The pillows
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the pillows | ||
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基本情報 | ||
出身地 | 日本 | |
ジャンル | オルタナティブ・ロック | |
活動期間 | 1989年~ | |
レーベル | キャプテンレコード (1989年~1991年) ポニーキャニオン (1991年~1993年) キングレコード (1994年~2006年) tearbridge production (2006年~) |
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事務所 | BAD MUSIC GROUP | |
共同作業者 | 吉田仁(プロデューサー) 鈴木淳(サポートベース) |
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公式サイト | the pillows official web site | |
メンバー | ||
山中さわお(ボーカル、ギター) 真鍋吉明(ギター) 佐藤シンイチロウ(ドラムス) |
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旧メンバー | ||
上田ケンジ(ベース) |
the pillows(ザ・ピロウズ)は、日本のロックバンド。 1989年9月16日に結成。1991年5月21日にシングル『雨にうたえば』でポニーキャニオンよりメジャーデビュー。エイベックス・エンタテインメント株式会社tearbridge production所属。
2007年現在でシングル23枚、アルバム16枚(ベストアルバム1枚、B-side曲集1枚を含む)、DVD9枚をリリースしている。2004年9月16日には結成15周年を記念したトリビュートアルバム『シンクロナイズド・ロッカーズ』を発売。
目次 |
[編集] メンバー
[編集] 現在のメンバー
- 山中さわお(やまなか さわお、1968年12月7日 -)北海道出身。B型。愛称:さわお。ボーカル、ギター担当。作詞・作曲を手掛ける。ツアーグッズのデザインも担当。趣味はTシャツ作り、浮世絵収集。Delicious Label代表として、イベントの企画や同所属バンドのプロデュースなども手掛ける。the pillowsのリーダー。
[編集] サポートメンバー
[編集] 過去のメンバー
[編集] 来歴
俗にピロウズは第一期、第二期、第三期と区別され、現在は第三期である。
第一期とは結成日である1989年9月16日から初代リーダーであるベーシスト上田ケンジ脱退までの期間を指す。KENZI&THE TRIPS解散後の上田ケンジが、地元北海道でコインロッカー・ベイビーズのボーカリストであった山中さわおとバンドを組んだことがピロウズの始まりであり、そこに元KENZI&THE TRIPSのドラマーであった佐藤シンイチロウが参加。北海道で活動していたペルシャのギタリストである真鍋吉明は、当時同じく北海道で活動していた怒髪天の増子直純の紹介でピロウズに参加することになる。こうして結成されたピロウズはインディーズ活動を経て、1991年シングル『雨にうたえば』でメジャーデビュー。『MOON GOLD』『WHITE INCARNATION』の二枚のアルバムをリリースし、ロンドンレコーディングなどを体験することでバンドとしての経験値を積む。しかし同時にバンド内での音楽的なイニシアティブの相違も徐々に深まり、結果的にはリーダーであった上田ケンジが1993年脱退。バンド活動の休止を余儀なくされる。
第二期は上田ケンジ脱退以後の一年間の活動休止期間を挟んで、1994年から1996年の『Tiny Boat』発売後までの期間を指す。レコード会社はポニーキャニオンからキングレコードに変わり、ベーシストにはサポートメンバーとしてSUPER BADの鹿島達也を迎える。またプロデューサーにはSALON MUSICの吉田仁が加わり、ボーカルの山中さわおをリーダーとした新しいピロウズを模索し始める。積極的にライブ活動を行い、その間に『KOOL SPICE』『LIVING FIELD』と二枚のアルバムを発表。また映画『Love Letter』のイメージソングにシングル『ガールフレンド』が採用された。第二期の音楽的な特徴はボーカル山中が影響を受けたソウルやボサノバ風のテイストを取り入れた楽曲が多く作られたことであり、ピロウズの音楽作品の中でも際立って個性的な色彩を放つ。しかし第二期は商業的に成功していたとは言えず、周囲の考えと自分達の求めた音楽とのギャップに苦しんだ時期でもあった。そんな中で1996年1月に発売されたシングル『Tiny Boat』は、周囲の期待とメンバーの気持ちを大きく裏切る結果を残す。自分達の音楽に対する向き合い方を不純な理由によって歪めてしまったことに対するメンバーの失意は大きく、このことがピロウズの現在の在り方に多大な影響を与えた。
