ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 (Yubari international fantastic film festival) とは、北海道夕張市で開かれていた映画祭である。初めての開催は1990年で、以来毎年2月に開催されていた。
1993年(第4回)のヤング・ファンタスティック・グランプリ部門で初監督作品「レザボア・ドッグス」(1991)が南俊子賞を受賞したクエンティン・タランティーノは、自身の監督作品「キル・ビル Vol.1」(2003)において、このゆうばり映画祭へのオマージュから、登場人物の一人、栗山千明演じる女子高生の殺し屋にゴーゴー夕張という役名を与えた。
2006年に夕張市が財政再建団体入りを表明したことに伴い、開催補助金支出打ち切りを決定し、多くの映画関係者や俳優から惜しむ声もある中、市運営による開催を中止することを同市が発表した。 これを受けて夕張市民有志が設立したNPO法人「ゆうばりファンタ」が中心となり、2008年2月に再スタートをする予定。
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[編集] 会場
主要会場は夕張市内6ヶ所である。
- ゆうばり文化スポーツセンター
- 夕張市民会館大ホール
- ゆうばりホテルシューパロ
- 夕張市民会館シネサロン
- 清水沢健康会館
- 夕張商工会議所
ほか、開催年により特設会場でイベント上映がある。
[編集] おもな受賞作品・受賞者
- ヤング・ファンタスティック・グランプリ部門グランプリ
- 第1回(1990年)『ホワイトウィザード』監督:ニルス・ゴープ
- 第2回(1991年)『ヴァルビィの奇蹟』監督:オーケ・サンドグレーン
- 第3回(1992年)『双旗鎮刀客』監督:ハー・ビン
- 第4回(1993年)『春にして君を想う』監督:フリドリック・T・フリドクソン
- 第5回(1994年)『キリング・ゾーイ』監督:ロジャー・エイヴァリー
- 第6回(1995年)『パリ空港の人々』監督:フィリップ・リオレ
- 第7回(1996年)『アキュムレーター1』監督:ヤン・スヴェラーク
- 第8回(1997年)『CLOSING TIME』監督:小林政広
- 第9回(1998年)『ベルニ-』監督:アルベール・デュポンテル
- 第10回(1999年)『バンディッツ』監督:カーチャ・フォン・ガルニエ
- 第11回(2000年)『金髪の草原』監督:犬童一心
- 第12回(2001年)『ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日』監督:スリ・クリシュナーヤ
- 第13回(2002年)『猟奇的な彼女』監督:クァク・ジェヨン
- 第14回(2003年)『地獄甲子園』監督:山口雄大
- 第15回(2004年)『木浦は港だ』監督:キム・ジフン
- 第16回(2005年)『初恋のアルバム~人魚姫のいた夏~』監督:パク・シンフク
- 第17回(2006年)『血の涙』監督:キム・デスン
- ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門グランプリ
- 第1回(1990年)『竹下パフォーマンス/秘芸水戸黄門』監督:竹下心也
- 第2回(1991年)『死神特急』監督:寺田裕之
- 第3回(1992年)『ダイヤモンドの月』監督:野火明
- 第4回(1993年)『トラッシュ』監督:久保直樹
- 第5回(1994年)『FAMILY TIME』監督:川口良太
- 第6回(1995年)『はにわマン』監督:安原伸
- 第7回(1996年)『脳の休日』監督:水戸ひねき
- 第8回(1997年)『party』監督:内海まゆみ
- 第9回(1998年)『深夜の三人』監督:越坂康史
- 第10回(1999年)『夏に生れる』監督:村上賢司
- 第11回(2000年)『どんてん生活』監督:山下敦弘
- 第12回(2001年)『東京ハレンチ天国 さよならのブルース』監督:本田隆一
- 第13回(2002年)『山崎係長解放戦線』監督:上乗直子
- 第14回(2003年)『美女缶』監督:筧昌也
- 第15回(2004年)『極東のマンション』監督:真利子哲也
- 第16回(2005年)『マリコ三十騎』監督:真利子哲也
- 第17回(2006年)『なま夏』監督:吉田恵輔
[編集] 関連項目
- プチョン国際ファンタスティック映画祭
- 東京国際ファンタスティック映画祭
- ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭
[編集] 関連文献
- 小松沢陽一著『夢人間たちの共和国 東京国際ファンタスティック映画祭10年史』シネマハウス、1995年10月、ISBN 4795220573