アルジェントソーマ
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アルジェントソーマは、2000年10月5日~2001年3月29日にかけてテレビ東京系で放送されたアニメ。放送時間は毎週木曜25時15分から25時45分まで。未放送の特別編1話を含め全26話。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] あらすじ
2054年、人類は突如飛来した巨大なエイリアンと交戦状態に陥り、深刻なダメージを被った。 其後も飛来を続けるエイリアンに対抗統べく、国連政府は軍を再編、対エイリアン特殊部隊 “フューネラル”を組織した。学生タクトは、恋人・マキの行方を追う内に、マキが師事するノグチ博士の研究施設へと導かれ、そこで行われていたエイリアンのパーツを繋ぎ合わせ、金属生命体“フランク”を復元する実験に立ち会う事になる。が、突如覚醒したフランクは周囲を瓦礫の山と化し逃走。この時、マキとノグチ博士は死亡し、タクトもまた重傷を負ってしまう。何もかも奪われたとフランクに復讐を誓ったタクトはマキを失った悲しみから、新しい自分になろうとMr.Xと名乗る男の手引でリウ・ソーマという別人として、戸籍まで変え、事故で皮膚の爛れた顔に整形を施し新生する。そして昔とは違う自分だと過去の自分との決別を果たそうとしたが、其後もタクトは恋人だったマキに対してのトラウマに苦しみ精神的に追い詰められる。
フューネラルに入隊し、エイリアンとの戦いの日々の中、ソーマは復讐の炎を燃やし続けるが、実は外部の攻撃に依ってマキとノグチ博士が死亡し、フランクはそれを護ろうとした事が明確になってくる。ソーマは自分は一体如何すれば良いのかといった悩み・過去のトラウマと闘う羽目になり、同時にその恨みはエイリアンへと向けられていく。
[編集] 登場人物(声の出演)
- リウ・ソーマ(タクト・カネシロ)(保志総一朗)
- Mr.Xによってフューネラルにスパイとして送り込まれたザルクパイロット。元々は大学で宇宙飛行士を目指していたがエイリアン来襲により断念した。恋人を失った事故が原因でエイリアン(特にフランク)に対して非常な憎しみを抱いている。複座のザルクにハティを乗せフランクと組んで行動するうちに心境に変化が生じ、復讐心との間で揺れ動いて苦悩する。
- ハティ(ハリエット・バーソロミュー)(桑島法子)
- フランクと意思の疎通ができる少女。その能力のため軍の対エイリアン戦に協力させられる。前線ではリウのザルクに同乗してフランクに指示を出す。彼女がフランクと意思疎通ができるのは戦闘によってエイリアンの破片が脳内に入り込んだせいであり、そのために長期間の昏睡状態に陥っていた。
- マキ・アガタ(桑島法子)
- ユニバーサル大学生体工学科の学生でノグチ博士の研究の手伝いをしていた。タクトとは恋人同士だったがフランクを復元する実験中に事故に巻き込まれる。
- ラナ・イネス(紗ゆり)
- フューネラル基地司令。夫と子供をエイリアンの攻撃によって失っている。そのためかハティを娘のように想い同居している。
- マイケル・ハートランド(中田譲治)
- ザルク部隊指揮官。黒人の巨漢で歴戦の勇士である。薄着のハティにパイロットジャンパーをプレゼントした。
- ギネビア・グリーン(井上喜久子)
- ザルクパイロット。難病で病弱だったが努力して軍に入隊した。デビット・ロレンスの姪。
- ダン・シモンズ(子安武人)
- ザルクパイロット。ヨーロッパの名門出身で父親のように失脚することを恐れている。妹がおり非常に大切にしている。
- スー・ハリス/スー・シモンズ(堀江由衣)
- ザルクパイロット。一匹狼的性格で協調性に欠けるが次第に部隊の仲間と打ち解けてくる。父親は優秀な戦闘機パイロットだった。子供っぽい性格のせいかハティと仲がよい。ダンと地上で歩兵戦闘に巻き込まれたのが縁となり後に退役し結婚。娘ギネビアをもうける。
- フランク(ユーリ・レオノフ)(高田祐司)
- エイリアンの破片から復元されその後、フューネラルでは兵器として転用される。フューネラルでの呼称はEX-1(エクストラワン)。その戦闘能力はザルクを上回る。唯一ハティのみと意思の疎通が可能である。万が一の暴走に備えて自爆用の核弾頭が装備されている。
