Softimage XSI
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SOFTIMAGE XSI(ソフトイマージュ・エックスエスアイ)はAvid社によるハイエンドな3次元コンピュータグラフィックスの制作用ソフトウェア。映画のVFXやゲーム制作などで使用されている。SOFTIMAGE XSIを全面的に開発ラインに取り入れている会社にカプコン、スタジオジブリがある。競合しているソフトウェアにはMayaがある。対応するOSはWindowsXP ProまたはLinuxである。
「Softimage」および「SOFTIMAGE」の読み方は「ソフトイメージ」「ソフトイマージ」「ソフトイマージュ」などがあるが、それぞれの時代において日本での代理店や販売会社で個別に決められた呼び方であり、どれが間違っているということはない。カナダのSoftimage社では「ソフトイマージュ」と呼ばれているようである。SOFTIMAGE XSIは単にXSI(エックスエスアイ)と略されて呼ばれることが多い。
備わっている機能によって Foundation、Essentials、Advanced の3種類の価格帯が用意されている。 近年において、Foundation は10万円を切る大胆な価格設定となっている。LightWaveよりも安価にもかかわらず普及率は伸びていないのは、SOFTIMAGE XSIの開発の遅れにより、Mayaがその隙にシェアを広げてしまったこと、3Dソフトが全般的に高価なこと、ユーザーは一度覚えたソフトから気軽に乗り換えたがらないことなどが要因と考えられる。
ゲーム開発との相性を考慮して設計されており、SOFTIMAGE XSI上でつけたアニメーションを即座に開発用ゲーム機を通して表示することが可能である。
[編集] 歴史
1986年、カナダのモントリオールでSoftimage社が設立される。創立者はアニメーター出身のDaniel Langlois氏。
1988年、SOFTIMAGE 3Dの最初のバージョン「Creative Environment」を発表した。
1990年、同社は画期的なアニメーション作成方法であるインバース・キネマティクスを発表。3Dアニメーション産業の中心的な企業へと急速に成長するきっかけになった。インバース・キネマティクスは後にSOFTIMAGE 3Dの標準機能として実装される。
1994年、マイクロソフトがSoftimage社を吸収合併した。Windows NT用にSOFTIMAGE 3Dを書き直したため、低価格のNTワークステーションでも使うことができるようになった。
1998年、カナダのAvid社はSoftimage社を買収し、子会社化。SOFTIMAGEシリーズ製品を大幅に値下げした。
1999年、SIGGRAPHでSOFTIMAGE 3Dの次世代バージョンのプロトタイプ「Sumatra」を発表。
2000年、SOFTIMAGE XSI 1.0出荷開始。最初のバージョンはバグが多く不安定で、ポリゴンモデリング機能がないなど非常に厳しい出発だった。