アルキド樹脂
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アルキド樹脂(アルキドじゅし、alkyd)は樹脂の一種で、アルキッドと呼ばれることもある。アルキドの語は、alcohol + acid(アルコールと酸)に由来するとされ、アルコールと酸の反応物はエステルであるから、アルキド樹脂はポリエステル樹脂に含まれる。
アルキド樹脂は、塗料や印刷インキの業界で使用されるものを指すことが多い。この場合は着色剤との適合を良くするため、油脂をも反応に加えた、油変性アルキド樹脂の略称を意味する。
油脂は脂肪酸とグリセリンからなるエステルである。油脂にさらにグリセリンを加えて反応させると油脂(水に溶けない)およびグリセリン(水に溶ける)の中間の性質(どちらとも親和する)ものを、自由に作ることができる。更に好みの酸とポリアルコール類を加えて反応させると、硬さ、強靭さ、薬品に侵されない、電気を通さない、などの性質を調節した樹脂が作れる。反応を終わった樹脂は、扱いやすくするため、溶剤に溶かすことが多い。
よく使用される原料として以下のものがある。
- 油脂: 大豆油、椰子油、亜麻仁油など。
- 酸: 無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸など。
- ポリアルコール: ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコールなど。
- 溶剤: キシレン、ナフサなどの石油系が多いが、場合により水も用いる。
用途として塗料、印刷インキなどが挙げられる。