アップルパラダイス
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[編集] 概要
「コミックマスターEX」及び「コミックマスター」、そして「RPGマガジン」(いずれも発行元はホビージャパン)誌上で1992年から1997年にかけて連載された。
聖林檎楽園学園なる架空の学校(高校?)を舞台に、主人公たちが奇妙な事件に巻き込まれるコメディー作品。
作者自身が「思いついたことが、何でも描けるようにしちゃおう」(1巻なかがき)というコンセプトで設定を考えたと書いているとおり、一話完結で次々と奇想天外な物語が展開する。また、古典SFからも多くの引用がなされている。
単行本はホビージャパン・ノアール出版から出たが2006年現在いずれも絶版となっている。
また作者が2006年現在連載している「よみきりもの」(コミックビーム)では事実上の続編や、設定を共有するストーリーが多数描かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主要登場人物
- 江崎まりあん
- 文芸部に所属する、本編の主人公。赤いメッシュの入った髪形が特徴的。好奇心旺盛で、学園で起こるさまざまな謎に首を突っ込む。が、毎回突拍子もないでたらめな推理を連呼するので周囲からは半ば呆れられている。いつも飼い猫のふゅあ菜(後にまー菜と改名)をつれている。アーチェリーの経験がある。しばしば小説のネタ探しに頭を悩ませているが、書くのは宇宙人や怪獣が出てくる変な話ばかりである。ちなみにこれまでに発表した作品は、「透明人間の復讐」「地下室の井戸の怪物」「殺人雪だるま対武器商人」「海底人ビスケー湾上陸」などなど(2巻『ものかき』より)。
- 西園寺京子
- まりあんの友人。考古学クラブに所属。理性的な性格で、非論理的な超常事件は苦手。納得のいかない出来事に関しては結構短気。大の甘党にして大食漢で、ケーキ一個を丸々平らげてしまうほど。そのくせどれだけ食べても、逆に食べなくても体重が減らないという奇妙な体質。そのおかげか背は高くスタイルがいい。親知らずが二度同じところから生えたり、眠るのが嫌いで1日4時間しか寝なかったり、いろいろ変わったところも多い。エミリオに好意を寄せられている。
- 朝ヶ丘絵里子
- まりあんの友人。ツインテールのキュートな女の子だが、言葉遣いはなぜか男っぽい。口癖は「変だぜ」。いつも笑顔を見せているが、逆に感情をほとんど表情に出さず、妙に達観したところがある。連載後半でその素性について意外な事実が描かれるが(3巻『ひとりよぶん』)、結局正体は謎に包まれたままだった。作者の他作品にもしばしば顔を出す(後述)。
- エミリオ
- 先輩
- 文芸部でまりあんの先輩。本名、年齢ともに不明。美少年の登場するファンタジーな耽美小説を好んで執筆する他、さまざまな課外活動に顔を出している。エドガー・ライス・バローズなどの古典SFの大ファン。ちなみに灯台守の当番の際、うっかり火を消してしまい、そのせいで留年したらしい(1巻『せいどうのとうだい』)。絵里子とともに作者の他作品に登場したこともあり、何かと謎の多い人物である。
- まー菜(前半はふゅあ菜)
- まりあんの飼っている縞猫。まりあんにつれられて毎日のように学園に通っている。謎の侵略者を次々に撃退したり(2巻『ねこじだい』)、突然身体と声だけが分離してしまったり(3巻『こえ』)、いろいろと不思議なところも多い。名前は連載初期に読者からの応募で決める予定であったが、あまり案が集まらなかったため保留となり、仮名としてふゅあ菜(あるいはふぉあ菜)という名前が与えられていた。その後改めて募集が行われ(3巻『こえ』)、3巻『ねこのなは』で発表された。
[編集] 聖林檎楽園学園
聖林檎楽園学園は主要登場人物が通う学園であり、大半の物語の舞台となっている。まりあんたちの学年などは明記されていないが、恐らくは高校1、2年生であるかと思われる。広大な敷地を持ち、多くの建物があるが使われていないものも多い。以下に主な特徴を列記する。
- 校舎自体が意思?を持っており、危険なことがあれば自ら移動してしまう。
- なぜか校庭には多数の穴が開いている。
- 裏手には中王国時代のファラオの墓がいくつかある。
- 海に南面しており、灯台と並んで往年の灯台として使われていた青銅像がある。また難破船、幽霊船、流氷などさまざまなものが流れ着く。
