ゆら型輸送艦
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ゆら型輸送艦(ゆらがたゆそうかん)は海上自衛隊の輸送艦。1980年代に2隻が整備された。
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[編集] 概要
海上自衛隊における艦の中では最小のものであり、これより小さいものは艇となる。沿岸僻地地帯や離島に対する人員・物資を輸送するためのものであり、500t前後の規模の輸送艦は、海上自衛隊として本型が初めてである。
物資の揚陸方法は、海岸に擱座し、艦首のバウドアを開き、ランプを下ろして行う。このビーチングのために、艦底は平底となっており、離礁にも利用するために碇が艦尾にある。バウドアは2枚式であり、油圧によって開閉する。艦の前部が開放式の積載スペースとなっており、そこに車両・物資を搭載する。なお、重量などの関係上、戦車の搭載はできない。また、他に兵員70名を搭載できる。
艦の後部に艦橋があり、兵員居住区と機関部もある。武装は20mm機関銃を艦橋頂部に1基備えている。
海上自衛隊では、本型の後、設計を簡易化した輸送艇1号型を建造している。
[編集] 同型艦
- ゆら(LSU-4171):1980年4月23日起工、1980年10月15日進水、1981年3月27日竣工、佐世保重工
- のと(LSU-4172):1980年4月23日起工、1980年11月12日進水、1981年3月27日竣工、佐世保重工
[編集] 要目
- 基準排水量:590t
- 全長:58m
- 全幅:9.5m
- 全高:5.0m
- 喫水:1.7m
- 機関:ディーゼル2基2軸 3,000馬力
- 速力:12ノット
- 乗員:30名