イベリコ豚
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イベリコ豚(イベリコぶた)とは、豚の一品種。スペイン西部地方のみで飼育されるイベリア種というスペイン原産の黒豚。黒い脚と爪をもつ傾向があり、スペイン語では「黒足の豚」(pata negra)と表現される。
以前は、スペインでの豚コレラ流行の影響から日本への輸入が禁止されていたが、2004年より輸入解禁となっている。
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[編集] 特色
肉質が良く、脂身はサラリとして甘味があるのが特色。脂身には、餌であるドングリ由来のオレイン酸を多く含む。この特色は、餌や飼育法に拠るところが大きく、品種的な特徴ではない。
脂肪分は、いわゆる霜降り状に付いているが、この特色は飼育法と品種的な特徴の両方から成る。
[編集] 飼育法
イベリコ豚は、品種名であるだけではなく、特別な飼育法で育てられる。最大の特徴は、放牧を行うことである。
- 哺乳期間
- 誕生から2ヶ月までは、母豚からの哺乳により飼育される。
- 予備飼育
- 離乳から体重が100kg前後になるまでの期間。樫やコルク樫の森で天然穀物飼料、牧草、種子、草の根を自由に食べさせる。
- 肥育期間
- モンタネーラ(montanera)と呼ばれる放牧期間。
- 一般的には10月から翌年2月、3月まで続く。この間、イベリコ豚は自分でドングリ、牧草、球根植物、植物の根を食べる。放牧中に運動することによって、脂肪分がいわゆる霜降り状に付く。
[編集] ランキング
モンタネーラ後の肉質や増加体重によって、イベリコ豚はランク付けされる。
- ベジョータ (BELLOTA)
- 放牧期間前と比較して、50%以上の体重増があり、肉質がベジョータの基準をクリアしたもの。
- レセボ (RECEBO)
- 肉質がベジョータの基準をクリアできなかったものや、体重増が50%未満であり、モンタネーラ後も引き続き自然餌を加えた人工飼料を与え、体重を増加させたもの。
- ピエンソ (PIENSO)
- 穀物飼料だけで肥育されたもの。
[編集] 関連項目
- ハモン・イベリコ - イベリコ豚の後脚から作られる生ハム。
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