アナテマ
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アナテマ(ανάθεμα, anathema)は「聖絶」「奉納」「滅ぼす」「捧げる」「殺す」「呪われる」「呪われたものとなる」などと訳されるギリシア語の言葉。聖書で、ヘブライ語「ヘーレム herem」の訳としてよく使われた。アナフェマとも。
元来は、「神への奉納物としての『異民族の殲滅』」も意味していたこの語が、紀元前後のパレスチナにおいては「強い呪い」を意味する語に変質した。パウロ書簡のなかにも「私たちが伝えたのと異なる福音を伝えるものは呪われよ(=アナテマたるべし)」(ガラテア1:8)とする用法がある。こうした異質なものへの「呪い」の意を承けて、カトリック教会では、アナテマは「破門」を意味する語として用いられるようになった。