第三期は1996年6月の『ストレンジ カメレオン』発売後から現在までのことを指す。シンプルなロックを追求する今のスタイルを確立したのは第三期からである。シングル『ストレンジ カメレオン』は、それまでのピロウズの音楽とは全く異質な、ボーカル山中さわおの中にある孤独や絶望といった感情が全面に現れた楽曲である。続くシングル『Swanky Street』『TRIP DANCER』もその要素を色濃く残し、1997年発売のアルバム『Please Mr.Lostman』は、それまで自分達を束縛してきたものに対する反撃の狼煙であった。以後、『LITTLE BUSTERS』『RUNNERS HIGH』『HAPPY BIVOUAC』と立て続けにアルバムを発表、ツアーを行う。その間にはシングルの発売と、ロックフェスやイベントなどへの出演を多数こなす。この頃からサポートベーシストにはfragmentsの鈴木淳が加入。2000年にGAINAX製作OVA『フリクリ』の主題歌『Ride on shooting star』を発売し、さらには同作品のBGMに多数の曲が採用されたことによって、海外にも多くのファンを持つようになる。また毎年のアルバム発売に加えて2001年にはベスト盤『Fool on the planet』、2002年、B-side集『Another morning,Another pillows』を発表。2004年には15周年記念のセルフカバーアルバム『TURN BACK』とトリビュートアルバム『シンクロナイズド・ロッカーズ』を発売するなど、年々多くのファンやアーティストから支持されるようになっている。結成15年を経た現在もツアーの動員数を毎度更新しており、2005年にはアメリカツアー、2006年にもメキシコシティと全米主要5都市を周るツアーを行い成功を収めるなど、活動をますます積極化させている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] インディーズ
- パントマイム(1990.5.21)
- 90's My LIFE(1990.10.25)
[編集] シングル
- 雨にうたえば(1991.6.20)
- 彼女はシスター(1992.4.17)
- DAYDREAM WONDER(1994.8.24)
- ガールフレンド(1995.3.24)《オリコン初登場99位》
- Tiny Boat(1996.1.24)
- ストレンジ カメレオン(1996.6.21)
- Swanky Street(1996.8.21)
- TRIP DANCER(1996.11.21)
- 彼女は今日,(1997.3.5)
- ONE LIFE(1997.6.28)
- ハイブリッド レインボウ(1997.11.21)
- アナザーモーニング(1998.1.21)
- NO SELF CONTROL(1998.9.2)《オリコン初登場87位》
- インスタント ミュージック(1998.11.27)
- CARNIVAL(1999.7.28)《オリコン初登場67位》
- RUSH(1999.10.27)《オリコン初登場81位》
- Ride on shooting star(2000.4.6)《OVA「フリクリ」主題歌》《オリコン初登場54位》
- I think I can(2000.11.22)《オリコン初登場69位,初動売り上げ3,320枚》
- 白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター(2002.8.1)《オリコン初登場56位》
- ターミナル・ヘヴンズ・ロック(2003.9.3)《オリコン初登場44位》
- その未来は今(2004.10.6)《オリコン初登場26位》
- ノンフィクション(2005.9.14)《オリコン初登場24位,初動売り上げ4,708枚》
- サード アイ(2005.11.23)《オリコン初登場29位,初動売り上げ5,040枚》
- スケアクロウ(2007.4.4)
[編集] アルバム
- MOON GOLD(1991.6.21)
- WHITE INCARNATION(1992.5.21)
- KOOL SPICE(1994.7.2)
- LIVING FIELD(1995.3.4)
- Please Mr.Lostman(1997.1.22)《オリコン初登場59位》
- LITTLE BUSTERS(1998.2.21)《オリコン初登場51位》
- RUNNERS HIGH(1999.1.22)《オリコン初登場35位》
- HAPPY BIVOUAC(1999.12.2)《オリコン初登場72位》
- Fool on the planet*(2001.2.7)《オリコン初登場19位,初動売り上げ15,580枚》
- Smile(2001.10.31)《オリコン初登場30位》
- Thank you, my twilight(2002.10.23)《オリコン初登場45位,初動売り上げ7,540枚》
- Another morning, Another pillows**(2002.10.23)《オリコン初登場59位》
- PENALTY LIFE(2003.11.6)《オリコン初登場39位》
- TURN BACK***(2004.6.23)《オリコン初登場56位》
- GOOD DREAMS(2004.11.3)《オリコン初登場20位,初動売り上げ10,712枚》
- MY FOOT(2006.1.12)《オリコン初登場22位,初動売り上げ10,397枚》
- Wake up! Wake up! Wake up!(2007.5.2)
*ベストアルバム **B-side曲集 ***セルフカバーアルバム
[編集] DVD
- BUSTERS ON THE PLANET(2001.8.29)
- DEAD STOCK PARADISE(2003.09.03)
- Hello, Welcome to Bubbletown's Happy Zoo (instant show)(2003.09.03)
- WE HAVE A THEME SONG(2003.09.03)
- WALKIN'ON THE SPIRAL(2004.9.16)
- 916 "15th Anniversary Special Live DVD"(2005.1.26)
- DELICIOUS BUMP TOUR IN USA(2005.9.4)
- DELICIOUS BUMP SHOW !!(2006.2.26)
- LOSTMAN GO TO AMERICA THE PILLOWS MY FOOT TOUR IN USA(2007.2.7)
[編集] その他
- 『90'S MY LIFE returns』
