アクリル繊維
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アクリル繊維(アクリルせんい)とは、アクリロニトリルを主原材料にした合成繊維のこと。1950年にデュポン社が初めて工業生産を開始。柔らかい風合い、羊毛に似た性質からセーター、毛布の製造に多く使われるようになった。なお、温度変化に弱いので、織物には適していない。
製造工程は、原料に熱を掛けた状態で口金から押し出して繊維状にする。比較的簡単な技術で生産が可能なことから、中国など第三国への技術移転が進み生産量も増加傾向にある。反面、日本を含めた先進国では生産が減少傾向であり、2002年には、日本で初めて国産技術によるアクリル繊維を製造した旭化成が市場から撤退するなど、ビジネス面ではコスト競争で厳しい環境に置かれている。