- 地下には温泉脈がある。効能は不老長寿。
- イベントの少女と呼ばれる肖像画がある。
- 5年に一度制服が変わる。
- 敷地内に17の時計塔が立っている。また時計のついていない塔を含めるとその数は数え切れない。ちなみにそのうちの一つの針を戻すと時間は逆行してしまう(ただし学園の敷地内のみ)。
- 巨大な天文台を持っている。
- 地下には古代に使われていた校舎が埋没しており、少なくとも3500年の歴史を有しているらしい。
- 地下には巨大モグラが生息している。
- 幸運の泉と呼ばれる噴水があり、コインを投げ込んで願い事をするといいことがある。逆にそのコインを盗むと大変な目に遭う。
- 学園の敷地内がカニの群れの通り道になっているため、冬季には休校になる。
- 巨大ダコが理由もなく空を飛んでいる。
- 裏手の山が突然大移動を始めたりする。
- 石炭層には春を呼ぶ石像が埋まっている。
他にも無数の謎があるものと思われる。
[編集] 同作者他作品との繋がり
[編集] よみきり♥ものにおける聖林檎楽園学園
「よみきり♥もの」では、本作品と同じ舞台、同じ設定を共有する作品が複数書かれている。まりあんたちが引き続き主人公として登場する『あっちのやねこっちのやね』を除き、それらの作品は本作品から数年後の出来事として(あるいはパラレルワールド上の出来事として)描かれていると思われる。 また本作で「変なこと」が起こったとき、起こるときに使われる擬音「ゴーン」(あるいは「ごーん」)を受け継いでいる作品も多いが、ここでは作者自身によって関連性が明らかにされたもののみを取り上げる。
- 『あっちのやねこっちのやね』(「よみきり♥もの」2巻収録)
- まりあんたち主要人物がそのまま登場する。「アップルパラダイス」の一編と考えることも可能であろう。
- 『ブックスパラダイスvol.1~4』(「よみきり♥もの」3,5,9巻収録)
- 元々はフォックス出版の雑誌「コミックメガフリーク」で連載された(vol.1~2)が、同誌の休刊に伴い「よみきり♥もの」の一編とされ、後にシリーズ化された。朝ヶ丘恵理子にそっくりのキャラ・恵理子、そして先輩が登場する。「よみきり♥もの」2巻なかがきにて聖林檎楽園学園を舞台にしていることが明記された。
- 『りんごのひみつ』(「よみきり♥もの」6巻収録)
- 前述の『ブックスパラダイス』と同じ時期、同じ舞台を共有しているとされ、恵理子が引き続いてメインキャラとして登場する。「何年か前」のフィルムの中にまりあん、京子、絵里子、エミリオが映っていることから「アップルパラダイス」から数年後のストーリーと考えられるが、そのフィルムを所有していたのは先輩である。
- 『たつはしら』(「よみきり♥もの」8巻収録)
- 『りんごのひみつ』の主人公・明治梅たちが再登場する。学園の謎を解決しようと梅が奮闘するという筋書きであり、前作と並んで「アップルパラダイス」の続編とも言える物語である。
[編集] そのほかの作品
- 『せいふくもの』(単行本「せ~ふくもの」所収)では、ヒロイン・糸川朝季子の初等部時代の同窓生として西園寺京子が登場する。当時の将来の夢は「日本初の女の総理大臣」になることであった。
- 「かわいいや」ではまー菜そっくりの子猫・ふー菜が登場する。
[編集] タイトル
[編集] 1巻
コミックマスターEX3~12号収録(1992年~1994年)
- ふえるまど
- たまごたまご
- みいらののろい
- せいどうのとうだい
- いずみわく
- ころもがえ
- かねのおと
- おおそうじ
- すいせいくる
- あっぷるぱらだいす
[編集] 2巻
コミックマスターNo.21~33,35~37収録(1994年~1995年)
- ながれつくもの
- かおのいし
- みずのそこ
- ねこじだい
- あめどおり
- そらにたいようが
- ねむいごご
- さむいあさ
- とおりみち
- は
- ながれるみず
- なみだめ
- ものかき
- なつのひのおもいで
- やまあるき
- たいふういっか
[編集] 3巻
コミックマスターNo.38~49、RPGマガジン2~4月号収録(1995年~1997年)
- こうしゃのつながり
- あふれでるみりょく
- ふゆばのなつ
- つきのよる
- ひとりよぶん
- いどのそこ
- こえ
- あめのひは
- うみのそこ
- ねっぱなひび
- ねこのなは
- まるいわ
- ゆきのだるま
- ふゆのくらし
- はるのこえ