たわし
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たわし(束子)は、洗浄のために用いる繊維を固めた道具のことである。繊維の部分を対象物にこすり付けることで汚れを落とす。
スポンジでは落ちにくい汚れで、傷が問題とならない箇所、例えば調理器具、浴室、布製の靴などの洗浄に主に用いられる。古くから用いられているものはヤシの繊維(パーム)でできたものが有名である。亀の子束子と呼ばれることが多いが、これは亀の子束子西尾商店の登録商標である。
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[編集] 種類
- 亀の子たわし
- ヤシの繊維を、ねじった針金に挟んで固定し、毛先が揃うように楕円形に成型したもの。水に強く、耐久性に優れている。ヤシの繊維は硬く、対象物を傷つけやすいため、主に金属製品や陶器などに用いられる。また、小型で柄付きのものは布製の靴を水洗いするためにも用いられる。同様の構造で、ナイロンなど繊維が柔らかいものもある。
- スポンジたわし
- 発泡ポリウレタンをそのまま用いたもの。吸水性に富み、洗剤を含ませることで洗浄が容易にできる。食器などの油汚れの洗浄に効果を発揮する。細かい部分を洗いやすくするため、スポンジ全体を目の粗いネットで包んだ製品もある。自動車の洗車などにも用いられる。
- 金属たわし
- 金属(鉄、ステンレス、真鍮)の細い線を丸めたもの。対象物の表面を削り落とすため、非常に洗浄力が高い。金属製品のコゲつきや錆落としに用いられる。鉄の非常に細い線を綿状に固めた物はスチールウールと呼ばれる。
- ナイロンたわし
- ナイロンなどの繊維と研磨剤を固めたもの。調理器具などの頑固な汚れを落とすために最適である。スポンジたわしとナイロンたわしが片面づつ接着されている商品が多い。プラスチックなど傷つきやすいものには使用しないよう注意書きがある。
- ヘチマたわし
- 入浴時に体を洗浄するために用いられる、ヘチマの実の繊維をそのまま用いたもの。ヘチマの実を長期間水に付けて腐らせ、果肉と種を取り除くことで作られる。
- 柄付きたわし
- 木や竹、プラスチックの柄の先にたわしを付けたもの。トイレ掃除や浴槽洗い、靴洗い等に使われる。
[編集] 歴史
古くは藁や縄を丸めたものが洗浄に用いられていた。明治時代の中ごろ、文京区小石川の少年、西尾正左衛門が、母親が作っていた靴拭きマットにヒントを得て考案した。靴拭きマットは従来の縄でできたものとは違い、シュロを針金で巻いた構造であった。しかし、既に特許が取られていたこと、すぐに毛先がつぶれて効果が無くなることが問題であった。そこで、マットに用いていたシュロを針金で巻いたものを丸めて、亀の子束子と命名し洗浄用に売り出したところ、大ヒット商品となったとされる。
[編集] 産地
[編集] テレビ番組の景品
- 「関口宏の東京フレンドパークII」のビッグチャレンジのときダーツで当たる景品の一つで、ダーツ板の中心と車の当たる場所の左右などにある。
- 「新婚さんいらっしゃい!」のペアマッチでパネルを開き2枚同じになると賞品としてもらえる。このコーナーでは地球儀の中の該当賞品を貰える夫婦にハワイ旅行が当たるが、該当賞品がたわしであることが多い。