『90's My LIFE』に未発表の5曲を加えてDelicious Labelから通販のみで販売。
- 『Gazelle city』
『MY FOOT』収録の2曲を真鍋がリミックス。ライブ会場とDelicious Labelの通販のみで発売。
- 『LIFE IS DELICIOUS』(2001.8.8)
Delicious Labelのオムニバス盤。『21 fingers』、『No substance』の2曲を収録。
- 『シンクロナイズド・ロッカーズ』(2004.9.16)《オリコン初登場13位》
人気のあるアーティストが多数参加したトリビュートアルバム。ピロウズ自身が親交のあるアーティストに参加を依頼するという形で実現した珍しいトリビュートアルバムである。
- 『フリクリ Original Sound Track No.3』(2005.6.8)
劇中使用曲をリマスタリング・フルバージョンで収録したサウンドトラック第3弾。
- 『Best Collection』(2006.3.25)楽譜
メンバー監修によるバンドスコア。第三期ピロウズの代表曲を15曲収録。メンバーによる各楽曲の解説&アドバイス、使用機材の紹介、17年の歴史をまとめた年表とレア写真など盛りだくさんの内容。
- 『MY FOOT』(2006.7.3)楽譜
メンバー監修によるバンドスコア。アルバム『MY FOOT』から11曲を収録。
※ピロウズのバンドスコアとは別にシンクロナイズド・ロッカーズに収録されているFunny Bunnyとハイブリッドレインボウのバンドピースも発売されている。
[編集] 備考
[編集] カバー曲
- Simon and Garfunkel(サイモン&ガーファンクル) - 『FAKIN' IT』(『ストレンジ カメレオン』C/W)
- Prince(プリンス) - 『When You Were Mine』(「Swanky Street」C/W)
- The Roosters(ザ・ルースターズ) - 『Good Dreams』(『RESPECTABLE ROOSTERS - a tribute to the roosters -』収録)
- THE COLLECTORS(ザ・コレクターズ) - 『1.2.3.4.5.6.7 DAYS A WEEK』(『BEAT OFFENDERS~A TRIBUTE TO THE COLLECTORS』収録)
- 米倉千尋 - 『Beehive』(『その未来は今』C/W) 楽曲提供した曲をセルフカバー
- NINE MILES - 『HEART IS THERE』(『ノンフィクション』C/W)
- Mr.Children - 『つよがり』(『スケアクロウ』C/W)
- その他、ライブのみでカバーされた曲はニルヴァーナ、ベック、佐野元春、フィッシュマンズなど多数。
[編集] キャンペーンなど
- 2005年秋にシングル『ノンフィクション』、『サードアイ』とDVD『DELICIOUS BUMP IN USA』の初回盤に付いている応募券を全て集め応募すると、応募者全員にオリジナル枕カバーをプレゼントするというキャンペーンを行った。
[編集] その他
- 結成以前、ピロウズはVo&G山中、B上田、Dr佐藤の3ピースバンドとしてデビューする予定であったが、「僕のギターがあまりに下手だったため、他の二人が頭を抱えてしまい」(山中)急遽ギタリストをオーディションすることとなった(その後、真鍋が加入)。初期の頃、山中はギターを持たせてもらえずハンドマイクで歌った時期もあった。現在のピロウズの楽曲に山中のギターは不可欠であるが、今でもライブなどでは「僕のこれ(ギター)はネックレスだから」といった自虐的なMCを披露して笑いをとっている。
- アメリカを中心に海外での評価が高いことでも知られており、『フリクリ』の米国放送を機に現地のラジオ局でピロウズの楽曲が多く流されているようである。また2005年に行われたアメリカツアーでは各地でチケットが売り切れ、同様に2006年の海外公演でもメキシコで二日間に2000人を動員するなど、メンバー自身も驚愕のツアーとなった。山中は「日本で歩いていても顔を指されないのに、アメリカで『Are You pillows?』って聞かれた時はびっくりした」と語る。
- ピロウズと親交のあるアーティストや音楽関係者の中でも、Mr.Childrenとは売り上げや知名度の差こそあれ、互いに深く影響しあえる仲である。特にバンドの舵取りである桜井和寿が「デビュー当時ピロウズから影響を受けた」と語っている一方で、山中は桜井に対し「何かしらのコンプレックスを抱いていた」という。しかしピロウズのトリビュートアルバム『シンクロナイズド・ロッカーズ』にMr.Childrenが参加した頃から、互いの意識下における関係はより対等なものになっていったようである。桜井はピロウズの『ストレンジ カメレオン』を度々カバーしており、山中もそのリスペクトを汲み取りトリビュートに参加する際には「ぜひストレンジ カメレオンをカバーしてほしい」とリクエストし、「もしストレンジ カメレオンをミスチルにやってもらえないのであれば、他の誰にもやってもらいたくないくらいの気持ちだった」と語っている。また2006年に行われた2バンドによる「new big bang tour」は、Mr.Childrenとしては異例のライブハウスツアーとして行われ、互いの親交の深さが垣間見えるものとあった。このツアーの模様はMr.Childrenのアルバム『HOME』の初回特典DVDと、ピロウズのシングル『スケアクロウ』初回特典DVDに一部が収録され、またピロウズのシングル『スケアクロウ』のC/Wとして、Mr.Childrenの楽曲『つよがり』のカバーが収録されている。
- 現在のライブでのオープニングSEは、SALON MUSICの「Kelly's Duck」。
[編集] 外部リンク
- the pillows official web site(公式サイト)
- Delicious Label(山中さわおが代表のレーベル)