいまでしかない。
- かまいたち
- ベルゼブブとともに国王軍から水を奪った日本産の魔物。鎌が武器でスピードが速い。日本産の魔物なので聖水が効かない。
- グレムリン
- ベルゼブブとともに国王軍から水を奪った魔物。その拳は車のボンネットも打ち抜く。
- スライム
- うっかり強い日差しの中で昼寝をして蒸発、死ぬ。
- ゴースト
- なまりきっている為、長距離は飛べず旅に同行しなかった。
- ガーゴイル
- ゴーストに同じ。
[編集] 国王軍
- シバ将軍
- 国王軍戦車部隊を指揮していた正義感あふれる伝説的な英雄軍人。30年前ピッチ人を攻撃した部隊を指揮しており、その時の爆発で死んだとされる。妻は、人気セクシー女優のテリアだったが、彼女もまた30年前の大爆発により住んでいた家ごと巻き込まれ死亡している。
- アレ将軍
- 国王軍の将軍。30年前シバの戦車部隊にいて、大爆発で死亡したアポの息子。ゼウ大将軍の命令でベルゼブブ達を追うが、シバとシーフによって30年前の真実を知り、シバのゼウ大将軍打倒とダム破壊に手を貸す。
- ゼウ大将軍
- 馬鹿な王に代わって、何十年も前から、実質砂漠の王国を取り仕切っている男。ずる賢く様々な悪事を画策してきた。老人のシバに「まだ生きていたのか!」と言われる程の高齢だが、機械人間となって未だ元気。
- 国王
- 砂漠の王国を治める馬鹿な王。もういい歳だが子供じみた性格で、国政も放り出しゼウ大将軍の言いなりになっている。
[編集] スイマーズ
砂漠で有名な悪党。名前のとおり全員がいつも海水パンツ姿だが、パパ以外は実際に泳いだことが無く、したがって当然泳げない。全員ベルゼブブにぶちのめされるが、その時のパパ「もし水源を見つけたら、自分達も泳いでいいか?」あたり、多少改心したと思われる。最後には水源のダムを破壊する手助けをし、水が戻った川で4人とも水泳を楽しんでいる。息子3人は、能力的にはちょうどベルゼブブの持つ能力を3つに分けた感じである(パイク:「目と耳が利く」シャーク:「超俊足」グッピー:「パワー」)
- パパ
- シャーク、パイク、グッピーの父親。元反乱軍だが、シバのせいで負けた。マッチョ。
- パイク
- はるか85キロ先の砂漠の彼方にいる戦車が見えエンジン音が聞こえる位、恐ろしく目と耳がいい。スケッチが得意。
- シャーク
- めちゃくちゃ脚が早いのが自慢。時速180キロ出せる。
- グッピー
- 非常に大きな身体を持ち常に水中メガネをしているぽっちゃりした息子。大型の銃を持っている。弾は結構高級なものを使っているらしい。通称「人間戦車」
[編集] ピッチ人
おだやかで友好的、かつ頭のいい種族。砂漠の人々のために大量の水をつくり出すマシンをつくろうとしていたが、それをつくられると儲からないと考えたゼウ大将軍に派遣された戦車隊による攻撃で絶滅した。攻撃の実行部隊であったシバ将軍の部隊も、水をつくる機械の大爆発により全滅、シバ以外の全員が死亡している。しかし、実はピッチ人は砂漠の中のオアシスに少数であるが生き残っていた。
[編集] 蟲人間
魔物を根絶すべくゼウ大将軍の命令により、国王軍の研究所でつくられた生物兵器。ドクター・ポセの研究。戦車砲すら効かない装甲と、(通常の)ベルゼブブをも圧倒する力を持つが、未だに未完成でコントロールがきかない。ブチキレたベルゼブブによって戦闘不能になるが、とどめを刺される前にゼウ大将軍が埋め込まれたリモコン爆弾によって爆発、巻き込まれたベルゼブブも大ダメージを受ける(が、じきに回復)
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