アマチュアレスリング
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
アマチュアレスリングは、格闘技またスポーツの一種である。オリンピックの公式競技ともなっている。
大きくグレコローマンスタイルとフリースタイルの2通りのルールがある。プロレスと区別するため、アマレスと呼ばれることも多い。しかし、バルセロナ五輪からプロの参加が認められるようになったので、競技団体側はその言い方は避け、レスリングと呼ぶ様にしている。
グレコローマンスタイルにおいては、競技者は腰から下を攻防に用いることが出来ない。これは、古代ギリシャ、ローマでのルールに由来する。一方、フリースタイルにおいては、全身を用いることが出来る。これは、18世紀イギリスで行われたルールに由来する。どちらのスタイルにおいても、ポイント、勝敗の判定に違いはない。現在、女子の公式競技はフリースタイルのみ行われている。
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[編集] ルール
2人の競技者が、お互いに素手で組み合い、相手の両肩を1秒以上マットにつけることで勝敗を決する(フォール)。フォール以外に、柔道と同じようにポイントで判定になる場合がある。打撃技、関節技、絞め技は禁止されている。
国際ルールでは、これまでは試合時間は6分と定められており、それを前・後半各3分ずつ行い、同ポイントの場合は更に3分間の延長戦を行う方式だったが、2008年北京オリンピックへ向けてルールが一部改正され、総試合時間6分こそ変更がないが、2分間ずつの3ピリオドで試合を行い、先に2ピリオドを制した選手が勝ち上がる方式となった。
また、ルール上の欠点として、世界的な競技にも拘わらず、頻繁にルールが変更されてしまう点がある。 審判の上にチェアマンがおり、チェアマンと審判の判定が齟齬した場合に往々にして 問題化する場合があるほか、コーチが抗議すると判定が覆る事がままある等 審判の権威が他競技に比較し、低い事も一部では問題視されたことがある。
[編集] 世界的な競技
日本では体型が特殊な相撲はともかく、組技競技としては柔道がずば抜けて普及しており、それに反比例してレスリングはマイナー競技扱いである。(ただし、八田一朗会長時代には五輪等国際大会では世界随一の力を見せていた)。だが世界的に見ると広く普及しており、特に欧米、中近東は競技人口も多い。[要出典]
また近年では、日本でも女子レスリングの活躍、レスリング出身の総合格闘家の活躍で脚光を浴び、レスリングが見直されてきている。
[編集] 自由な参加規程、自由な発想
日本柔道、大相撲は、他のプロ興行への規制は厳しく、現実的には引退して出場することになる。それに比べるとレスリングは規制が大変ゆるく、当時現役プロレスラーの谷津嘉章が全日本選手権にカムバック参戦して優勝したことがある(谷津はアマレス出身)。しかし、この自由は特に日本が進んでるため、オリンピックでのプロ解禁は柔道と同じ、1992年のバルセロナオリンピックからと遅れてしまった。
女子の吉田沙保里を売り込む際は「谷亮子(柔道)の連勝記録を抜いた!」と日本レスリング協会は各メディアにアピールした。このような他の競技の選手と比較し、踏み台にする破天荒なこともしている。
2007年、レスリング出身の山本"KID"徳郁がプロ活動を中断し、五輪出場を目指し再度レスリングに参戦した。この行動にレスリング上層部は「人気のある山本選手が参戦すれば、競技が盛り上がる」と手放しで受け入れた。しかし、この山本の出場に関して、一部マスコミ、現役選手、ファンの間からは、疑問の声も上がった。 [1] [2]
具体的には、
- 前世紀に遡る、7年以上前の成績を理由にする協会推薦の是非。
- 全日本選抜における前年度までの基準(出場枠)の変更。
等が挙げられる。 しかし、このような人気選手、話題選手への措置は井上京子、ジャガー横田、前述の谷津嘉章復活、柔道の正木参戦、アニマル渡辺復活等の時も見られたように日本レスリングでは特に珍しくない。
アマチュアスポーツ的な発想にこだわらず、関係する民間企業の意向にも配慮し、前述の山本選手が参戦した大会では、放送権がある日本テレビに配慮した日程調整もおこなったと言われる。これについても一部、疑問の声が上がった。理由やどんな疑問かは不明である。
[編集] 階級
年齢、体重別に階級を定めて争われる。
- 全日本レスリング選手権大会の階級
- フリースタイル、グレコローマンスタイル
- 48kg級、51kg級、55kg級、59kg級、63kg級、67kg級、72kg級の7階級
- 2004年アテネオリンピックでの階級
- 男子
- フリースタイル - 55kg級、60kg級、66kg級、74kg級、84kg級、96kg級、120kg級
- グレコローマン - 55kg級、60kg級、66kg級、74kg級、84kg級、96kg級、120kg級
- 女子 - 48kg級、55kg級、63kg級、72kg級
[編集] 日本の選手
[編集] 関連項目
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