うるま (タバコ)
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うるまは、日本たばこ産業(JT)が沖縄県向けに製造・販売する紙巻きタバコの銘柄の一つである。タール17mg、ニコチン1.2mg。フィルター付き。
「うるま」は琉球語で「サンゴの島」の意味。たばこ税の分類上は旧3級品にあたる。2006年7月現在の価格は190円。癖の強いタバコではあるが、沖縄県内では中高年層を中心に根強い支持を受けている。
[編集] 概要
太平洋戦争後、アメリカ軍占領下にあった沖縄では、煙草の製造・販売が民営化されており、一時は沖縄内だけで4社の煙草メーカーが並立していた。その一つである琉球煙草社から1960年に発売された銘柄が「うるま」である。
1972年に沖縄県が日本政府の統治下に復帰するにあたり、本土同様に日本専売公社によるタバコ専売制を敷くことになり、当時沖縄にあった3社の煙草メーカーは日本専売公社沖縄事業局に吸収された。しかし、従来から沖縄の人々に馴染まれてきた沖縄ローカルのタバコ銘柄を急に廃止するのは問題があることから、専売公社は沖縄での人気銘柄であった「うるま」「バイオレット」(琉球煙草製)、「ハイトーン」(オリエンタル煙草製)などのタバコを引き続き沖縄県内専用銘柄として継続生産・販売することになった。
専売公社が民営化によりJTとなった2006年現在でも「うるま」「バイオレット」「ハイトーン」は沖縄県内限定で販売が続いている。しかし、2004年にJT那覇工場が閉鎖されたため、以後の生産については沖縄県外で行われている。
エンブレム風な金色のタツノオトシゴと「URUMA」という縦長のロゴとをあしらった古風なデザインのパッケージを、発売以来長年にわたって続けてきたが、2005年には手書き風の「うるま」というロゴにイラスト調の赤いタツノオトシゴという新パッケージになった。この新デザインには批判も多く、特に沖縄県内で物議を醸した。