V型3気筒
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V型3気筒( - がたさんきとう)とは3つのシリンダーがV型に開かれている3気筒レシプロエンジンのことである。V3とも呼ばれる。 その特異なレイアウトから、採用例は非常に少ない。
[編集] ホンダのV型3気筒
1980年代、ヤマハ・RZ250に対抗するためにホンダが開発したエンジンが、2ストロークV型3気筒エンジンで、同社のMVX250Fに初めて搭載された。前傾した直列2気筒エンジンの後ろに90度のバンク角でシリンダーが1つ追加された形をしている。前後のシリンダーでバランスを取り、1次振動を理論上ゼロにした画期的なエンジンであったが、初期の焼きつき問題や販売面で振るわなかったことから、市販車での搭載車種はMVX250FとNS400R(同社のワークスレーサー、NS500のレプリカ)の2車種にとどまった。ただしワークスNS500は前1気筒、後2気筒である。また、ワークスレーサーNS500は112度V3であり、ファイアリングオーダーが位相同爆に近く近代におけるビッグバンエンジンの魁であったことは意外にも知られていない。