- Mr.X(デビット・ロレンス)(竹村拓)
- タクトを「リウ・ソーマ」として情報収集のためフューネラルに送り込んだ人物。階級は少将。リウに対しては持って回ったふざけた態度で接する。ユーリ・レオノフの親友でオデッセウス号の航海の際は地球でミッション・ディレクターを勤めていた。ギネビアの叔父。
- トート部隊の指揮官でイネス失脚後にフューネラル司令となった人物。リウ達に対して敵対的な態度を取る。
- 准将(岸野一彦)
- イネスの後ろ盾となっていた人物。フューネラル接収後、イネスに心臓発作で死亡したと知らされる。
- リック・シュタイナー(三木眞一郎)
- タクトの大学時代の友人。宇宙への憧れを捨てきれず軍に入隊して成層圏迎撃機のパイロットとなる。フューネラルに緊急着陸した際にリウとなったタクトと再開する。
- 最終回でハティが身を寄せていた孤児施設の関係者。宇宙に赴くハティを子供たちと共に見送る。
- クローカ
- ユーリ・レオノフの妻。ユーリが宇宙で行方不明になった後、エイリアンの来襲に巻き込まれ死亡。
- マカロフ議長(嶋俊介)
- ドクター・スチュワート(清川元夢)
- エレイン(笹本優子)
- ツィノーバ(山下亜矢香)
- スミス(岡和男)
- スミス夫人(みきさちこ)
- 士官(置鮎龍太郎)
- 長官(村松康雄)
- 作戦参謀(中嶋聡彦)
- 祖父(沢木郁也)
- 教育要員(宮田浩徳)
- 保安官(真殿光昭)
- ナレーション(桑島法子)
[編集] 登場メカ
- ザルク(SARG)
- フューネラル基地に配備されている対エイリアン用可変機動兵器。戦闘機形態と人型形態の2つのモードを有する。最大の特徴はエイリアンモーターと呼ばれる駆動ユニットで重力慣性制御により従来の戦闘機とは比較にならないほどの機動性を発揮する。操縦席が機体の中心軸ではなく左肩の部分にあり装甲化されていない。ブラックボックスの部分が多く機体が破損した場合は専用の施設でなければ修理することができない。長距離ミッションでは専用の母機に収納されて移動する。エイリアンモーターをもってしても高機動戦闘時にはパイロットに相当の負荷がかかるようで所属不明のトートとの戦闘時には搭乗していたリウとハティは激しい苦痛を感じ、敵機のパイロットにいたっては耐え切れずに死亡したと見られる描写がある。そのためかかなりのパイロットを選ぶ機体であるようだ。ザルクはドイツ語で「棺」の意。
- トート(TOD)
- ザルクの後継機。トートはドイツ語で「死神」の意。
- ミステル
- フューネラル実戦部隊の指揮輸送機。三機のザルクを機体後部にぶら下げて輸送できる。
- 成層圏迎撃機
- 超高高度でのエイリアン迎撃を任務とする機体。主武装は貫徹力強化型核弾頭ミサイル。
- ユリシーズ号
- 地球周回軌道に係留されていた核パルス推進方式の深宇宙探査船。エイリアン来襲にともない半端放棄されていた。同型艦にオデッセウス号があるがペンローズツイスターホール調査の際に喪失している。対超巨大エイリアン用の恒星間弾道弾として転用されるところをあやうく阻止される。
[編集] スタッフ
- 原作(原案):矢立肇、片山一良
- 監督:片山一良
- シリーズ構成:山口宏、片山一良
- キャラクターデザイン:村瀬修功
- メカニカルデザイン:山根公利
- 音楽:服部克久
- アニメーション制作:サンライズ
- 製作:ビクターエンタテインメント、サンライズ
[編集] 主題歌
- OP「Silent Wind」(作詞:北川恵子 作曲・編曲:服部克久 歌:菅井えり)
- ED「Horizon」(作詞:北川恵子 作曲・編曲:服部克久 歌:Sphere)
[編集] 放映リスト
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[編集] 関連事項
NHK教育テレビで放送された児童番組『うたっておどろんぱ』で本作の挿入歌『素晴らしき我が家へ』がカバーされた。
[編集] 外部リンク
テレビ東京 木曜25:15~25:45枠 | ||
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