アンティコスティ島
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アンティコスティ島(英語:Anticosti Island、仏語:Île d'Anticosti)はセントローレンス湾北部、セントローレンス川河口に位置する島。カナダのケベック州に属する。面積7,941km²。人口266人(2001年)で、大部分は西部の町のポート・ムニエ(Port-Menier)に住む。島は森林に覆われている。
[編集] 歴史
アンティコスティ島は数千年間、大陸本土に住む先住民の狩猟場として使われていた。この島をインヌ人(innu)はNotiskuan(熊狩りの場所の意)と呼び、ミクマク人(Mi'kmaq)からはNatigostec(前の土地の意)と呼ばれていた。
1534年夏にフランスの探検家、ジャック・カルティエが島の岸に沿って航海を行い、その土地をAssomptionと命名した。その後1600年代前半までにフランスの領有が確定した。1680年にルイ14世は探検家のルイ・ジョリエ(Louis Jolliet)にアンティコスティ島と、その北にあるミンガン諸島を与えた。翌年ジョリエはアンティコスティ島に砦を建設し、妻と4人の子供と6人の使用人を連れて入植した。
1763年にパリ条約によってケベックがイギリス領になると、島の所有権がジョリエの子孫から離れた。その後何度か所有者が変わったが、1895年にフランスのチョコレート会社社長のアンリ・ムニエが購入した。彼は魚とロブスターのカンズメ工場を島に作ったり、材木、泥炭、鉱物などの資源開発をした。1913年にアンリ・ムニエが他界すると、兄弟のガストンが所有者になったが、島の経営がうまくいかなかったため1926年に製紙会社に島の所有権を売却した。1974年にケベック州政府が島を購入した。